2019年02月22日

「女王陛下のお気に入り」と「半世界」

「女王陛下のお気に入り」
英国やフランスなどの歴史ものは、つい触手が伸びちゃう。
宝塚体質だから?(笑)

しかし、この映画は、そんな体質を寄せ付けてくれない。
権力に憑りつかれた女はコワいなあ
上昇志向の強い女も。

英国の歴史を予習してから、見た方がよかった。
アン女王は、子だくさんだったのに、すべて失ってしまっていたのだ。
この事実を押さえてないと、映画全体を見誤ってしまいそう。
英国では、よく知られていることなんだろう。
女王の孤独がひたひたと伝わり、そこに付け込んでいく女二人の壮絶な戦いに目が離せなくなる。


「半世界」
じわっとくる映画だった。
3人の39歳の幼馴染たちの焦燥と諦めと幸せと・・・人生の重みが心に届く
みんな、そんなもんなんだろうなあと。
特に炭焼き職人の高村(稲垣吾郎)の不器用な生き方が、たまらなく愛おしかった。
そう感じさせてくれる吾郎ちゃんのすばらしさ
気持ちの動きが手に取るようにわかる
人生の折り返し点ともいえる年代、自分のいる世界と外の世界の交わり、見えている半分の世界にこれから何を足していくのか。
きっといつまでも反芻し続ける映画だと思う。

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シアターコクーン「唐版風の又三郎」

暇なはずなのに、なぜか忙しい
まあ、完全暇よりはよいかと思うけど

2月11日にシアターコクーンにて「唐版風の又三郎」を観劇。

これぞ、演劇!という劇空間が繰り広げられて、そのセンターでキラキラと輝くちえさま(柚希礼音)♡
退団してから、3年半、やっと観たかったちえさまに辿りつけた。

大満足

金守珍さんは、ちえさまのよいところを完全に引き出して、そのうえ、進化させている。
ばあやは、大感動でした。

6年前に同じ空間で観た「唐版滝の白糸」がちんぷんかんぷんで、赤いドレスの大空ゆうひと、黒いおじさんの平幹二郎しか記憶になく・・・

まあ、思い入れが違いすぎるから、仕方がないとしても、唐版なるものに拒否反応が出てしまい、今回は、あまり力を入れてチケットを取らなかった。

ちえさま、ごめんなさい
まさかアングラ劇で、ちえさまがこのように開花する日が来るとは予想だにせず・・・
愚かでした

内容は・・・やっぱりなにがなんだかよくわからない
でも、演劇の力というか熱量はがんがん伝わってくる

イメージの洪水だ

その洪水の中でおぼれることなく、魅力的で残酷で身勝手でやさしいエリカという役をちえさまは見事に出現させ、泳ぎ切っていた。

織部の窪田くんも、6年間の蓄積により確実に進化しているようで、舞台の上を彷徨っていた感じの白糸から、軽やかに、着実に存在感を得ていた。

二人の力量もすごいけれど、やはり共演者のみなさまにしっかり支えられているからこそ。

惜しむらくは劇場だ。
かつて六本木のビルの地下にあった自由劇場。もう45年くらい前のこと?
舞台と客席の境界線がわからないような空間で、芝居にどっぷりと役者とともに過ごす3時間ほど。
あの魅力に取りつかれて、ずいぶん通った。
その自由劇場がコクーンでやるというので、観てみたら、あれ?というくらい熱量が拡散してしまい、私の知っている劇空間ではないと失望して、以来、一度も足を運ぶことがなかった。

風又も、そんな空間で観たら、人生変わっちゃうくらいの衝撃を受けただろうなあ。
いや、もう人生、なにも変わらなくていいけど(笑)
十分変わったから

李麗仙さんの出ていた結城座とかも、よく観に行ったけれど、あのわくわく感をもう一度味わいたいなあ。

ちえさまが、このあと、ディナーショーを経て、一人舞台を250席ほどの空間で行うという流れが、いかにすごい挑戦なのかが、よっくわかった。
なにもかもさらけ出して、もっと大きなものを得ようとするちえさまの貪欲さにますます惚れちゃう。

やはりこんな人、ほかにいない。唯一無二のちえさま♡

REON JACKシリーズ以外の舞台は、どこか迷走しているようで、ちえさまには自己プロデュース能力が足りない?などと失礼なことを思ったりしていたけれど、大きな間違いだった。

20周年の記念の年の幕開けに、この舞台を選んだちえさまは、まったく正しい。
そして、ここまでちえさまを生かせる金さんに出会えたことは、なんとラッキーなことだろう。
私としては、風間杜夫さんとの共演も、すこぶるうれしい。
風間さんの初めてのアングラ劇への出演とは思えないほどの存在感はさすが!

ちえさま、もってるね

これからも、ずっとお共させていただきます。

唐さんの作品には、シチュエーションはあれもこれも取り入れられるけれど、政治的宗教的なイデオロギーではなく、人間の普遍的な生命力を蘇らせること1点に集中しているような気がする。
ちえさまのおかげで、劇空間の新しい見方を得ることもできた。
今回の唐版風の又三郎、観てよかった。
まだ、大阪も観るけど(笑)



posted by 風土倶楽部 at 10:21| Comment(0) | 極私的観劇日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年01月25日

新しいものに接近

毎年、年末年始が嫌いだ
だらだらといつの間にか変わってほしい年と月日。
忘れていたい年齢の積み重ね
しっかり思い出さなくても、次々に周囲が退場していく今、あえて月日を数えたくない

2018年の締めは、12月31日の兵庫県立芸術文化センターでのジルベスター・コンサート

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オンザ・タウンも登場。来年は佐渡さんの指揮によるオンザ・タウンも芸文で演奏される。
1940年ごろを舞台にした1950年ごろ上演のミュージカルが、なぜ、今?



2019年の皮切りは、米朝一門会@サンケイブリーゼホール
面白かった〜!
南光さんの佐野山。ええわ〜
落語の世界は、今まであまり近づかなかったのに、このところ、面白くなってきた。
でも、聞いていて疲れない語りが好き。

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宝塚の皮切りは、月組オンザ・タウン@東京国際フォーラム
たまきち、ありちゃん、ゆののゴールデントリオを観るつもりで行ったけれど、れんこんとさち花姐さんの演技が素晴らしくて、そちらに目を奪われた。
時代背景は、ほとんど描かれていないけれど、戦場に出かけていく兵士たちの24時間の休暇をどう過ごすかが描かれたこのミュージカル。
アメリカは、こんなときでも陽気だなあ。こんな国と戦っちゃだめだよね(笑)


夕方は、雪組ファントム@東京宝塚劇場
このお話は、どうも好きになれない。楽曲は、どれも耳に残る美しいものだけれど。
だいもんときーちゃんの歌が素晴らしすぎて、心地よすぎて、1幕はうとうとしてしまった(笑)
このトップコンビの歌唱力は、宝塚の宝だな〜

楽しい1日を過ごした翌日、インフルエンザA型に罹患。
初めてだ〜インフル・・・予防注射をしたのに
そういえば、予防注射から、調子が悪かったっけ…

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2018年12月29日

ボヘミアン・ラプソディーと日日是好日

ボヘミアン・ラプソディ
ビートルズには、なぜかまったく反応しなかったのに、クイーンは日本武道館で1975年に遭遇して以来、はまってしまった。
ロンドンでうろうろしていたころに、友人の家の窓から、フレディーの家が見えるというので拝んだことがある。
1989年だった。

ただ、フレディの苦悩を深く考えるわけもなく、英語の歌詞を深く受け取るわけでもなく、自分の未来と現状に対する不安と苦悩に忙しかった。

あれから40年以上たって、こんな映画に出会うとは…

涙、涙でございました。ライブ・エイドのシーンで大泣き。
フレディ、そしてブライアン、ロジャー、本当にありがとう!
出会えてよかった。そして、青春の何ページにも、いてくれてありがとう。

3回目にいつ行くか…考え中。


日日是好日
こちらも涙…
お茶の神髄をわかりやすく伝たわってくる。
難しいことはなにもなく、ただ、感じること。
のりちゃんと一緒に父の愛をたくさん感じることができた。
樹木希林の存在感が深くて、彼女なくしては成り立たなかった映画だと思う。
今一度、ご冥福を心から祈りたい。合掌

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2018年12月19日

あれやこれや観たんだけれど・・・

昨年から、身辺が激動すぎて、書き込む暇がなかなかない。
最愛の家族が、一人、また一人、この世を去っていくさみしさ、悲しさが襲ってくるけれど、それをしみじみと偲んでいる時間もないほど、時に流されてしまっている。
いつの間にか紅葉も終わり、冬枯れの風景に変わった。

一応覚書程度に。

10月20日
国際フォーラム ホールC REON JACK3 進化し続けるちえさまだった。

東京千秋楽を観る予定だったけれど、危篤の知らせが届き、とんぼ帰り。
当日は間に合ったけれど、翌日、看取ることに…


11月8日、11日 
梅田芸術劇場 REON JACK3
ちえさまへの愛を再確認(笑)
コンテンポラリーダンスの「try」に衝撃を受けた。素敵!


11月17日 
東京劇術劇場プレイハウス 桜の森の満開の下
天海姐さんの男役を拝見。やっぱりセンターが似合う人だな〜
でも、内容はなんだかよくわからず…野田マップも、唐版と似たようなものだった(笑)


11月18日 
東京宝塚大劇場 月組エリザベート千秋楽
友の会で当選。ちゃぴの退団を見届けた。
来年、また、エリザベートが再演され、シシイになるとか。
ちえさまと同じアミューズに所属。ちえさまと共演する日も近いか?


11月27日 
宝塚大劇場 「ファントム」雪組新人公演
縣千を目当てに観劇。大人の男が似合う104期生。恐るべし!


12月1日 
大阪四季劇場 劇団四季 リトルマーメイド
四季のミュージカルを観るのは何年ぶりかしら
海の中の表現力に脱帽。

12月9日 
梅田芸術劇場 魔界転生
期待外れ〜

12月22日
サンケイブリーゼホール M&Oplays ロミオとジュリエット
三宅ロミオがかわいく、健気で、ちゃんとロミジュリになってた(笑)
ロミジュリのテーマは永遠だ〜!

お芝居は、これで終わり。今年も、よく劇場に通いました。
でも、どこか心ここにあらずの状況での観劇が多かった。
来年は平安がいいな〜


posted by 風土倶楽部 at 21:58| Comment(0) | 極私的観劇日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年10月15日

映画「甘い生活」

フェデリコ・フェリーニ監督の「甘い生活」

大昔に見たような気がするのだけれど、ほぼ覚えていない
BS3で放送されたのを録画したものを、安静にしていなければいけなので、見るなら、今でしょ、と。

何度もアナザー・ワールドに行きつつ、戻りつつしながら完鑑賞。
見始めたら、娼婦のアパートに行くところだけは思い出した。

やはりアニタ・エグバーグとのローマの夜の泉の場面が秀逸。
放蕩しているマルチェロでなくても、夢心地になってしまう。

1950年代の退廃した上流社会を中心に、人間の愚かさが焼き付けられた映像。
特に聖母に遭遇したという幼い兄妹を取り巻くマスコミの状況は、今とまったく変わらないし、パパラッチの語源になったというカメラを持ってハエのように群がるカメラマンたちの様子も、道具が異なるだけで同じ。
当時の縦に長い四角いカメラを全員が持っているのが面白い。

フェリーニだから、華やかな陰影とロケーションが印象的。

人間の退廃と放蕩は、どの時代も変わらないなあ
posted by 風土倶楽部 at 17:54| Comment(0) | 極私的観賞日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

バウホール 星組「デビュタント」

再び足をひきずりバウホール
こんなことをしているから、お医者に叱られてしまった。

でも、観てよかった

せおっち(瀬央ゆりや)としどーちゃん(紫藤りゅう)、きわみくん(極美慎)の極美の並びを観られたから。

デビュタント色に染まってしまった。って、何色なんや?(笑)

物語は…正直に言うと、どうでもいいです。
星組の若手たちを観ているだけで幸せ〜
これはヅカファンの究極の幸せだから、これでよいのだ
正塚先生は、そのあたりをよくわかっておられるので、それぞれが魅力的に見えるようにきちんと設定されている。

特にしどーちゃんのせおっちイブのお友達ビュレットが、キラキラしていて、「あれはしどーくんよね
?」と前方席なのに、オペラで何度か確認するほどだった。いよいよ開眼したしどーくん。
もっといろいろなしどーくんを観たいなあ

せおっちの目力、決め方、立ち姿・・・よくぞここまで到達したなあと、またまたヅカファンならではの楽しみを堪能させてもらった。
せおっちのトップの姿、観てみたいなあ。

せおっち、しどーくん、きわみくんの3人で歌う「どん底ソング(と勝手に名付けてしまった)」が眼福だった。「愛するには短すぎる」で、ちえさまとかなめちゃんが二人で歌ってたシーンを彷彿とさせてくれた。
正塚先生、わかってはるわ〜

はるこちゃん(音波 みのり )のリーズが、しっかり要になっていて、それでいて優雅で美しくて色気もあって、素敵だった。

いつのまにが星組の若手は、こんなにも育っていたのね〜
満足感いっぱいの「デビュタント」だった。

posted by 風土倶楽部 at 17:43| Comment(0) | 極私的観劇日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

宝塚大劇場 宙組「白鷺の城/異人たちのルネサンス」

今度は、右足を捻挫。
もうどうなっているのだ…ものすごく落ち込み中。

そんな足を引きずって、まずは宙組
最初から最後まで、それも2幕とも、ビジュアル、ただひたすらビジュアルで押しまくられてもなあ。
白鷺のオープニングは、おお〜!これぞ宝塚。美しい〜と思ったけれど、全編、これでもかという色彩と衣装早変わりの連続。

芸はいずこに・・・

まあ、これも芸のうちかな
ゆりかちゃん(真風)のビジュアルの破壊力は、相当なものだから。

安倍ちゃんのママ、ちょっと無理があるかも
もっと妖怪になりきってほしいくらい。
後進の指導をなにとぞよろしくお願いします!

ルネサンスのゆりかダヴィンチは、どこからみてもイケメンイタリアン。
金髪に美しいブルーの衣装がよく似合うこと!

要するにゆりかワールドに浸るための公演なのですな
でも、同行したゆりかラブの友人は、お疲れのようで、ちょっとアナザーワールドに行ってたけど。

両作品とも、星風まどかちゃんの演技力が見事に支えていて、劇団のマッチングに相変わらず感心しまくってしまった
そのまどかちゃんは、どこか故障しているようで、フィナーレのデュエットダンスは夢白ちゃんが代役。

ルネサンスのラストあたりで、シラサギの羽(らしい)に抱かれて昇天するまどかカテリーナちゃん。
羽が蝙蝠みたいで、カテリーナの衣装が黒なもんだから、やっぱり蝙蝠にしか見えなかった。

そして、あの絵。そうきたか…そうくるしかないよね〜
でもなあ・・・

両作品とも、ほかのジェンヌたちの見せ場がいまいちなくて、ききちゃんと、ずんちゃんと、ひかるくんがちょっと目立っていた程度。

もやもやが残る〜


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2018年10月09日

梅田芸術劇場「ナイツテイル」

東宝製作の「ナイツテイル」を観劇。

東宝・・・やるじゃないの
オリジナルミュージカルで、世界初の上演。
音楽がとても耳馴染みがよく、単純なストーリーを起伏に富んだ舞台演出で飽きさせない。
実は、前夜によく眠れず、絶対寝るな…などと思いながら、客席についたのだが、ほんの3分足らず、ちょっと危ういときがあったが、それ以外は集中して観ることができた。

オープニングの円形のたき火のような演出には、梅芸もやればできるのだ!とまたまたワクワクさせられた。
梅芸は、ここまでできる舞台なのに、「マタハリ」はなぜにあのようなカーテンをひきまくる演出しかできなかったのか…と、また、恨みがふつふつ・・・

堂本光一くん、お初でした。
ジャニーズ系は、ほぼスルーしてきたので、やっぱり立ち位置はよくわからず。
井上芳雄くんと並ぶと、サイズが違いすぎて、どっちがどっちか遠目でもよくわかって、よろしいんじゃないでしょうか。
エミリアに牢獄の中の二人を説明するときに、背の低い方がアーサイトだというセリフに客席から、かなり笑いが起きていて、こういうあたりに光一くんの懐の深さを垣間見た気がした。

芳雄くんは、相変わらず盤石の歌声。今まで観た中では、一番納得できる役だったかも。
盤石と言えば、岸祐二さんの大公シーシアス、音月桂ちゃんのエミーリア、島田歌穂さんのヒポリタ、と見事な布陣で、歌声に酔わせてもらった。

特にびっくりしたのが、上白石萌音。妹の萌歌を「義母と娘のブルース」で、ようやく知り、「るろうに剣心」の薫役を観るのを楽しみにしていたんだけれど、姉まで、こんなに歌えて芝居ができるなんて!!!
ミュージカル界の若手の人材の豊富さに驚いた。

そして、今回、なにより楽しませてもらったのがダンス。
特に森の牡鹿と牝鹿のダンスにうっとり。
その森の舞台構成も、とても素晴らしく、こんな森なら、さまよってみたいと思った。
「お気に召すまま」の森とえらい違いだ!ぷんぷん

梅芸のメインホールで観ているのに、シェイクスピア時代の猥雑な舞台、観客がわいわい、きゃーきゃーする雰囲気を少し味わえたような気がする、ちょっと今までにない舞台だった。
こういう作品にちえさまに出てほしいのになあ・・・

物語は、ハッピーエンド。まるで「お気に召すまま」とそっくりの大大円。
それぞれのカップルに幸せが訪れる。
原作は、どうやら違うみたいだけれど、それはそれ、これはこれ。
征服する側、された側とも、愛が媒介されることで未来が開けるというハッピーなお話しになっていた。

エミーリアと牢番の娘の関係性だけがよくわからず・・・
再演されたら、確認に行かねば(笑)

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2018年09月12日

月組新人公演「エリザベート」

今年一番ドキドキ期待に胸を膨らませた公演が終わってしまった…
エリザベートを月組が公演すると発表があった日から、ずっとありちゃん(暁千星)トートを絶対観る!と心に決めていた。

お誕生日にありちゃんトートが観られるとは!
なんという幸せ♡

そして、期待通り、いや、それ以上のトートを魅せてくれたありちゃん。
「エリザベート」は、一路真輝退団直後の外部公演で初めて観たときには、なんだかちっとも内容がわからず、ほとんど覚えていない。
8年ほど前に借りたDVDで宝塚版月組のさえこ(彩輝なお)トート、あさこ(瀬奈じゅん)シシィバージョンにはまり、なるほど、こういう物語だったのねとわかったけれど、内容よりも、さえこトートのかっこよさにはまったようなもので、我儘女のエリザベートの変な話だくらいに思っていた。
数年前に花組でみりお(明日海りお)トートを観たときには、チケ難でゲットしたチケットなのに、かなり気が遠くなってしまい、あまり印象に残らず…
一昨年、梅芸で観た城田優トート、おはなさんシシィも、演出がいまいち気に入らず、期待ほどではなかった。

そして、10回目の再演となる今回の月組本公演では、健康的なたまきち(珠城りょう)トート、ちゃぴ(愛希れいか)シシィをとても微笑ましく思ってみた。たまきちは好みだし、ちゃぴのシシィは完璧だし、かなり楽しめた。

が、しかし、こんな真打登場が待っていようとは!

ありちゃんトートは、今まで観たどのトートよりも、人間離れしていて、まさに黄泉の帝王「死」
人の弱みに優雅に冷酷に寄り添い、甘美な死の世界に誘おうとする。
トートとは、こういう設定だったのだ!と、初めてわかった気がした。

ありちゃんトートの腕と指先は、まるでふわふわと漂うように動いて、心をからみとっていく。

ああ、からめとられたい・・・と何度思ったことだろう。

何度か歌われる「愛と死の輪舞」が、毎回違うのよね〜
シシィと出会う最初の輪舞は、ちょっと緊張が高まっていたのかハラハラしたけれど(こちらもドキドキ)、「私が踊るとき」の直後だったかなあ、「追い詰めよう〜」と歌う輪舞のときには、ぞくぞくさせられた。
トート閣下のスイッチがはいっちゃったよ〜!もう逃れられないよ〜!とシシィに警告したくなるようだった。

あそこで今回、なるほどと思ったのは、ハンガリーの革命志士たちがクローズアップされるところ。
時代の潮流が大きく変わり、ハプスブルク帝国の終焉がくっきり浮かびあがってくる。
そして、破滅への道筋が見えてくる。まるでトートに導かれるように。

よくできた構成なのよね〜と、今ごろ気づいてどうする!
把握力のなりばあやを、ありちゃんトート閣下がお導きくださったから、この作品の魅力をようやくたっぷり楽しむことができたのだ。

ルドルフが頭に銃を打ち込んだ直後に抱き止めるトート。そして、口づけをする。
ありちゃんトートは、まるでルドルフの命をしっかり吸い取っているかのようなコワい閣下だった。
まさに「死」

ほぼ目の前で「愛してる〜♪」と歌いあげてくれて、クラクラした。
が、この輪舞の歌は、オリジナルのミュージカルにはなく、宝塚独自であとから追加されたもの。
この歌を抜いて考えると、この作品は「死」の色がぐんと濃くなる。

君主制が終わり、このあと、第一次世界大戦、第二次世界大戦と、戦争の世紀になだれ込んでいく直前の時代の話。シシィは、もう少し早く生まれていれば、我儘に好き放題に貴族として優雅に人生をまっとうできたはず。時代に飲み込まれていく国と君主たち。
こういうものを甘美な曲で鋭く描いてしまう客観性が面白いなあ。

ありちゃん、大物だ
これから、どんなふうに成長するのかしら。
「どこまでも追いかけていこう〜」

今回の新人公演でのもう一つの驚きは風間柚乃のルキーニのすごさ!
登場シーンから鳥肌もんだった。
目に狂気が宿っているんだもん。
舞台の上での存在感も、申し分なく、ありちゃんトートと互角の勢い。
100期生ですと!
いや〜、末恐ろしい。

全体にとてもレベルの高い内容で、本公演越えか?と思ったほどだった。
宝塚って、まさに才能の宝庫だ!とあらためて思いしらされた公演だった。

ありちゃんトップお披露目は、エリザベートに決まりだな。
できれば、ゆのちゃんのルキーニとセットでお願い。
ヘビロテで通います。

その日まで元気でいなくっちゃ!

posted by 風土倶楽部 at 23:45| Comment(0) | 極私的観劇日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする