2008年11月18日

人が一番の資源 その1 自分の身を守るために必要な知恵

土曜日にお話を聞いた若杉友子さんは、京都府綾部の自然の中で、日本人本来の奥深い知恵を衣食住のすべてにわたって実践している方。初めての本が「若杉友子の本をつくる会」から今年、3月に出版されました。栄養学でも、農学でも学べない生きた知恵が満載されています。

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若杉さんは、20年以上前にF1の種に直感的に危惧を感じ、豆腐屋を廻って使っている豆を一握りずつもらいました。
それを蒔いてみたら・・・
成長の速度は早く、背は伸び、葉は大きく繁ったそうです。
でも、花が咲いたら、ゆうれいみたいな風情の花で、さやができても実が入りませんでした。
こんな種を毎日食べている。いずれ日本の食はひどいことになる、と思ったそうです。
野菜は陰謀と戦略の沈黙の兵器だとも。

実際の口調は、
「あんた、花はゆうれいみたいで、こりゃ、おかしいなーおもて。そしたら、あんた、さやができても、種がならんのよ・・・」といった調子です。本は、この口調がそのまま再現されています。
マクロビの一匹オオカミともいえる若杉さん
「食養というて!」
軽快にずばずば一刀両断。聞いていて、気持ちがよかったです。

でも、「3年の備蓄をしていない家(国)は滅びる」といわれたとき、どきっ!
滅びるもなにも、犬が骨を隠すように、なんでも冷蔵庫と冷凍庫にしまってしまう私なんて、電気が切れたら、もう、終わりです。
どーしましょ。

「自分で自分の身を守る知恵、持っとらんとね」
「そのためにはつくる道を知っておこう!」
まったくその通り。
それを実践されている若杉さんのところに、ちょうど片品のみっちゃんのところに若い人が集まるように、どんどん集結しているらしいです。
「みんな、ようてつどうてくれるのよ!なんでもやります、いうて」とのことです。

食べ物の陰と陽を考えて、バランスよく食べる。
自然とともにある暮らしは、そうした知恵が必要。

思わず、後をついていきたくなる方でした。
若い人が綾部を目指す気持ちがよくわかります。
2年前の今ごろ、エコプロダクツ展でみっちゃんと再会したときに「生活塾をやりたい」といって目を輝かせていたのをふと思い出しました。すべての原点はここにありますね。

「食を自然に戻してから、楽しくて仕方がない毎日」という若杉さん。
食を通して、たくさんの出会いを重ねているそうです。
私も、食に関わって10年。真っ当なものを食卓に取り入れて以来、たくさんの人とつながっていると実感する日々。
もう一歩進めて、こんな71歳になりたいなあ。今からでは無理かな…。

若杉さんの口調をそのまま生かした威勢のよい“ばあちゃんの智恵”が満載のこの本、来年の春はヨモギ採りからするぞと思わず決意させられます。本はあくまで本。生きた語り口を生きたものにするには、やってみることからしか始まりませんものネ。

地方でよく地域資源の調査を依頼されますが、結局、一番の資源は人です。どれだけ自信を持って自分の暮らしを語ることができるか。みっちゃんに多くの人が引き寄せられるのも、若いけれど、まだまだだけれど、自分の暮らしたい方向性が明確だから、だと思います。食から地域を再生というと、特産品開発やブランド化へと向いがちですが、本当の意味の地域再生の鍵はここにあると。

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posted by 風土倶楽部 at 10:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする