私は、散らかりまくった書類整理と年賀状と年賀メールに取り組んでいます。
とても掃除にまで行き着けそうにありません。
すごくよい年賀イラストが見つかって、うふふ。元旦に年賀ブログで披露します。
一目みて、来年はこれだ!と思いましたね。お楽しみに〜。
さて、今年最後のブログへの書き込みにしたいと思います。
テーマは中和。

20世紀最強の棋士といわれる呉清源と、その兄2人の波乱万丈の人生を描いたノンフィクション。
碁のことはまったくわからないのになぜ読む気になったかといえば、1900年ごろから1970年ごろまでの中国と日本の激動の時代が舞台になっているから。
そう、勘のよいお方はもうおわかりですね(笑)
「ラスト、コーション」をこれを読んでから観たら、より時代の空気がつかめてよかったかも。
兄の呉炎は抗日運動から共産党員になっていくのだけれど、当時の中国で学生たちが抗日に身を投じていく過程がよくわかります。
清源氏は棋士にならなかったら、宗教家になっていたとご本人が言っています。
幼いころには「四書五経」を丸暗記し、長じてからも愛読書だったとのこと。
彼の棋譜も、盤上を宇宙ととらえ、調和を何よりも重んじ、中国で調和の同義語である「中和」こそをめざす理想としたとか。
「古代中国でもっとも尊ばれたのが「中和」。「中」というのは陰陽思想で陰陽のどちらでもない、まさに無形のものです。無形の「中」が形となるときは「和」となって現れます。「道」というのも、これは法則ですから、無形です。形に表れるときは「徳」となって表れるのです」と述べています。
なんかものすごい深いです。
囲碁の始まりは不明だけれど、中国で占星術の一法が変化・洗練されて今の形となったと言われているそうです。
三国時代の人物による棋譜が今も残っているとか。(!レッドクリフ!と反応しちゃう)
今はいろいろなゲームが全盛だけれど、歴史の中に根を下ろせるものはいくつあるのでしょうねぇ。
清源氏は中国人だけれど、棋士として食べていくために日本に来て、やがて日本に帰化。
戦前、戦中は中国人に対する偏見も多く、ずいぶん苦労されたようだけれど、一方で多くの日本人が中国との親善をめざしてサポートしつづけた。
夫人も日本人だし。
いつの時代も、冷静に物事を判断できる人々、すなわち中和を心がけることができる人々がいることが救いですね。
多くの人が「中和」をめざせば、激動の時代は訪れないわけだから、人間というのは悲しいものです。
無形が形となってあらわれるのが和。
言葉でいうとわかりにくいけれど、たとえば音楽がそうかな、なんて自分なりの解釈をしてみました。
無形の音が並べられて、空気の振動で音を楽しむものとして人の心を捉えていく。
人から人へ伝わるものも、そんなふうに心に響いて、お互いを気持ちよくするものであればいいなと思います。
ぜひ、心地よいハーモニーをご一緒に奏でてまいりましょう。
今年もまた、いろいろな方にたくさんお世話になりました。
ありがとうございました。心から感謝です。
いつもどれだけのものを私は返していけているのだろう、と思いつつも、思うばかりで至らないです。
そんないつもお騒がせの私と風土倶楽部ですが、来年もどうぞ、ご支援、ご協力、ご鞭撻(やさしくね)、激励、すべてよろしくお願いいたします。
みなさま、よいお年を!
追伸:
桐山さんの「反逆の獅子 陸軍に不戦工作を仕掛けた男 浅原健三の生涯」も、やはり日中の狭間で波乱万丈に生きた浅原健三の人生を描いたノンフィクションで、ものすごく面白いです。
「篤姫」で天障院が小松帯刀や徳川家定と碁をさしてたのかと思っていたら、今夜の総集編であれは囲碁ではなく、五並べだと判明。また、泣いちゃいました。終わっちゃって淋しい。女がカッコいいドラマでしたねぇ。