2008年12月18日

世界一あたたかい人生相談

ビッグイシューから初めての単行本ともいえる「世界一あたたかい人生相談 ホームレス人生相談&悩みに効く料理」が出ました。

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なんだ、また、レシピ集かと思ったのですが、手にとってみたら、ほんわかあたたかくて、思わず引きこまれました。
だってすごく身近な悩みに対してホームレスの人たちが実に的確に、しんみりと語りかけ、それに合わせてじわっとくる料理を枝元なほみさんがレシピとともに提供されているのですから。
今までどこにもなかった「悩みと、答えとお料理がコラボした」おいしい人生相談なのです。

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ビッグイシューは2003年5月から始まったホームレスの社会復帰支援のとても優れたプログラム。
ホームレスの人たちに街頭で雑誌を販売してもらうことで自立を支援するというもの。日本における販売のしくみは販売員がまず無料で雑誌を10冊受け取り、その売上を元手に定価300円の雑誌を1冊140円で仕入れる。1冊売れるごとに160円の収入が販売員に入ります。

販売員の平均売上は1日に25冊。これだけで4000円になります。現在650人が販売員として登録し、全国で120人の販売員が自立へ挑戦中。
今までに68人以上が自立を果たしているそうです。
イギリスで始まったこの活動が今や28カ国で発行され、広がっていることからも、このプログラムが確実に機能していることがわかります。
日本で始めるときに、出版業界からは100%失敗すると言われたこの事業ですが、今では黒字に転換しているそうです。
顧客は35歳以下の若い人が中心で、5人に一人が20代の女性。
若い人たちの方多いというのは興味深いです。
行政にも頼らず、こんな事業がまわっていく社会にちょっとほっとします。
でも、土地柄、東京は苦戦中だとか。

収入を得るということに加えて、ホームレスの人と街の人との接点がもてるということもすごく大きいと思います。
私も最初は販売員の方から直接買うのはなんとなく気恥ずかしかったけれど、今は声をかけながら買っています。
これを教えてくれたのは、三鷹で以前出していたショップのテナント仲間だったIさん。
10年以上、フェアトレードのお店を仲間と切り盛りしている方です。
そのIさんの「今日は、○○さんが駅前で販売している日なのに見かけないわ」と心配する一言に、その場では言葉にしなかったけれど、すごい刺激を受けたのです。
街というのは、こんなふうにもつながることができるんだなあと。
以来、雑誌を買わなくなって久しい私も、ビッグイシューだけは見かけると思わず手が出るようになりました。

「世界一あたたかい人生相談」は1400円。半分が販売員の方の手元に残ります。
悩みに対する答えは味わい深いものばかり。うなってしまうものもありますよ。
欲しい方で周囲に販売員を見かけないという方は、購入しておきますので私までご一報ください。

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posted by 風土倶楽部 at 11:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする