久しぶりに出張で島根県益田市美都町へ。
今回は、国交省地域振興アドバイザーとして今年度3回目で最後の訪問。
つくづく過疎地で事を興す(起こす)ことの難しさを痛感しました。
りっぱな提言書もできたし、部会もある。地元を思う心も人一倍ある。でも、形にならない。一歩が踏み出せない。
ご一緒した二人のベテラン先生方が、丸一日かけて懇切丁寧にワークショップを実施したけれど、結果として新しい一歩は・・・親指が動いたぐらいかな。
一歩踏み出して失敗したらどうしよう。
たくさん引き受けなければならなくなったらどうしよう。
ただでさえ地域の行事で忙しいのにこれ以上は無理
エライ先生に起こられるからやらなくっちゃいけないのかな。
やりたい気持ちはいっぱいあるけれど、歳だし、体が言うことをきかない。
とりあえず困っていないから、これ以上、地域のことに首を突っ込みたくない。
何をやっても、そんなに状況は変わらないだろう。
なにからやったらいいかわからない。
いろいろなつぶやきが聞こえてきそうでした。
たぶん全国の過疎地で同じ状況でしょう。
限られたいつも同じ人たちで顔を突き合わせて協議していれば、どんどん発想は小さく狭くなっていくのが当たり前。
ワクワク感をどう醸すかが、私の役目なんだろうなあと思いつつ、力およびませんでした。
私ならどうするかなあ。。。
まずは情報発信の場をつくるかな。
ブログを立ち上げて、このあたりでは結いのことを「いい」というそうなので、「いいネットふたかわ(←地域の名称)」とでも名づけて、食、ものづくり、季節だより、石見神楽、といったカテゴリーでがんがん情報を出していきつつ、それらを味わえるイベントを単発で仕掛けていくかな。こういうことをわー、面白そう!と思う人だけで。それで取材しながら、どんどん参加する人を巻き込んでいく。
すばらしい石見神楽を見せてくれた子どもたちにぜひ、神楽のどんなところにワクワクするのかを発信して欲しいし。
そして、関係者、出身者、知っている人に了承を得て、メーリングリストに参加してもらい、メールでも発信していく。
あれっ、今、やっていることと同じじゃない。
そーです。お気づきになった方、さすがです(笑)
私はそうやって自分がまずワクワクして、一緒に面白いと感じてくれる人たちと出会うことが一番ワクワクすることなので。
二川の人たちが一番ワクワクすることが何なのか、最後までよくわかりませんでした。
報告会の終わりにはエライ先生の本を買って読みたいとか、講義を聴きたいという人がいて、勉強が好きな人たちなんだあ・・・。
そもそもこんなにたくさんの人が集まって、一つのことをやりましょう!と決めることって可能なのかしらん。
こういうワークショップをやったら、何が出てくるのかなと一番ワクワクしてみていたのは私かも〜。
過疎地に今、一番必要なのは、アドバイスする人ではなくて、一緒に汗をかく人なのでは?という気がします。
そういう人をどうやって見つけるの?といわれそうだけれど、そのためにあらゆることをしてみるしかないと思います。同じワクワクを共有できる人たちをその人たちのやり方で見つける。価値観とか、面白いと感じることは人それぞれに違うから。
最近、思うのは「時間」の残酷さ。
時は確実に刻まれているけれど、毎日はとりあえず過ぎていく。でも、2009年ももう1ヶ月過ぎてしまいました。
確実にやってくる少子化、高齢化の誰も経験したことがない社会はすぐそこにある危機です。
金融危機もある日、気がついたら始まっていて、未曾有の不況が押し寄せてきているでしょ。
石見神楽を一生懸命舞ってくれた子どもたちに、日本文化の底流をなす農村文化が輝くすばらしい一瞬を見せてもらい、胸が熱くなりました。このような輝きこそが豊かさの証拠です。こうしたものが私たち日本人にとって最後の残照とならないようになんとかしたいものです。
ところでおかげさまで今回も、ははーん、ほう!なるほど・・・といろいろ面白いものを発見しましたよん!