2013年10月20日

唐版・滝の白糸

昨日、シアターコクーンで「唐版・滝の白糸」を観劇。
例の元宝塚トップスターの生を観るシリーズ第4弾。
大空祐飛さんの性転換イベント。

私、ヅカ時代のゆうひは映像でしか観ていないけれど、特になにも感じず。ファンじゃないです。
じゃあ、なぜ見に行ったか。
「女優への転換」の瞬間に興味があるのですよ。
ちえさまが、数年の後に迎えざるを得ないその瞬間を今からシミュレーションしている(笑

というのは半分冗談(半分真剣かい 笑)。
ヅカの元トップが女優の顔をどんなふうに魅せるかというのは、やはり一大イベントだと思う。
その瞬間になんの演目を選ぶか。この選択がとっても面白い。
霧矢大夢は「マイフェア・レディ」だったわけで、歌上手さんだから、あれはあれできりやんらしい女優の顔が誕生し、賢明な選択だったと思う。

では、今回のゆうひはどうだったか。
女優誕生としては、成功、なんじゃないかな。彼女は、普通の役では転換できなかっただろうから。
もともとあんまり表情が豊かじゃないから、歌やダンスがついてこないと「伝える」という点では弱い。
だから、普通のストレートプレイじゃあ、中途半端な転換になっちまって、ソフトランディングできなかったと思う。
今回のような急降下なハードランディングでないとね。そういう意味では大成功。
赤いドレスでの衝撃的な登場から、水芸の太夫姿、ラストの「スペクタクル」(とはあまり思わなかったけど)シーンは、それぞれ「女」っぽかったし、美しかった。ゆうひも、やっぱり女やったんやなあ・・・と感慨深かった。

が、肝心の舞台は・・・さっぱりちんぷんかんぷん。
私に飛び込んできたセリフは「敵を見極めるんだ〜!」という一言だけ。

その敵が鮮明でないんよ。
だから見極めろってこと?

水芸のところも「スペクタクル」らしいけど、仕掛けがみえみえだし、手首からの血しぶきも、あざとさの方が勝ってしまったかな。この舞台の一番の見せ場なんだけど、爆発感がない。
セリフのやりとりが、どこかめりはりがなくて、何度も「気絶」(注:本人の意識とは関係なく、寝落ちすること)しちゃった。

窪田くんは…暗い目をしたアリダだなあ。
あ、それでいいのか。兄は心中して、その生き残りの女にお金を無心されているのだから。
ひらみきの黒メガネは、さすがの存在感なんだけど、なんだか3人とも輪郭がぼやけていた。
って、気絶しまくっていたから、そう見えただけでしょ、と独り突っ込み。

最近、この「気絶」がどのくらいくるかが私の観劇バロメーター。
芝居は、神経や感覚を覚醒させてほしいから観に行くのであって…覚醒されないということは、私のテイストじゃない、うまく伝わってきていない、のどちらかなんだろうなあ。

80年代にどんな思いで観ていたのやら。
ぜんぜん思い出せない。ということは当時から覚醒されなかったわけで、要するに私のテイストじゃないということなんだろう。

唐ゼミで来月、同じ演目の公演あり。ただいま、比較してみたいという好奇心がむくむく湧きあがっているところ。懲りないやつだなあ…。

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シアターコクーンの前半のセンターだったから、とてもいい席だった。
この会場は、見やすくていいな。700席ぐらいが一番落ち着く。


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2013年10月10日

こまつ座公演 「イーハトーボの劇列車」

歌う生の井上芳雄クンは、二都物語で観たので、今回は、歌わない芳雄クンを観ようということで「イーハトーボの劇列車」を紀伊国屋サザンシアターで観劇した。

宮沢賢治と井上ひさしの融合は、最強のタッグ。
冒頭、「お客さまに、透明な食べ物を召しあがっていただく」(だっけ?)というようなセリフで賢治ワールドに連れ込まれた。

じつはこの賢治ワールドがけっこう苦手だった私。10年ほど前に、賢治作品の舞台になった種山が原の地域活性化に関わったときに、賢治を勉強しなければならず、けっこう苦痛だった。
妙に心をくすぐられる部分と、うーん、ついていけないというのが混在する。それが私にとっての賢治ワールド。
それを井上ひさし氏がどのようにお料理して、食べさせてくれるのかと、好奇心をかき立てられた。

結果は、とてもおいしい、ちょっとクセのあるお料理に仕上がっていた。
クセというのは、また味わいたくなる。

井上氏、さすがです。あらためて賢治がめざした生活に根差した文学、音楽、化学、農業、宗教、芸能が見えた。理想の世界の構築を正面切って取り組んだ賢治。小さな村がたくさん集まった世界に極楽浄土を夢見た賢治。私は、今まで賢治ワールドをなぜつかみ損ねていたのか。

弱い部分、ピュア(すぎる)部分があるからこそ、挫折だらけの人生だからこそ、多くの人に受け入れられた賢治ワールドが、どの場面からも胸に迫ってきた。
最後のシーンでは、滂沱の涙に襲われそうになり、かなり焦った。焦らず、泣いちゃえばいいのにね。

車掌が観客にばらまく「思い残し切符」。受け取りましたよ。今でも、あのシーンを思い出すと泣けてくる。

ストレートプレイの井上クンは…
花巻弁のときは、すごくいいのだけれど、標準語になると、普通になっちゃう。君はシドニーか?みたいな(笑
病院のシーンの井上クン、よかったなあ。
でも、素晴らしい役者であることにはかわりない。セリフがきれいに決まるしね。
ちょっと平べったいお魚顔も、好きだわん。
いつかちえ様と共演というのが、私の妄想。

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2013年10月03日

REON2 魅せられました

国際フォーラム ホールCにて、
宝塚歌劇団星組「REON!!U 柚希礼音スペシャルライブ」


観終わったら、いろいろ用事をするはずだったけれど、ぼーっとしてしまい、帰ってきてしもた…。
柚希礼音という人は、どこまでのぼりつめていくのだろう。まだまだ伸びしろがたっぷりあることを今回もまた再確認させられた。だって、舞台に余裕がたっぷり出てきているのだもの。そして、舞台の上から、彼女の伝えたい思いが、こちら側にしっかり伝わってくる。表現者として素晴らしい!!!
観客をものすごく大切にする姿勢が、ひしひしと伝わってきて、すごくよい気の交流ができる、そんな気さえしてくる。

オープニングから、ちえ様(柚希)が高速で飛びだしてきて、びっくり〜!
オラオラビーム全開でがっちり捉えられ、そのままジェットコースター状態に突中。2回目のバーレスクをはじめ、どの場面もステキで、観るのに忙しすぎる。1回じゃ無理!

ちえ様一家の場面は、より一層感動的でした。これもバックに写される一家の画像も観ないとだし、紅たちの小芝居も観ないとなので大変(笑 

話題沸騰のレディ・レオンは…ウワサ通り、すごい筋肉だった。でも、十分女っぽくて、新しいちえ様の魅力がにじみ出ていました。まさこ(十輝いりす)しか、相手は務まらないけどね(笑 
本日は黒髪のボブスタイルだった。

「影を逃れて」の雨に濡れながらのちえ様はめちゃくちゃ色っぽかった。

2幕は、例の紅子と、今回はまさこさんが登場。1でやりすぎだったから、適度なやりとりで終わった。
仰天したのが、次のベルばらバージョン。なんと「ごらんなさい、ごらんなさい、宝塚のレオン」とまったくレオンバージョンに替えちゃってる!
この伝統の象徴ともいえる曲をここまでレオンにしちゃえるってすごい!
今のちえ様のポジションだからこそ?
最後なんて、「REONあればこそ」ですぞ。
紅とのボレロは、うーん、やっぱり紅でした。

その後、また、ゆめさきにゅにゅ(?)が登場して、レオンになにをやってもらいたいかを紅が風共、まさこが「最後のダンス」のさびの部分だけ、ちょこっと歌う。まさこがとっても上手だった。トート、いけるやん。

そして、ちえティボに突入。これははっきり言って、期待したよりは…。やはり1曲だけで表現するというのは、さすがのちえ様でも難しい。でも、色気はすごかったです。ワイルド・ティボちゃん。

その後は怒涛のラストへ。「いつか離れる日が来ても」は涙なくして聴けない。やはり来年は…なのかな。考えたくない!
最後のSTORYは、しっとりと歌い上げておられました。

とにかく目立ったのが、まこと(礼真琴)!
レディ・レオンのときの歌の迫力ときたら!
ちえ様とのパパラギの美しいことといったら!
ことちゃんも、どこまでのぼっていくんだろう。

まあ、とにかく100年目の宝塚に進化をもたらすのは、ちえ様とことちゃんなのだと思わせられました。
(レオンファンのひいき目ですまん)

紅、ちえ様、まさこさんの並びは、なかなかよい眺めだった。
息があってたしね。

パンフレット付きチケットだったので、豹柄ちえ様満載だけど薄めのパンフをみると、藤井大介氏の熱い文章が掲載されていた。
「会うたびにスケールが増し…とどまるところを知らないチャレンジ精神と、そのエネルギーは、本当に素晴らしい!
・・・・
この子は一体どこまでいくのだろうか…」
この文章に尽きると思う。
小池修一郎くんに最高のナポ・レオンを望むばかりでございます。

レオンファンは、万難を排して駆けつけるべし。
観ないと、一生後悔するかも、なーんて(笑

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ラベル:宝塚歌劇
posted by 風土倶楽部 at 22:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 極私的観劇日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年10月02日

「ロコへのバラード」「マチワビ」「OSK」など

書こうと思っているうちにどんどん日が過ぎてしまい、すでに記憶の彼方へ〜。
というわけで、簡単にコメントだけ。まさに備忘録なのだ。

「ロコへのバラード」

数十年ぶりに東京グローブ座へ。彩吹真央さんが主演ということで。
最近、宝塚ファンに復帰したので、数年前のスターさんたちは生舞台を観ていない。なので、先日の和央ようかさんのように、少しずつ生を観ていきたいと。

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実力派の彩吹さんだから、どんな舞台なのかとワクワクして出かけた。
が、ごめんなさい。私、タンゴって、ダメだった…。
彩吹さんの朗読シーンなど、タンゴではない部分はとてもよかった。病気のお姉さんを看取って独りきりになってしまった書店員のマリア。家系樹の下で朗読が始まったときなんて、しっとりした彼女の声。滲み出るやわらかな言葉の感触。これから始まる舞台にものすごく期待したのだけれど…。

たぶんタンゴが好きな人には、たまらない舞台だと思う。でも、私は…。特にスペシャルゲストの方が、まったく受け付けず。こればっかりはどうにもなりまへん。Chizukoさんのダンスはすごかった。西島さん、かっこよかった。さゆさん、かわいかった。石井さん、安定していますね。でも、キャラとしては、「天翔る風に」の才谷とかぶったかな。
彩吹さん、今度、ほかの公演を観に行きます。


キリンバズウカ「マチワビ」
東京芸術劇場。池袋に行くことなんて、年に1度あるかないかだったのに、このところ、芸術劇場のおかげで頻繁に行っている〜。
今月、この劇に対してのセミナーがあるので観劇。ハートウォーミングなストレートプレイ。
時折、登場人物のキャラクターに顔を出すささやかな毒がスパイスとして利いている。
とっても面白かった。ただ、強烈に何かが残る、という芝居ではないけれど。


OSK「ラルク・アンシェル」
三越劇場も、OSKもお初〜。
そして、両方とも、あまりにも昭和なのだ〜。
うーむ、なんというマッチング。
OSKは、宝塚ともっと違うのだと思っていた。私の勝手な思い込みだったんだけど。

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まるでミニ版の宝塚だった。
もうちょっと違っていていいと思うんだけど…。
というか、今の宝塚はもっとワイルド。特にちえ様率いる星組はオラオラ系(笑)

ということは、こちらの方が正統的な少女歌劇なのか(笑

高世麻央さんはカッコよかった。大劇場に立つとどうなるんだろう。

宝塚をこのところがっつり観ていると、あの劇場の大きさが宝塚を宝塚たらしめている大きな部分を占めているような気がする。2500人以上を納得させる力というか…。
あれだけのキャパの劇場はほかにないですからね。

三越劇場は、座席数が500席。
三越劇場に柚希礼音はおさまりきらないだろう。あのぐらい近くで観たいけどね。
もちろん、らんとむさんも。
東急シアターオーブのBASARAは、ヅカのパワーがあってこそ、できるもんなのよ。
そういうパワーの頂点にいるトップスターだからこそ、輝きは一層増すのだ。
そして、観客は、その輝きにクラクラさせられる。いや、させられに行く。
したがって2500席が埋まる。

というようなことをつらつら考えさせられたOSKだった。

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舞台と客席が近い。ほとんどヅカのSS席だ(笑


posted by 風土倶楽部 at 14:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 極私的観劇日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする