2013年10月10日

こまつ座公演 「イーハトーボの劇列車」

歌う生の井上芳雄クンは、二都物語で観たので、今回は、歌わない芳雄クンを観ようということで「イーハトーボの劇列車」を紀伊国屋サザンシアターで観劇した。

宮沢賢治と井上ひさしの融合は、最強のタッグ。
冒頭、「お客さまに、透明な食べ物を召しあがっていただく」(だっけ?)というようなセリフで賢治ワールドに連れ込まれた。

じつはこの賢治ワールドがけっこう苦手だった私。10年ほど前に、賢治作品の舞台になった種山が原の地域活性化に関わったときに、賢治を勉強しなければならず、けっこう苦痛だった。
妙に心をくすぐられる部分と、うーん、ついていけないというのが混在する。それが私にとっての賢治ワールド。
それを井上ひさし氏がどのようにお料理して、食べさせてくれるのかと、好奇心をかき立てられた。

結果は、とてもおいしい、ちょっとクセのあるお料理に仕上がっていた。
クセというのは、また味わいたくなる。

井上氏、さすがです。あらためて賢治がめざした生活に根差した文学、音楽、化学、農業、宗教、芸能が見えた。理想の世界の構築を正面切って取り組んだ賢治。小さな村がたくさん集まった世界に極楽浄土を夢見た賢治。私は、今まで賢治ワールドをなぜつかみ損ねていたのか。

弱い部分、ピュア(すぎる)部分があるからこそ、挫折だらけの人生だからこそ、多くの人に受け入れられた賢治ワールドが、どの場面からも胸に迫ってきた。
最後のシーンでは、滂沱の涙に襲われそうになり、かなり焦った。焦らず、泣いちゃえばいいのにね。

車掌が観客にばらまく「思い残し切符」。受け取りましたよ。今でも、あのシーンを思い出すと泣けてくる。

ストレートプレイの井上クンは…
花巻弁のときは、すごくいいのだけれど、標準語になると、普通になっちゃう。君はシドニーか?みたいな(笑
病院のシーンの井上クン、よかったなあ。
でも、素晴らしい役者であることにはかわりない。セリフがきれいに決まるしね。
ちょっと平べったいお魚顔も、好きだわん。
いつかちえ様と共演というのが、私の妄想。

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posted by 風土倶楽部 at 10:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 極私的観劇日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする