このお席は、舞台全体を観るには不向きで、ちえさまを堪能するお席なのだということがよっくわかった。
2回目の10列目あたりの方が落ち着いて観劇できる(笑

が、しかし、おかげさまで凋落シーンのちえさまの飛び散るダイヤモンドのような涙をこの目でしっかり確認。
心でしっかりその涙を受け止めてきた。
全身全霊、全力投球で毎回舞台を務めるちえさま。
指先までまったくスキがなく、その姿に涙しちゃう。
姿の美しさ、歌の素晴らしさ、セリフの明瞭さ、そして人を惹きつけてやまない華。
よくぞこのような人が、宝塚歌劇100周年に在籍したものだ。
まさに宝塚の至宝。
ちえさま率いる星組は、ほかの組となにが違うのか。
そこには宝塚の新しい100年を踏みだすなにかがあると私は思う。
ちえさまが作り上げる男役が、従来のものとどこか異なる。どこが違うというのは、まだ言葉にできないんだけど。。。
よくちえさまが言っている、男役になるのではなく、その役になる、というあたりなのかなあ。
宝塚大劇場で観劇した2回よりも、今回の東京宝塚劇場バージョンの方がセリフが少し増えて、わかりやすくなっていること。
戴冠式の場面が、ちえさまが銀橋に出てきて、より盛り上がること、
凋落シーンのペガ子(と私たち観劇グループは呼んでいる)の退場が、ムラではガタガタ大きな音がしていたのに、今回はかなり静かになっていたこと。
フィナーレの紅子と真風のダンスが、ちょこっと振付がかわっていたこと。
あたりが気がついた違い。
当たり前だけれど、全員歌がすごくよくなっていた。特に紅子。
声がすごく出るようになっていた。
真風が出番はそんなに多くないのに存在感があって、成長したなあ…としみじみ。
ねねちゃんも、本当に歌もお芝居も上手。
でも、やっぱり急にナポさまを愛していると言いだすのは違和感あるなあ。
これはねねフィーヌにはどうしようもないこと。イケコが描きこんでいないから。
マリー・ルイーズとの間の子どもを祝福するシーンで銀橋に出てくるねねフィーヌの祝福しつつも、苦しい心情がよく伝わってきた。
まこっちゃんは、歌がうまいなあ。5年後ぐらいに彼女でナポさま再演とかあるかもね。
あー、でも、そのころにはちえさまはもういない…。
でも、ときどきふと、そろそろ外の舞台をやってもらいたいと思うことも。
ちえさまは、やはりフィナーレが一番輝く。REONシリーズが一番ステキ。
たぶん次の高みが待っているはず。
荒鷲の翼を持っているのだから。
ブラームスのように孤独な翼ではなく、ね。
どこまでも飛翔してほしい。どこまでもついていくから。
キラキラに輝いているのに、どこか抱きしめたくなるような、支えてあげたくなる不思議な魅力。
まさにスーパースター、柚希礼音。
そして、そして、やっぱりすごいなあ…とひたすら感心するのが、みっちゃん、じゅんこさん、美穂さん、一樹さんの専科グループ。
じゅんこさんの最後の歌はしみる。みっちゃんタレーランのすごみ。美穂さんの迫力、一樹さんの緩急自在さ。
3回目にしてようやくナポレオンが革命を本当の革命にし、今に通じる新しい社会のかたちをつくってみせたというのが伝わってきた。舞台にメリハリができたから、そう思えたのか?それとも私には3回が必要だったのか?(笑
従来の宝塚的なるものを内包しつつ、骨太な歴史物語をよくここまで作り上げたと思う。
ジェラールの音楽も悪くはないけれど、ロミジュリには及ばない。
やはり小池修一郎とちえさま&星組子のタッグ、専科の実力、裏方陣という宝塚の総力が結集したものだからなんだろう。
こんな舞台、帝劇や日生でもできない。宝塚だからこそ!
世界中でこんな豪華で、ワクワクさせられて、じわっとさせられて、うっとりさせられて、幸せな気分で劇場を出られる舞台なんてない、ない。
この時期にファンでいてよかったと心から思う。
いいものを見せていただいています。

劇場ロビーにはひな壇が飾られていた。
千秋楽までまだ1カ月もある。
ちえさま&星組子のみなさん、怪我や病気もなく無事迎えられますように。
ラベル:宝塚歌劇