笑えるコメディは貴重。
シリーズもので、今回は3回目。そして、東京千秋楽。
初めて観た私には、ちょっと?なところもあったけれど、まあ、そんなに複雑な話でもないから、問題なし。
「完璧な執事」鎌塚アカシ氏を中心に、アイドル女中の上見ケシキ、堂田男爵夫妻と従者スミキチはお決まりの登場人物、らしい。今回は、父親を亡くして以来引きこもりになってしまった貴族院議員中之院レイジロウの屋敷が舞台。
貴族院があるという日本の架空の時代。
堂田男爵一派が、貴族の立場をますます強固にする法案を国会で通そうとしており、中之院一派にも加担するように迫るために屋敷を訪問してくる。
レイジロウは、存在しない使用人が見えているかのようにふるまうなど奇行があり、心配したアカシは、かつてレイジロウの父に仕えたことがある父を助っ人として呼び、執事の一人にしてもらう。
肩の凝らないかるーいタッチのコメディで、緊張感もあまりなし。
完璧な執事の定義は、どうやらないようで、四角四面な感じのアカシ役の三宅弘城のイメージでよい、みたい。
なぜ、執事が主役なんだろう…。
執事を主役にするために貴族院制度がある設定になっている、みたい。
ご主人さま第一に考え、行動する執事。そこに私事がちょこちょこ入り、そこが笑いにつながっていく。
制約がないと笑いにならないもんね。
ともさかりえは、コメディエンヌとしても手なれたもの。
中盤で突如として「WOMAN」を屋根の上で歌いだすのだけれど、唐突だけれど、アイドル女中だもんねと、なんとなく納得させられてしまった(笑
ベンガルが、またまた懐かしくて…お歳を召しましたね〜。とぼけた感じは健在。
ゲストの北村有起哉は、あまり楽しそうじゃなかった。そういう役だから?
一人だけ重い感じがしてしまった。出てきたら、笑いが起きるといった軽いタッチが欲しかったなあ。
堂田男爵夫妻と従者スミキチ。お気に入りです。
こういう役って、やっている方も楽しいだろうなあ。
「思いこみ」のエピソードが秀逸で、結局、そういうものを打破して、生きていく力にするのだというテーマがわかりやすく伝わってきた。
舞台装置がよくできていて、周り舞台をうまく使って、いくつも部屋があるように見せて、広い中之院屋敷を感じさせた。
私は、本多劇場が好き。キャパがちょうどよくて、見やすい。
本多劇場でやるなら、行っちゃおうと思う。
この作品の規模にぴったり。
これから全国を巡るこの作品。どこもけっこうキャパが大きい。
うまく活かせるのかな・・・。
コメディは、あまり大きな舞台には向かないと思う。
