2015年01月27日

劇団鹿殺し復活公演「ランドスライドワールド」

本多劇場のキャパが好き。
なので、つい手を出してしまう。
以前、小劇場ばかり追いかけている演劇好きの人に鹿殺しが面白いと聞いていたので、行ってみた。
お正月から、「モーツァルト」宝塚2本、オペラと続いたので、そろそろ小劇場もいいかなと。
こってりした生クリームたっぷりのケーキが続くと、桜餅が食べたくなるような感じ。

と思ったら、桜餅というよりも屋台の生クリームたっぷりのパンケーキみたいだった…

これはロックミュージカル・・・なのか?
やたらと大音量のロックがところどころ演奏される。
重低音はがんがん響いてくるのだけれど、肝心の歌詞がさっぱりなにを言っているんだかわからない。
おばさんの耳がついにロックを受け付けなくなったのか?

連れ合いを亡くした姉と弟がそれぞれの息子を二人ずつ連れて一家をなす羽根田家。
家業はどうやら地方の土建屋。姉の洋子は、一緒に棲み始めたとたんに性格が豹変し、オトコと失踪してしまう。残された弟の大地は、4人の子供たちを厳しく育てる。
この厳しさが、なにがなんだかよくわからない厳しさなのだ。
やたらと怒りまくる。
姉の息子の兄五郎には特に厳しい。なにかと言えば「出て行け〜!」と怒鳴り、五郎は「出て行かない!」と叫び返す。
弟の三太はぜんそく持ち。大地の息子の兄はミュージシャンになりたくて上京。弟の二生は小説家志望で母屋の隣の小屋にひきこもり。

まあ、ありそうな一家ではあるけれど・・・
そして、大地が屋根から落ちて亡くなってしまう。そのとき一緒にいたのは五郎・・・
嫌疑が五郎にかかり、役者志望の三太の空想世界が、ある日、「スライド」しちゃう。

ここからはロックな展開になるんだけれど・・・
ちょっとしつこい。

若者は叱られたい願望がどこかにあるのね。本能的にそれをバネにして、飛び立つきっかけにしているわけだ。でも、ラストに示されるのは、羽根田家で虐げられていた人物による反逆。なんだかんだ言っても、本物の抑圧されたものの反逆に対して抵抗力はない。その直前に大地が屋根から落ちた理由がわかり、家族の絆が生まれたとたん、本当の悲劇が一家を襲う。家族の中で傷つけあっていることと、外界で生まれる齟齬との間にははるかに隔たりがある。その部分だけで言えば、ちょうどイスラム国の人質事件などに符号する示唆に富んだ作品だった。

観ながら、35年ほど前に観てやたらと感動した映画「青春の殺人者」を思い出した。そんな時代もあったのね。あそこから遠いところに来てしまった。観客は20から30代が中心だった。
チラシのイラストはハエ。ミクロな世界の象徴だった。ミクロな世界を観て行くと、マクロな世界に行きつくらしい。

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2015年01月26日

オペラ「さまよえるオランダ人」

何十年ぶりだろう。
最後にオペラを観たのは・・・確か「ローエングリン」だったような気がする。
期せずしてワーグナーで再びオペラ。

そして、カタルシスを味わたいという期待通りだった。

オペラ、いいなあ!
高いのが難点なのだ。

今回は新国立劇場オペラパレス。
来てみたかったのよねぇ。

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この場にいるだけで満足してしまいそうになる。
久しぶりなので誰が出ているのかよくわからない。

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幕があがると、船のデッキで水平たちが仕事をしている。
やがて不気味な船が近づいてくる。
この演出が、シンプルなのにとても大きな空間をつくっていた。

神を呪ったために永遠に死ぬことができず、海をさまよい、7年に一度だけ上陸を許され、永遠の愛を彼に誓う乙女が現れたときに救われる。
そんな呪いをかけられたオランダ人の船長。
その船長を金持ちで娘の婿にふさわしいと欲を出した船乗りダーラントは、船長を家に連れていくことに。

どこかで聞いたようなストーリー・・・パイレーツ・オブ・カリビアンだ!

そういうことだったのか。
映画は、これに題材を得ていたわけね。
パンフレットによると、キリストを嘲笑したユダヤ人を発端に、さまよえるオランダ人の伝説は根強く欧米にあるらしい。17世紀にオランダをはじめとする列強が海洋国家として繁栄する中で荒海を舞台とする悲劇が伝説化されていったとある。いつしかユダヤ人がオランダ人に変貌を遂げながら。
こういう文化的な背景というのは、日本人にはなじみがないけれど、欧米ではごく普通の伝説なのかも。

とても興味深いのはダーラントの娘。船長が登場する前から、その伝説に魅せられ、心ここにあらず。夢見る乙女なのだ。ロミオとジュリエットのジュリエットに共通する若い女のロマンが、きっかけを与えられ、大きな渦を巻き起こし、悲劇とともに浄化をもたらす。
八百屋お七にも共通するものなのかな?

娘と船長は一目で恋に落ち・・・あれは恋なのか、ちょっと疑問だけれど、二人は運命を感じる。
そして、ラストの娘の犠牲により、船長は呪いから救われる。
そのあと、二人は天国に昇っていく・・・のかな?

ドラマチックこのうえないストーリーに、火に油を注ぐがごとくのワーグナーの音楽が覆い尽くすわけだから、半端ないカタルシスが待っている。

はまりそう・・・

と、ヅカ友に言ったら、、あなたは今、ちえさま退団後の心の空洞を埋めるものをすでに探してさまよっているのだ。あなたこそ、さまよえるオランダ人なのだ、と鋭く突っ込まれてしまった。

はい、たぶんそうでしょう。。。

でも、たまにはオペラもいいな。

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2015年01月09日

観劇日記 『白夜の誓い ―グスタフIII世、誇り高き王の戦い―』『PHOENIX 宝塚!! ―蘇る愛―』

昨夜、東京宝塚劇場で宙組の『白夜の誓い ―グスタフIII世、誇り高き王の戦い―』『PHOENIX 宝塚!! ―蘇る愛―』を観劇。
今回はB席。

で、B席で観て正解だった。
だって、グスタフ、半分寝ちゃったもん。
なんで18世紀のスウェーデンなんだ?
宝塚は、18世紀のヨーロッパの歴史を網羅しようっていうわけ?

と観ながら、疑問がふつふつ…
前半寝たから、後半は頭脳明晰になり、ラストシーンでなるほど〜と私なりに納得。

要するにかなめちゃんは、18世紀の宮廷の衣装と軍服を着たかったんだな。

だって似合うもん。
ムラの千秋楽で白い軍服を着たぐらいだから、本人に自覚あり、とみた。

かなめちゃんにしたら、きっと去年の今頃「なんで私がレットバトラーなわけ?似合わないでしょ」と思っていたかも。
「銀河英雄伝説」は好きな作品だとなにかで言ってたし、「うたかたの恋」も「ベルばら」も、すべてかなめちゃんのルックスだからこそ映えるコスチュームだった。
そもそも私は、「ハプスブルクの宝剣」のときのフランツ・シュテファンの美しさには、けっこう衝撃を受けたのだ。まあ、一番の衝撃はちえさまのエリヤーフー・ロートシルトの人物造形の深さではあったけど。

かなめちゃんのさよなら公演は、お芝居の中身だとか、なにを伝えたいのかとか、そんなことを考えちゃダメなのだ。次々に変える衣装を着たかなめちゃんをうっとりしながら、観賞するのが正しい見方。
ふりふりのブラウスと美しい上着、彼女のスタイルを引き立てる軍服の数々…
(その割には、メイクと髪形がイマイチ彼女に似合っている!と言えないところが、また、ふつふつと疑問…)
だから、かなめちゃんラブのファンにとっては、とってもうれしい公演。
ショーも、ひたすらかなめちゃんが、衣装を変え、ふわふわと銀橋に出てきて、まるでモデルのようにくるっとまわって見せたりして、去っていく・・・の繰り返し。

ちえさまの運動量の3分の1ぐらいだ。いや、5分の1か。

でも、そんなことで苛ついたり、怒ったりしてはならない。
だって、かなめちゃんはビジュアルの人なんだから。
そういうことをわかっていない人は、観に行ってはいけないのよ。

ああ、B席でよかった…。

ちえさま特装版のGOLDを予約していたので、キャトルに引き取りに行ったら、レジはかなめちゃんの写真集を購入する人で混み合っていた。ちょっとアウェイな感じだった(笑

宝塚ファンの多様性にも気付かされた興味深い公演だった。
みりおんは、歌が上手いなあ。
かなめちゃんと組む娘役はつらいよね。男らしいとか、女らしいとかではなく、ビジュアルで勝負されちゃったら、居場所がないもんね。
星組時代の「再会」「愛するには短すぎる」、そしてタムドク(ちえさま、ごめんなさい!寝る前に急いで書いたら、大きな間違いをしちゃった) ヨンホゲのかなめちゃんは好きだったので、さようならをできてよかった・・・。

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後で調べたら、このお話のグスタフは、ヴェルディの「仮面舞踏会」のモデル。そして、その原作のウジェヌ・スクリーブによる題名は、戯曲『グスタフ3世、または仮面舞踏会』 ヴェルディがアメリカに舞台を移して作ったのが「仮面舞踏会」。
早くそう言ってよ〜。
って、予習して行かなかった自分がいけないんだけど、劇団のサイトには、なにも出ていなかった。

ラストは、まさに仮面舞踏会が踏襲されている。
世間的にグスタフといえば、仮面舞踏会だったのかな。
私が無知なだけだったのかも。


ラベル:宝塚歌劇
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2015年01月07日

観劇日記「ルパン3世 ―王妃の首飾りを追え!―」「ファンシー・ガイ!」

1月4日に今年初の宝塚大劇場にて雪組の「ルパン3世 ―王妃の首飾りを追え!―」「ファンシー・ガイ!」を観劇。
ヅカ友10人との総見。
お席がとってもよくて、黒豹のときも、このレベルを期待しちゃうなあ。

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ルパンは、さすが小柳菜穂子さま。設定がよく練られていた。
舞台を18世紀のベルばらの時期に持ってくるなんて、なんというアイデア!
宝塚でルパン3世をやる意味を無理やり作っちゃったというわけ。
ルパンご一行がベルサイユ宮殿にタイムスリップしちゃうなんて、なんて楽しい!
できれば、オスカルやアンドレ、フェルゼンも、ちらっと出てきたら、もっと華やかになったのになあ。

ちぎちゃんルパン、なぎしょうの五右衛門、咲奈の次元、みんな、みんな、よくぞここまで人物を作りこんだ。エライ!
一番大変だったのは、銭形のともみん。長丁場の舞台、声をつぶさずにがんばってほしい。
ともみんは、つくづく足が長いと思った。スタイル抜群のとっつぁんだ。

ゆうみちゃんのマリーアントワネットは、かわいさと不安に揺れる心がよく表現されていた。
ベルばらのアントワネットも観てみたい。

だいもんのカリオストロも、大悪人なのかと思ったら、コミカルな軽いのりの錬金術師だった(笑
ストーリーは、あれ?そうなの?えっ?なに?みたいなつじつま合わせがあって、そこでつまづいていたら、なにがなんだかわからなくなるので、これはアニメなんだ、深く考えない!と決めたら、とっても楽しめる。
ぜんぜん眠くなる暇もなかった。

ルパン3世のミュージカル化なんてできるのか?と思ったけれど、原作者のモンキー・パンチ氏が観劇してやけにうれしそうだったのがわかった。

問題はショーの方だ!
眠かった。
パッショネイトを経験しちゃったから、少々のショーでは物足りないのだ。
大疑問なのがオペラ「トスカ」の一番有名な曲「星は光りぬ」をオペラ歌手のテノールの歌をバックに、ちぎちゃんとゆうみちゃんがデュエットダンスするところ。
歌をそのまま流しちゃうなんて、反則だと思う。
ここは、しっかり宝塚流にアレンジして、生徒が歌うべきでしょう。

フランクシナトラのナンバーのところも、なにがしたいのかよくわからず。
ナチスの制服みたいなのを男役が着て、デカダンな感じで踊るところも。

そのほか曲の選択が古臭い。
衣装の色合いも。
全体に昭和に戻った感じ。

寝落ち度30%
ショーで眠たくなるのは、やっぱりダメでしょ。
会場は、珍しく男性の観客が多く、男性トイレに列が出ていたほど。
これは、劇団の狙い通り、ルパンで新しい客層を取り込めつつあるということ?
ならば、このショーではちょっとね…
戦略的に動いているようで、詰めの甘い劇団なのね。まあ、そこがいいところでもあるけど。



ラベル:宝塚歌劇
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2015年01月06日

観劇日記 モーツァルト

1月3日に梅田芸術劇場で「モーツァルト」を観劇。
そもそも観ようと思ったのは、REON2でちえさまが1幕の最後に「影を逃れて」を歌っていたから。
それが素晴らしくて、どんなミュージカルなんだ?と興味を持った。
たまたま3日のマチネしか日程が空いてなかったので、山崎モーツァルトでソニン・コンスタンツェのバージョンになった。

結果として・・・
モーツァルトの苦悩がぜんぜん伝わってこなかった。
ちえさまのモーツァルトは、あの1曲だけで苦悩が伝わったのに。
なぜ・・・

全体を通して音楽はなかなかいいんだけどなあ。
というわけで感想というほどのことも書けない状態。
観たという記録にとどめる。
阿知波コンスタンツェの母が憎々しくてよかった(笑

これで13000円かあ。
舞台も地味だしね。
それ、宝塚を観すぎよ(笑

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ラベル:ミュージカル
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2015年01月01日

タカラヅカ・スペシャルとジルヴェスター・ガラ・コンサート

100周年の締めくくりとして開催された「タカラヅカ・スペシャル」の千秋楽を22日に観劇。
昨年は開催されなかったので、生で観るのはこれが初めて。各組の選抜メンバーによるスペシャルは、スカステで過去のものを観ていたけれど、やっぱり生の迫力はすごい。
お席はSS♡! 前の列には某女優さん。

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宝塚は、愛と夢の世界だけれど、そこで競わせられる生徒たちの日々は、本当に苛酷なのだろうなあと思う。常に成績順で役が振り当てられ、お客の反応を見乍ら、順位が決まっていく。
タカスペに出られるということは、中堅以上の生徒の中で勝ち抜いてこれたということ。

100年間に歌い継がれてきた100曲を生徒たちが、ほんの数フレーズずつ歌いつないでいくのだけれど、そのほんの短い間にもオーラの出方がわかっちゃったりなんかして…。
舞台人は、大変だ。

そのオーラたっぷりのちえさまは、このタカスペでは、いつものオーラをちょっと抑え気味だった。
一人突出して目立っちゃうのもね。

びっくりしたのは咲妃みゆちゃん。やっぱりすごい子だ!ダントツで光輝いていた。

真風も、ことちゃんも、輝いていた。つい星組びいきになっちゃうけど(笑
来年は、もうちえさまはいないのね…と思いつつ観ていると、うるうるしてきてしまった。
トップになって最初の大劇場公演だった「太王四神記」の蒼穹の彼方を歌うちえさま♡
そのころから、知っていればなあ…
でも、こうして近くで生で何度も観ることができて、今年は本当に幸せだった。
ヅカ友も、たくさんできたし。
すべてちえ神さまのおかげです(笑

31日は、昨年がとってもよかったので、今年も兵庫県立芸術文化センターで「ジルヴェスター・ガラ・コンサート」に。今年は、芸文ができて10周年で、これまで公演されたオペラを振り返った内容となっていた。
指揮は佐渡裕氏。

風邪をひいてしまって、咳がとまらなくなってしまい、1部は四苦八苦。
咳は止めると、呼吸困難になってしまうものなのね。はあ、苦しかった。
2部は、キャンディをなめてしのぐことができた。

カルメンのホセの歌「花の歌」を聴きながら、つい、ちえさまの「激情」のホセを思い出してしまう始末。

2014年の兵庫県の最大の話題だということで宝塚100周年が取り上げられ、宮川彬良氏編曲の「すみれの花咲く頃」が演奏された。自然に曲に身をゆだねられてしまうとても素敵なアレンジがしてあって、本当によい曲だとしみじみ思った。
宝塚は兵庫が生んだ文化なんだなあ・・・と感動!

この芸術文化センターは、震災復興のシンボルとして作られた施設であり、ソフトも佐渡さんたちが知恵をしぼり、優秀な人材を輩出できるアカデミックなシステムが構築された。低価格で、クラシックや演劇を楽しむことができる素晴らしい施設だと思う。

最後に六甲おろしも演奏され、兵庫の文化に身を浸してみれば、ああ、私って、兵庫県人なんだ…と、あらためて再確認できた。
2014年は、新しい出会いがたくさんあって、本当に楽しい日々を送ることができた。
2015年も、これらの出会いを大切にしていきたい。

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posted by 風土倶楽部 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 極私的観劇日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする