最後にオペラを観たのは・・・確か「ローエングリン」だったような気がする。
期せずしてワーグナーで再びオペラ。
そして、カタルシスを味わたいという期待通りだった。
オペラ、いいなあ!
高いのが難点なのだ。
今回は新国立劇場オペラパレス。
来てみたかったのよねぇ。

この場にいるだけで満足してしまいそうになる。
久しぶりなので誰が出ているのかよくわからない。

幕があがると、船のデッキで水平たちが仕事をしている。
やがて不気味な船が近づいてくる。
この演出が、シンプルなのにとても大きな空間をつくっていた。
神を呪ったために永遠に死ぬことができず、海をさまよい、7年に一度だけ上陸を許され、永遠の愛を彼に誓う乙女が現れたときに救われる。
そんな呪いをかけられたオランダ人の船長。
その船長を金持ちで娘の婿にふさわしいと欲を出した船乗りダーラントは、船長を家に連れていくことに。
どこかで聞いたようなストーリー・・・パイレーツ・オブ・カリビアンだ!
そういうことだったのか。
映画は、これに題材を得ていたわけね。
パンフレットによると、キリストを嘲笑したユダヤ人を発端に、さまよえるオランダ人の伝説は根強く欧米にあるらしい。17世紀にオランダをはじめとする列強が海洋国家として繁栄する中で荒海を舞台とする悲劇が伝説化されていったとある。いつしかユダヤ人がオランダ人に変貌を遂げながら。
こういう文化的な背景というのは、日本人にはなじみがないけれど、欧米ではごく普通の伝説なのかも。
とても興味深いのはダーラントの娘。船長が登場する前から、その伝説に魅せられ、心ここにあらず。夢見る乙女なのだ。ロミオとジュリエットのジュリエットに共通する若い女のロマンが、きっかけを与えられ、大きな渦を巻き起こし、悲劇とともに浄化をもたらす。
八百屋お七にも共通するものなのかな?
娘と船長は一目で恋に落ち・・・あれは恋なのか、ちょっと疑問だけれど、二人は運命を感じる。
そして、ラストの娘の犠牲により、船長は呪いから救われる。
そのあと、二人は天国に昇っていく・・・のかな?
ドラマチックこのうえないストーリーに、火に油を注ぐがごとくのワーグナーの音楽が覆い尽くすわけだから、半端ないカタルシスが待っている。
はまりそう・・・
と、ヅカ友に言ったら、、あなたは今、ちえさま退団後の心の空洞を埋めるものをすでに探してさまよっているのだ。あなたこそ、さまよえるオランダ人なのだ、と鋭く突っ込まれてしまった。
はい、たぶんそうでしょう。。。
でも、たまにはオペラもいいな。
