2015年10月23日

新国立劇場中劇場「パッション」

いろいろな意味で女としては身につまされる内容だった…
思いがけない球が飛んで来た感じ。

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幕開けは、ジョルジオとクララの濃厚なラブシーン。
そして、転任先でのフォスカとの出会い。
1幕は、フォスカの強引な愛の押しつけにジョルジオと一緒に辟易とさせられる。
美しいシルビア・グラブが、醜いフォスカに変身です〜(笑

そうそう、そういう気持ちってわかるよね〜。
好みじゃない人から、言い寄られるとうっとうしことこの上なし。
フォスカの図々しさは、ほぼストーカー並み。
うっとうしいフォスカが出てくると、恋するクララがジョルジオの中に現れて、恋しいとアピールする。
お互いにやりとりしている手紙を読みあうナンバーが、とても甘くて切ない。
ソンドハイムの楽曲は難解という事前の情報だったけれど、まったく難解ではなかった。
歌い手にとっては、とんでもない難曲だとは思う。
主役3人だけでなく、アンサンブルの方たちも、実力者揃いだった。

以下、ネタばれあり


2幕は、フォスカから逃げるためにミラノに休暇をとって戻ろうとするジョルジオの列車を追いかけてくるフォスカに思わず会場から失笑がもれる。
やっぱりストーカー。
ジョルジオは、もううんざり。が、フォスカは切々と、命をあなたのためなら差し出せるとアピールする。
うんざりしつつも、いい人なジョルジオは、フォスカを官舎に送り届け、再びクララのもとへ。

クララとめくるめくひとときを過ごすはずが、結婚してほしいとジョルジオが言ったとたん、「私には子どもを育て上げる義務がある」と現状維持を望むクララ。
なにも差し出さない女にオトコは愕然とする。
フォスカの愛と違いすぎる…と。
愛ってなんだ?と疑問がふつふつと…

不倫のよくある行く末だわね。

傷ついて戻ってくるジョルジオに待っていたのは、本部への異動。それもすぐに。
悲鳴をあげるフォスカ。

クララの自分勝手な愛に深く傷ついたジョルジオは、フォスカの愛を受け入れることにする。
ここのところが、どうも腑に落ちない。
まるで「おかあさーん、僕、傷ついちゃった〜」と逃げ込んでいるようにしか思えない。
作者は男だから、女が感じるうさん臭さを感じないのかも。

フォスカが絶望に至った理由も解せない。
美しくない女はまともに愛されないといった時代の風潮もあるだろうけれど、女の魅力はそれだけなんだろうか。そもそもフォスカは暗い!両親から「美しい」なんて言われて特別扱いされて育った不幸はあるだろうけれど、男にだまされたくらいで自閉症になっていたら、生き抜けないよ。
そうしたすべてをジョルジオが引き受けなければならない必然性がどうもぴんとこなかった。
「女はみかけじゃない、心だよね」というのがテーマなんかなあ。あんなにエキセントリックな人物を登場させる必要があるのか、最後までそもそもの疑問だった。

不思議な原作だわ〜。
それに音楽をつけたソンドハイムも不思議だわ〜。
全体にオトコの論理が支配している作品のような気がする。

なのに、あれだけお客を呼べるというのは井上くんの魅力なのかしらねぇ。
彼は立ち姿が美しい。

さて、本日は、いよいよPOBの開幕。ドキドキ・・・
いつかちえさまも、井上くんと共演する日が来るんだろうか。
和音美桜さんみたいにぶっちゅぶっちゅ井上くんとラブシーンをする日は来なくていいなあ(笑

ちえさまには、ショースターの道を歩んでいただきたい。

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新国立劇場の席の並びは、階段状になっているから、とっても見やすい。
ここの雰囲気、好きだなあ。ここで上演されると、つい手を出してしまう。



posted by 風土倶楽部 at 10:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 極私的観劇日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする