2016年01月20日

AiiA 2.5 Theatre「神様はじめました」

2.5次元ミュージカルって、どんなもんなん?と、またまた好奇心抑えがたく、公演中の「神様はじめました」に行ってみた。
昨年11月に「劇場都市渋谷」なるシンポジウムに行って、社長の話を聞いたので、以来、好奇心が募っていたのだ。

1次元のマンガを2次元化してアニメにするだけで飽き足らなくなった人間は、いったいどこへ向かおうとしているのか
派手にプロジェクション・マッピングでも使われているのか、と思いきや、かなりアナログだった(笑 
すなわち役者のパワーと技術で2.5次元化していたのだ。

これはかなり意外だった。

オープニングの全員揃っての歌とダンスでなんとなく作品のイメージをまず観客に植え付けるやり方は、宝塚と同じ。

ただ、歌が…歌が〜!

最初から不協和音だらけで、絶対音感なんてまったくない私でも、あらら〜、あらあら…状態で、これから始まる公演にかなり不安をいただいてしまった。
ダンスは、女性の中にピルエットができる子がいたりするのだけれど、全体にバラバラ。
歌とダンスのレベルは、もっと上げないとなあ。

マンガを人間がやるというのは、もともと荒唐無稽な話なんだし、かなりのパワーと技術を要する。
そういう点では、けっこう成功していると思った。
原作をまったく知らずに見たのだけれど、この物語のお約束事の解説をきちんと入れてくれるので、世界観に浸ることはできた。

印象としては、吉本新喜劇や漫才のコントの連続のような感じ。その間にちょこっと歌とダンスが入る。殺陣もある。
途中でゲスト出演の女優が出てきて、現実に戻ったやりとりをするあたりは、まさにその印象を裏付けるもので、まあ、要するにマンガの世界を楽しく遊ぼう、みたいな感じだと思えばよいのかな。

日本人って、マンガが本当に好きなんだなあ…。
この楽しみ方は、コスプレにもみられるように日本が生み出した新しい文化なんでしょうね。

この原作も、女子高生が地域の氏神さまになっちゃうという奇想天外なもの。よく考えるよなあ〜。
そこにちゃんと恋や友情がからんじゃう。
宝塚の愛と夢(Love & Dream ラブドリ)と同じ。こういうアプローチは日本にしかないのかも。
2時間半ほど、なーんも考えず、ただ、マンガの世界に浸りきる。
なら、アニメでええやん、とも思うけれど、人間がやっているから、もっとリアルに感じられる、のかも。
観客の中にはペンライトを持っている人もいて、舞台と一緒に盛り上がっていた。
全体的に観客層は若い。当然か(笑

役者は、そこそここなれている人が多く、発声は明瞭で聞きやすかった。
イケメン担当の八神蓮くんと南圭介くん。すごく若い人に見えたけれど、30歳なのね。
南くん、もう少し腰回りのダイエットをプリーズ。中年太りが始まっていたのか…。
樋口裕太くんは、声が通りやすく、歌もお上手。
平山佳延くんは熱いねぇ。かなりいい加減な脚本でドタバタ劇なのに、4人のからみが分裂せずに、ちゃんとシーンが成り立っていた。ちょっとしつこいけど(笑

主演女優の寺島咲は、マンガのイメージ通りなんだろうなあ。個性があるようなないような…無色透明なキャラ。そのためほかの登場人物がわかりやすくなる。はっきりした輪郭がない役者なのか、そういうキャラなのか、ちょっと気になった。マンガの主人公、特に女子高生の設定なんて、どれも似たり寄ったりだから?
鳴神役の奥村麻琴は、挨拶で自分とまったく違うキャラなので、楽しんでやっていますとのことだったけれど、もっともっと楽しんでいいと思う。こんな雷を飛ばしまくる役なんて、そうないよ。もうちょっとパワーがあってもいい。

それぞれのしもべを担当している役者たちの間合いも、セリフも、とてもこなれていて、頑張っている。

ここから、新しいなにかが生まれつつあるのかなあ。
これがマイナーなままで終わるのか、新しい潮流になるのか・・・
1回観たかぎりでは、6:4の割りで、このまま渋谷の片隅という印象。
なにが足りないのか・・・

やっぱりミュージカルと謳うのなら、歌とダンス、かな。
歌を聴かせるところは、きっちり聴かせてほしい。
ダンスを見せるところは、きっちり見せてほしい。
そこがおざなりになると、結局、コントの連続にしか見えなくなると思う。
2.5次元の数字が、あくまでも立体化したという意味であってほしい。

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2016年01月18日

東京グローブ座「王女メディア」

東京グローブ座にて「王女メディア」を観劇。

平幹二朗、すごい、すごすぎる・・・

役者としての執念を見せつけられた。年齢をまったく感じさせないばかりか、美しく妖艶な嫉妬深い女の苦悩と情念が、舞台の上にゆらゆらめらめらと立ち上っていた。

女に見えちゃうことに驚愕!

オペラをのぞこうとは思わなかったけれど(笑

物語は、夫に裏切られたメディアが、相手の女も殺し、自分の子どもも殺して、夫に復讐するというもの。
いや、そこまでやらなくても…と思うけれど、復讐に滾る気持ちはよくわかる。

人間の業が噴き出すような演技だった。

ええもんを見せてもらいました。

赤い布を使ってた歌舞伎の様式美が舞台にうまく映え、シンプルな装置に対して、とても効果的だった。

ギリシャ悲劇は、「オイディプス」もだけれど、これでもか!というほど人間の負のエネルギーを提示してみせる。時々、妙に浸りたくなる世界なのよね〜。
人間とは、こういう業の深いものなんだから、そのように覚悟して物事にあたるようにというのがエウリピデスの言いたいことなんでしょうかねぇ。

カーテンコールで最後に出てきた平幹さんが、にや〜っと笑顔になった顔が忘れられない。
「してやったり」なのかなあ。
役者の業を感じた瞬間だった。

今まで平幹さんが出ている舞台は観ていたけれど、主役じゃなかったものばかり。それでも登場すると、その場をさらっていたし、その役が物語の要の一つになっていた。
主役で観てみたいと思っていたけれど、これほどとは…
役者という化け物やね。
メディアの髪型がエイリアンママのように見えた。なにもかも食い尽くす女メディア。
恐れ入りました。

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2016年01月12日

マグカル・パフォーミングアーツ・アカデミー「公開ワークショップ」

KAAT神奈川芸術劇場<大スタジオ>にて開催されたマグカル・パフォーミングアーツ・アカデミーの新春特別講座「公開ワークショップ」に観客として参加した。

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宝塚歌劇団演出家の植田景子さんが、同アカデミーの生徒や応募してきた役者志望の卵たち男女20人たちに、現在東京宝塚劇場で月組が公演中の「舞音(まのん)」を題材に稽古をつけるという画期的な、本邦初の公開ワークショップ。ゲストには、月組の朝美絢(あーさ)、叶羽時の二人が!
新人公演で泣かしてくれた二人ではないの!!!

演劇好きのヅカ友の友人と、これは行かねば!とワクワクして会場へ。
三鷹からは、果てしなく遠い横浜。渋谷駅での井の頭線と東急線の離れ方といったら、まるで沖縄と北海道…
「ちかみち」とあるから、近いのかと思って辿ってみたら、なんのことはない「地下道の地下鉄の道」の略らしい。こらっ!紛らわしいことをするな!

5時半開場で6時から開催。あーさが来るなら、ヅカファンがどっと来ちゃうのでは?と思い、5時45分ごろ到着したけれど、あれっ?というぐらい会場はすかすかしていて、2列目のセンター左よりに座ることができた。景子さんも、あーさたちも、舞台下手のテーブル席。大劇場なら、SS席(笑 

6時に始まるころには、ほぼ8割は埋まっていたかな。
でも、200人ほどの会場なので、とてもこじんまりとした雰囲気。

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ワークショップは、依頼を受けた景子さんとしても、どんな展開になるかまったく予想がつかない、という言葉で始まった。まずは男性は中折れ帽、女性は傘を持っての登場の仕方を学ぶコーナー。
中折れ帽は、宝塚でここぞ!というときにトップスターが、カッコをつけて登場したり、去っていったりするときの定番の小道具の一つ。

これがね〜、一般男子が手にすると、まったくどうにもなんない。
それでも、ずらっと並んだ男子たちが必至で舞音のシャルルの登場シーンをやってみるんだけどね…
直視するのがつらかった…(笑
やがて、公演が終わって駆け付けたあーさが、手の筋をしっかり見せて、きれいにかぶるコツを教えて、やってみせたら・・・あら、ステキ!これぞ、宝塚、ですわね。
傘も、同じく一般女子が手にすると、あーなっちゃうわけね。

宝塚の独自の世界観は、やっぱりすごい。
と、この段階で思っちゃったんだけれど、これから、ますますヅカ的世界構築が目の前で展開されていくのであった。

次は、「舞音」の中のシーンから二つ。一つめは、マノンの「愛なんていらない!」から始まるシーン。マノンが婚約者のいるシャルルをなじり、去って行こうとするのをシャルルが引き止め、愛を告白するシーンだ。
役者は、自分の引き出しの中から表現していくから、5組(だったかな?)の男女のやりとりを見ていると、高級娼婦マノンとお坊ちゃま士官シャルルという役柄には到底みえず、横浜駅の裏道あたりで繰り返されている男女のやりとりに見えてしまう。
景子さんは、マノンとシャルルの役柄の背景と心情を実に細やかに、懇切丁寧に説明し、役者たちに理解を求めていく。そのエネルギッシュなこと!演出家は、誰よりも情熱的であることが必須なのかもなあ。

二つ目のシーンはラストの船の上での二人。撃たれて瀕死のマノンをシャルルが抱えながらのセリフのやりとり。このシーンは、この作品の一番重要なシーンでもある。船の台座に座るのも、客席から美しく見える形をつくらなければならない。マノンは、無理な姿勢を取りながらも、行き絶え絶えになりながら、シャルルへの深い愛情を表現する必要がある。とても高度な技術を要するシーンだから、もちろん今日、セリフを渡された役者たちがするするとできるわけもなく…。
できれば事前に本公演を観て、セリフを入れて、ある程度、作り上げたもので稽古をつけた方がよかったかも。
力量がないのに、読み合わせもせず、いきなりシーンに入っちゃうから、見る方はお尻がずっとむずむずしてしまった(笑

1回目は、コンビを組んだ男女に自由にやってもらい、景子さんがダメ出しをした後に今度はBGMを付けて2回目を演じる。物語に説得力を持たせる役者の力量が問われる。BGMが補てんしてくれるから、それなりに形にはなるけれど、見ている側はいたたまれない…だって、セリフのやりとりだけだと、かなり気恥ずかしいものなんだもん(笑 これはリアルな男性が演じているからという部分も大きいかも。
リアルではない男女が、リアルに夢の世界を作るからこそ宝塚なわけで、そこにリアルな男が入ることで夢が夢でなくなってしまう。そういう作用を実際に目にしてしまったということになる。
コーディネイターの横内謙介氏が、景子さんがリアルな男女の心情を説明して演技を付けているところをみて、そういうリアルさを入れていくのが意外だというようなことを言っていたけれど、この発言自体が男性がみた宝塚なんだよなあ、と思った。
リアルな夢の世界をつくるためには、リアルな心情が伝わらないとダメなんよ。女は嘘を見破るからね(笑

景子さんは、一つ一つのセリフの意味をとても丁寧に細やかに説明してくれたので、もう一度舞音を観たくなってしまったほどだ。

そして、ラストにあーさとときちゃんの二人が、ラストシーンを目の前で演じてくれた。
舞台化粧ではなく、ほぼ素の状態で観られるなんて、宝塚史上初のことだろう。
新人公演のときも、泣かせてもらったけれど、ほんの5分ほどのこのシーンだけで、またまた泣いてしまった。
二人の世界の作り上げ方のすごさに宝塚の神髄を観た思いがした。
まだ新人の二人が、ここまで舞音の世界を一瞬にして作り上げるとは!!!役者は、見る側に任せてはいけないもの。役者が観る側を自分の方にひきつけないとダメなのだ。それが力量。
驚き以外の何物でもないでしょ。
宝塚には、このレベルの生徒たちが日夜精進し、切磋琢磨している。
そこで光って、選ばれた生徒がトップの階段を上っていく。

アカデミーの若者たちが、どのような学び方をしているのかわからないが、宝塚が15,6歳の女の子たちを精鋭集団に作り上げていくシステムこそが100年という時を刻むことができた大きな要因の一つなんだろうなあ。
かねてより、宝塚のお稽古場をのぞけるなら、SS料金なんて軽く出しちゃう!と思っていたぐらい見たかったもの。それをこんな目の前で見せてもらって、おまけにあーさたちの息をするのももったいないようなシーンを見せてもらって、演劇ファン冥利に尽きました。

あ〜、面白かった!
最後に景子さんに聞いてみたかったんだけれどなあ。「まさおのセリフのクセは気になりませんか?」って。

黒岩知事が来場、とても楽しそうだった。今年は、KAATでいくつか宝塚が上演される。
大消費地である横浜での展開は、知事にとっても、宝塚にとっても、得るところが大きそうだけれど、私は遠くてやだな。

posted by 風土倶楽部 at 16:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 極私的観劇日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月07日

宝塚大劇場 宙組「シェイクスピア」「HOT EYES」

お正月にヤフーのサイトで「おみくじ」というのがチカチカしていたから、クリックしたら、神社のサイトにでも行くのかと思ったら、いきなり「大凶」なんていうのが出てきて、びっくりぽん!やった。
もう一回やってみても「凶」
やだな〜。もうヤフーなんて大嫌いだ。

とはいえ、年末にはREON JACKのよいお席がいくつか当選し、むふふ・・・
3月から4月までは、張り切って生きていけそう。

今年の初観劇は、宝塚大劇場の宙組『Shakespeare 〜空に満つるは、尽きせぬ言の葉〜』と「HOT EYES」
よいお天気!

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宙組って、こんなに目がたくさん必要な組だっけ?
「王家に捧ぐ歌」もとってもよかったけれど、あの作品は、限られた役しか目立たない。
今回は、いろいろな組子たちが次々に登場してくるので、とっても忙しい。ショーは特にね。

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シェイクスピアの方は、出だしのグローブ座でのロミオとジュリエットの公演のあたりはワクワクした。
でも、回想シーンになってくると、なんとなく先が見えちゃって…中盤の妻になったアンとのごたごたあたりから、眠気が〜。
というわけで、お芝居の方の感想は書けない…(笑
私的には、最後の大団円の部分が、ちと納得いかないんだけれど、私の隣の人も、斜め前の人も、ハンカチを出して泣いていたので、そこそこよかったみたい。

こまさん(沙央 くらま)と美穂圭子さんが、さすが専科。きちんとポイントを押さえていて、安心して観ていられた。
まーさま(朝夏まなと)は歌がうまいし、キャラクター造形がさわやかなので気持ちがいい。
その分、ラダメスとシェイクスピアが同じ人に思えちゃうけどね。ちょっと猫背気味なのが気になる。
みりおん(実咲 凜音)は、相変わらず幸せそうで、イキイキしていた。

私は、ショーの方がお気に入りで、また観たくなった。
ラスト近くの黄金の背景が、「あ、ディア・ダイアモンドや〜」とちょっとうれしかったりなんかして。。。

うらら(伶美 うらら)のたこ足ドレスのお尻の大きさ、
ひかるちゃん(愛月ひかる)のショート金髪、
くらまの色気(けっこう好きかも)、
美穂さんの安定さ、
トップコンビの幸せ度、
まーさまの美しい品のよいソロダンス(やっぱりトップはこうでなくっちゃ)、
ずんちゃん(桜木 みなと)たち若手のきらめき、
真風の2番手というよりも、1・5番手扱いぐらいなアゲアゲ度、など、大変楽しませていただきました。

宙組、ええやん。
1年前とえらい違いだ…

この日は、ことちゃんとせおっちがご観劇。同じ列で、ちょっと興奮した(笑

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2016年01月03日

梅田芸術劇場「CHICAGO」千秋楽

明けまして おめでとうございます。
昨年は、ちえさまに明け、ちえさまに暮れた1年だった。
12月28日にREON JACKの抽選結果が出て、まあ、そこそこよいお席を数回分ゲットできたので、落ち着いた年末年始を迎えることができた(笑
また、今年も、ちえさまがたくさん見られますように💛

昨年のラストは27日の「CHICAGO」千秋楽。
「マッサン」のシャーロット・ケイト・フォックスがロキシーで、湖月わたるさんがヴェルマ役。
わたるさんは全編英語でがんばっていた。
英語というだけで尊敬しちゃう。

が、公演そのものは…

物足りなかった。

POBを観ちゃったからね〜。

あのレベルにあれだけ浸ってしまった後だから…ねぇ。

レベルの差は埋めようがなく・・・
私の「つまらない」バロメーターである眠気が襲ってきてしまった。
前列センターという最高の席なのに、眠気が〜!

圧倒的なものがまったくない。
POBは、内容を知らないミュージカルのわけのわからないシーンが数か所あったのだけれど、それでも眠気は影を潜め、毎回、パフォーマンスにうならせられた。

シャーロットは、まだまだ舞台人としてはメリハリができていないためか、アピールしてくるものがない。
かわいいんだけれど、小粒な小悪魔なのだ。
まだまだ修行を積まないとねぇ。

一緒に観た友人いわく、ヅカOGだけの「CHICAGO」の方が迫力があったとのこと。

POBのおかげで目と耳が肥えちゃった。

posted by 風土倶楽部 at 16:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 極私的観劇日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする