2016年05月29日

WOWOW蜷川氏追悼番組「天保12年のシェイクスピア」

WOWOWで放送された蜷川氏追悼番組「天保12年のシェイクスピア」の録画を観た。
2005年公演。

江戸時代の宿場町でのヤクザの抗争を舞台に、シェイクスピアの37作品のすべてのパーツを取り入れた井上ひさし作。
なんと4時間!
舞台の映像を家で鑑賞するというのは邪道だな…とよく思う。
だって劇場という閉ざされた空間で、舞台の設定にトリップするわけではないから。
そう、いろいろ気が散るのだ。眠気に対する抵抗力も、きわめて低くなる(笑

何度も寝落ちして、何度も寝落ちしたところに戻り、ようやく完了。
途切れ途切れに見る舞台は、やはり舞台じゃないよね。
(ちえさまご出演の作品だと、ちょっと観よ…がやめられなくなり、そのまま最後までがよくあるんだけど)

蜷川氏の演出作品をほとんど見たことがないので、なにも語れないんだけど…
出演の役者たちが、なんだか楽しそうにやっているなあ〜と思った。
あまりにも楽しそうなんで、勝手にやれば〜、とちょっと引いてしまったほど。
生の舞台だと一緒に楽しめたのかな。

シェイクスピアの作品に盛り込まれた要素をつなぎ合わせれば、いくつも作品ができちゃうはず。
それをあえて全部つなぎ合わせてみた・・・その真意はなんだったんだろう。

面白くないわけじゃないけれど、だから?
人間の愚かさが、これでもかってくらい提示され、いくつかは笑いに変換されているけれど、全体的には、役者の熱演が目立てば目立つほど、冷めて見てしまう舞台だった。
越後の三世次(唐沢寿明)が銭ゲバみたいなキャラで、言葉を巧みに操り、人の心の弱さに付け込んでいく。
予想外の人が、わりにあっけなくバタバタ死んでいき、あら、この役者さんは、もう出てこないの?というほど贅沢な使い方がされていた。さすが蜷川演出(笑

このお芝居は、キャスティングした時点でほぼ完成している、そんな印象を受けた。そのぐらいみなさんイメージ通りの役だった。いい意味でも、残念な意味でも、この役者なら、こんな演技をするだろうな、をまったく裏切られることはなかったから。
最後に付録として、稽古場の風景が放映されていたけれど、いつになく和気あいあいな稽古場だったとのこと。
そりゃあ、そうだろうね。

夏木マリも、白石かずこも、藤原竜也も、吉田鋼太郎も、そのまんまやん。
唐沢くん、がんばってた。
毬谷友子が、情感豊かでとてもよかった。
篠原涼子は、舞台向きじゃないなあ。テレビの方がよいと思う。
高橋恵子と西岡徳馬が出てくると目が覚めた。

ぶっちゅはほとんどなかったけれど、三世次と女郎の濡れ場にびっくりした。
江戸時代の猥雑な世界観を表出できた大きな功績は、あの女優さんの勇気と度胸だと思う。
いつまでも記憶に残る乳房だ・・・

当時は、今みたいに芝居三昧できない状況にいたから、この作品が上演されていたのも知らなかったけれど、知らなくてよかったかも(笑 

いのうえひでのり演出版もあるらしく、そちらもちょこっと見てみたいなあ。

劇中であの有名なセリフ「 to be or not to be that is the question 」の今までのほぼすべての訳を藤原竜也のがセリフで言う場面があった。なるほどね〜。いろいろあるのね。

井上氏も、蜷川氏も鬼籍かあ。一番感じたのは時の流れ、だった。



posted by 風土倶楽部 at 17:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 極私的観賞日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月24日

梅田芸術劇場「1789」

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すごーくよかった。

5列目だと思って行ったら、この公演は4列目が最前列なので、2列目だった。
さすがに役者さんたちの表情までよくわかり、迫力があって、とても堪能できた。

どこらあたりの席で観るかによって、印象はかなり違うのよね〜。

目の輝きなんて、やはり前方席でないとわからない。
オペラで観るには、全員を追いかけるわけにもいかず・・・

目の輝きが一番強かったのは・・・なんとねねななちゃん。
ななちゃんの演技、好きだわ〜。意思の強い、とても賢くて、気持ちのやさしいオランプ像が明確で、ロナンとの愛にかけていく様子が伝わってきた。

加藤くんのロナンは、東京では、虐げられた民衆のエネルギーの爆発が感じられなかったのだけれど、今回は、とてもパワフルで、まるで別人のようだった。

そのため、作品全体がとても引き締まって、ロナンの思いと一緒に1789年を駆け抜けていけた。

花総まりさんのアントワネットは、もうアントワネットそのもので、気品に満ち溢れ、ハプスブルク家のお姫さまが一人の王妃として成長するさまが見事だった。

ようやくロベスピエール、ダントン、デムーランの3人の違いがはっきりわかった!(笑
みなさん、イケメンやね。

そして、デムーランの恋人リュシル・・・
なんと夢華あみちゃんじゃないですか!
後方席のときは、とてもそこまで目が行かずわからなかったのだった。

則松亜海と改名しての出演。
さすがに音楽学校首席卒業で、あれだけ大抜擢された人だけあって、かなり目立っていた。
スカーレット・ピンパーネルでは、マリー役に抜擢されているようで、これから楽しみだわん。

ソニンの歌唱力に今回も、うっとり。すごい歌唱力だ。

東京公演よりも、やはり回を重ねて舞台が進化したのかしら。
今回は、月組を入れて3回目にしてラストで泣いた…

そして、自由と平等を歌い上げるラストシーンの、ななちゃんのロナンを失った心の痛みとその意思を継ごうとする力強い目線が、一番印象的だった。

でも、時折、傍らの和樹ロナンをちえさまロナンに置き換えて妄想したりしながら、観ていたんだけどね…
ステキだろうな〜っと。
最近、ちえさま男役欠乏症なの。

それにしても、宝塚じゃない舞台は、本当にぶっちゅぶっちゅとキスしちゃうのがどうも苦手。
日本は、人前であまりしない行為だから違和感があるのかしら。
キスって、どうもダメだ。ばっちいと思っちゃうから。

宝塚方式のラブシーンが、やっぱり好きだ。

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徹平くんのロナンも、観てみたかったな〜。

posted by 風土倶楽部 at 18:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 極私的観劇日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月08日

サンシャイン劇場「FAIRY TAIL」

音楽が和田俊輔氏、演出が児玉明子氏というので、つい手を出してしまった…

アウェイ感満載だった…(笑

どうしてアニメのままじゃいけないんだろう。
どうして人間が荒唐無稽なシチュエーションを演じなければいけないんだろう。
ミュージカルということだけれど、歌はちょこっとだった。
最後に歌で誤魔化された気がする。

セリフは、ずっと絶叫型で、とっても疲れた。

映像を多用しているんだけれど、その映像をインパクトのあるものにするためにスクリーンが頻繁に降りてくる。
あ、来た来た・・・映像でがんがんやるのね、みたいな・・・

演出を見ていて、やっぱり宝塚はすごいと思った。
「ルパン」も「るろうに剣心」も、「伯爵令嬢」も、みんな2.5次元ミュージカルだけれど、しっかりミュージカルだし、場面展開が見事で、元がアニメだということを時折忘れさせてくれるくらいエンターテイメントに仕上がっていた。

舞台の上の絵空事が、ちゃんとリアルな世界とつながる仕掛けがしてあるから、なのかな。

この作品は、なぜ舞台化しないといけないのか、意味がよくわからなかった。

でも、会場は若い人でいっぱいで、熱気もすごかった。

そして、出ているキャストのみなさんは、実に見事にアニメのキャラクターを再現していて(実際のアニメは知らないけど)、なんか、すごいな…と思いつつ、でもね…みたいな、複雑な気分だった。

ストーリーは、もうどうでもよくって、それぞれのキャラクターがどう決めるか、が面白さなのかしらね〜。

好奇心ばかりが年とともにますます募って、つい、ひょこひょこあちこちに顔を出しちゃうけれど、この手の2.5次元はもういいな(笑

あゆっち(愛加あゆ)は、歌も、ダンスも、できるのにもったいないなあ。
佃井皆美ちゃん、殺陣がキレ味よく、歌も歌えて、できる方ですね。

主演の宮崎秋人くん、かっこよかった。

JACKのダンサーの男子たちもだけど、みんな、がんばっているな〜、と、ばあやはそれはそれでとてもうれしかったです。

演出が、、、ね〜。
劇場の舞台装置でできることが限られているのかもね。
水の中の表現としては、「伯爵令嬢」では、へ〜!とか、ほ〜!とか思ったんだけど〜。
布をパタパタには、ちょっとびっくりでした。

「伯爵令嬢」について書いた感想を読み返すと、違いがよくわかるなあ。

映像に頼りすぎるのは、要注意ってことかな。

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和田氏の音楽は、そのままバイオハザードに使えそうだった…
もっとおどろおどろしくなるのかな?


posted by 風土倶楽部 at 22:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 極私的観劇日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする