2018年02月21日

松岡圭祐著小説を5冊連続で読破!

松岡氏と講談社でなにやらプロジェクトが動いているのだろうか。
日本人のアイデンティティを思い出させ、国を愛する心を取り戻そうというプロジェクト。

まず最初に「黄砂の籠城」を読了。
高校で習った「義和団事件」は、義和団による事件というほんの1行で終わる歴史的な事件だった。
それしか頭に残ってなかった。

この小説により、初めてなにが起こっていたのかを知った。
そして、日本人がそこでどういう行動をとったのかも。

本当に驚いた。
どうしてこんな重要なことを学校教育でやらないのだろう。
だから、日本人のアイデンティティを壊そうとする変な左系のメディアに国の根幹を浸食されてしまうのだ。

そして、「8月15日に吹く風」
陸軍と海軍が力を合わせ、綿密な計画のもと、アメリカ軍に包囲されたキスカ島から守備隊5000人を救出した歴史的事実を日本側とアメリカ側のそれぞれの視点で描いた小説。

ロナルド・リーン氏は、日本研究の大家として私でも名前を知っている。
そのリーン氏が通訳官として参加していたキスカ島包囲網の艦隊で、日本軍による救出作戦を見聞きしたことで、日本人が玉砕、自決、自爆するだけの狂信的な国民ではないという報告書が本国に提出された。これにより、日本降伏後にマッカーサーが日本統治計画に武力を使わなかった。

こんな重要なことも、今まで一切知らなかった。
終戦記念日にNHKは偏向報道をせず、繰り返し、こういう情報を出しなさいよ!

そして3冊目は「生きている理由」
男装の麗人で戦前戦中に注目された川島芳子の人生を少女時代から描いた小説。
どうやら、これはまだまだ続くようで、今回は、なぜ男装するようになったか、まで。

北京籠城でリーダシップを発揮して西洋で認知された最初の日本人 柴五郎
8月15日の木村昌福海軍少将
生きている理由の山家亨少尉

みなさんキャラが似ている…(笑)
冷静で責任感が強く優しく、有能
理想的な殿方です。そして、みなさん、実在のお方

正統派のいい男たちは、こんなところにいたのか!!!

4冊目は、「ヒトラーの試写室」
真珠湾攻撃を成功させた国からの要請で、特殊撮影技術を駆使して戦況を再現。そのフィルムがヒトラーと宣伝相のゲッペルスの目に止まり、今後はドイツからの要請で戦時中のドイツで国策映画を撮るハメになった柴田彰氏の体験をもとにした小説。円谷氏により、戦後、ゴジラに代表される特撮の基礎となったのは、国策映画の特撮だったという事実にびっくり!
ウソを塗り重ねる国と軍に利用されつつも、職人としての誇りがいいものを完成させてしまう皮肉。
人心を映画で掌握し、左右しようとする国と軍。敗戦が色濃くなっていくにつれ、都合の悪い情報を隠しまくったため、ますますなにが真実で、嘘なのかがわからなくなっていく・・・

(以下、ネタばれ


ゲシュタポがユダヤ人たちを大量に乗せた船をイギリス軍に攻撃させ、あとで特撮で赤十字船を攻撃したと世界に発表しようとした事実には驚愕!
それもヒトラーも、ゲッペルスも自殺したあとに!

帰国したくても、戦況の悪化に伴い帰国できなかった柴田氏が、そのゲシュタポの悪だくみに巻き込まれた状況に心から同情する。そんな状況に置かれたときに、自分はどんなふうに向き合うのか…私には、自信がないなあ

ネタばれここまで)


オンナだからか、この3つの小説の中で、一番の哀しみと孤独を抱えて生きていかざるを得なかったのは川島芳子のような気がしてならない。
オトコたちには守るべきものがあったのに、芳子には、なかった。
滅亡した清朝の再興を一身に背負わされ、さまざまな思惑に翻弄された人生。
どこかでぬくもりを感じることができたひとときはあったのだろうか。
山家亨も、別れて生きたとはいえ、同じく時代の奔流の中で並走し続けたような人生だったようだ。
あの時代、どう生き死んだかは、もっともっと文学や映画などの文化で語り継いでいかねばならないことだと思う。
今後の小説の展開が楽しみ。
川島浪速が、事実としても戦後まで生き延びているのが、なんとも悔しいけど。

それにしても文庫に書下ろし小説を4作続けて刊行するなんて、松岡さん、すごすぎる。
この小説は、どれも映像化されて、多くの人に注目されるといいなあ。

泣いたのは「8月15日に吹く風」
ハラハラしたのは「黄砂の籠城」
闇が深いのは「生きている理由」
コワいのは「ヒトラーの試写室」

事実は小説よりも奇なりとはよく言ったもの。
その事実を、実在の人々を登場させて小説にしてしまうのだから、面白くないはずがない。
松岡氏、目のつけどころがすごい!
どんどん掘り起こしてほしい。そして、映画化や舞台化をして、広く知らせてほしい。
日本人の過ちは、数多く報道されているけれど、時代の激流の中で命がけで誇りを持って生きた事実は、案外知られていない。

川島芳子の人生
ちえさま、どうかしら…
でも、あのころの男装はちょっと違うしなあ
壮一帆が、この前、舞台でやってたっけ
ちえさま、あまり似合いそうにないなあ
男装、じゃないのよね
かっこいいキャラクターをやってほしいだけなんだから(笑)

実在の人物が主人公だった上記4冊と、ちょっと毛色が違うんだけれど、そういう見方もできるよね〜というのが「シャーロックホームズ対伊藤博文」
ニコライ2世の日本滞在における大津事件がテーマ。この事件の裏に隠された真実をホームズと博文が力を合わせて探り出し、日本とロシアの友好関係を取り戻すという、こちらは完全に小説。それぞれのパズルの断片をホームズ流にうまくはめ込み、なるほど、そういう見方もできるよね〜という「真実」が解き明かされる。

松岡さん、ものすごい勢いで歴史小説を生み出している。
全部読んじゃった( ´艸`)
次をお待ちしていまーす!

いつもは図書館で借りるのに、久しぶりに買っちゃったわ


posted by 風土倶楽部 at 21:22| Comment(0) | 読書日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月18日

国際フォーラム ホールC「マタハリ」大千秋楽

こんなに感動したのは、ちえさまの宝塚時代の「ロミオとジュリエット」以来だろうか。

15日に観たときとこんなにも違うなんて。
ちえさまになにが起きたのか?(笑

今日のマタハリは、女が惚れる女だった。

手や腕の動かし方が、とてもしなやかで、かたちとしての「柚希礼音」がどこにもなかった。

セリフは、とてもやわらかで、声のトーンも、相手によって自在に変わっていた。
15日に観たときには、大阪のときと同じようにアンナに対する言い方が、少しきつくて、まるで下級生に言っているような印象を受けた。
なのに今日は、語尾がやわらくなっていた。
人生の同士としてのアンナとの関係がきちんと伝わってきた。

5回目の友人と観て、同じ感想だったのが、ラストの鉄格子のなかのマタハリの感情の動き。
素晴らしかった。

アンナに今日の客席は?と問い、アンナが「大入り満員です」と答えたときの「ステキ」の一言が、心に飛び込んでくるようなすべてを込めたセリフだった。
そこからのソロの歌い上げ、そして銃の音。
青一色の舞台の上で彷徨うマタハリが、
手を差し伸べた向こうにアルマンを見つけたかのように目を輝かせ、そっと微笑む。

大泣きしてしまった…

ようやくちえさまのマタハリが完成したんだと思うと・・・涙
もちろんマタハリの愛を求めて駆け抜けた人生にも、涙

まるでバシバシ4回転を決めるゆずるくんみたいだったちえさま。
すべてのトリプルアクセルに成功したみたいだった今日のマタハリ。
金メダルをたくさんあげたいっ!

ばあやは、ついに本当の女優ちえさまの誕生を目撃できて、とてもとてもうれしい。

大阪で観たときは、生キスと半裸の姿でのダンスにショック状態になり、思考が停止してしまった。
まさかおへそまで見せてしまうなんて思ってもみなかったから。

ようやく慣れてきて観た東京公演。
今度は、逆に柚希礼音があちこちに顔を出していて、どういうマタハリになっちゃうのかと心配になってしまった。

今日、マタハリと共に暗い世界大戦の時代を駆け抜けることができた。
この並走感、懐かしい。ロミオとジュリエットを観たときを思い出す。
舞台のちえさまと客席との一体感。これぞ柚希礼音の真骨頂。

思えば退団直後に出演したPOB(プリンス・オブ・ブロードウエイ)で、裸の背中を見たときにその筋肉の付き方に驚いた。
大柄なねねちゃんをかついで、くるくる回していたんだから、筋肉がついて当然だった。
ああ、ちえさま、ほんとうにご苦労されていたんだ…と、そのたくましい背中を見て感慨深いものがあった。

その背中は、今は、美しい筋肉に彩られ、女らしい肉づきになっている。
ちえさまの進化と私の気持ちがシンクロできなかったら、どうしようと不安だったけれど、今日、ぴったりシンクロできて、ほんとうにうれしい。

どこまでもついて行く!

共演者の人たちがすごかったな〜とあらためてつくづく思う。
この優秀な役者さんたちに支えられて、マタハリを自分のものにしていったちえさま。
これは再演しなくっちゃね〜。
今度は、毎日、大泣きしに通います!

でも、やっぱり舞台のカーテンは、もう少し工夫してほしいな(笑

posted by 風土倶楽部 at 17:50| Comment(0) | 極私的観劇日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月16日

国際フォーラム ホールC「マタハリ」

2回目のマタハリ
今回は、後方センターだったので、舞台全体を把握できた。
全体の印象はほぼ同じ。

ちえさまはセンターで光り輝いていた。
まっすぐに生きるマタハリ。
どんな苦労や困難が立ちはだかろうが、ひたむきに幸せをつかむために邁進する女マタハリ。

まさにちえさまでなければできないマタハリ。

が、マタハリのドラマは、それでいいのかなあ・・・という思いがどうしてもよぎってしまう。
オンナが虐げられることが多々あった時代という背景があるとしても、マタハリの生きる力強さゆえに、そうした背景がかすんでしまうのだ。

ちえさまのオーラが強すぎるというべきか。

必死で自分を守っているから、アルマンの稚拙とも見える近づき方にコロリとはめられてしまうのか?
誰か頼るべき相手が欲しいから。

でも、ちえさまマタハリには、その弱さがあまり見えないのよね〜
先入観があるから、なのかなあ(笑
あまりにもピュアで、なにものにも汚されていない感じなのだ。

それはそれで魅力的なオンナなんだけれど、この物語のマタハリは、もっとドロドロしていた方が悲劇性が強調されると思うんだけどなあ。

ラスト近くの尋問を受ける場面で、ラドゥがマタハリの過去をあげつらうシーンになって、ようやくサーカスにいたのか〜、街角に立っていたのか〜、コールガールだったのか〜と、あらためて思わせられるわけで…

ちえさまはピュアすぎるから、
力強いから、
ついて行きたくなっちゃうから

女闘志みたいなマタハリなのよ・・・好きだけどね💛
だいもんロベスピエールより、リーダーシップあるかも( ´艸`)

私は、やっぱり2幕が好き。
ベルリンの病院にアルマンを訪ねるまでのちえマタハリのイキイキしていることといったら!
水を得た魚のようです。
ちえさまのこういうシーンをたくさん観たいなあ。

今回のラドゥは佐藤隆紀さん。
なんという美声!気持ちよすぎる!

佐藤さんで、ジャンバルジャンを観てみたいなあ。
ちょっと堕されてしまったかも。シュガーさん💛

加藤アルマンは、もう完璧。完全にラドゥとアルマンを演じ分けている。

そして、やっぱりすごいなあと思うのは福井晶一さん。
迫力が半端なく、物語の大きなカギを握るドイツ将校にぴったり。

和音美桜のアンナは、ちえさまとの対比が鮮明。
「私は、あたなを通して生きている…」と歌う曲は、ものすごく難しいはずだけれど、歌詞がきちんとひしひしと伝わってくる。

それにしても、やっぱり気になるのは、あの旗での場面転換。
あのチープさが、小劇場のチープな芝居を見ている気分を呼び起こしてしまう。
なんとかならなかったものか。
鉄パイプの階段の多用も。
13000円の公演とは思えない。
第一次世界大戦の時代が暗かったとはいえ、一方で欧米諸国が植民地支配に地道をあげていた時代でもあり、上流階級を中心に華やかさがあったはず。

それとオープニングのマタハリの登場の仕方。
舞台奥から走って、群衆を分け入っての登場。
群衆が散らばると、そこに豪華な衣装のマタハリがすくっと立っていた、みたいにしてほしかった。
宝塚を観過ぎ?(笑

走ってはけるというのもあった。

そういえば、和樹アルマンは2回も、ひきずられて退場してたっけ(笑

ラストのちえさまがブルーの背景をさまようシーンは、とても物悲しいながら、生き抜いたマタハリの人生を感じさせられた。
ちえさまは、ほんとうに歌が上手くなった。
マタハリのナンバーは、どれもワイルドホーン氏ならではの甘いメロディの切ないナンバーばかり。
CDが欲しい

来月、韓国バージョンの舞台映像の映画を見るので、比較がとっても楽しみ。

さて、ちえさまの生へそも、あと1回。
これが最後の露出かもしれないから、よっく拝んで来ようっと。

posted by 風土倶楽部 at 21:05| Comment(0) | 極私的観劇日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月08日

梅田芸術劇場メインホール「黒蜥蜴」

ちえさまのマタハリは絶賛の嵐のようで、ひとまずよかった。
ばあやは、裸同然の衣装や、生キスにショック状態で、いまだによみがえれず・・・
一緒に観たちえさまファンも、ゼロトピアは、もうどうでもいいとまで言う始末。
求めているものと、ちえさまの進化がシンクロしなくなるということはあり得ることで…
近々、2回目、そして、千秋楽を観るので、また、感想が変わるやもしれない。

さて、三島由紀夫とシェイクスピア看板には、とても弱くて、まるで街灯に集まる蛾のごとく劇場に吸い寄せられてしまう傾向にある私。

今回は、それに加えて中谷美紀!
以前、「メアリー・スチュアート」のメアリー中谷を見て、魅了された。
その彼女が黒蜥蜴をやるなら、これは観なくっちゃ!

期待通り、黒蜥蜴にぴったり!
美しくて妖艶、冷酷で、真剣なのに、どこか滑稽さがある。
華麗な犯罪そのものの黒蜥蜴。今、できる人は中谷美紀しかいない!と思わせられた。
黒いドレスがとてもよく似合っていた。
明智探偵の井上芳雄の存在感が薄くなってしまうほどの中谷黒蜥蜴。

私も、中谷黒蜥蜴に「青いカメ」の称号を与えてやろうと言われてみたい♡

手下役の朝海ひかる(こむちゃん)の立ち姿の美しさが、首領の黒蜥蜴の美と調和していて、配役がばっちり!

三島由紀夫の耽美なセリフに彩られた戯曲は、まるで強いお酒を飲まされたような気分になる。

それにしても、「黒蜥蜴」」は、ほんの少し前に観た「マタハリ」と同じ劇場とは思えない舞台構成、展開、装置だった。
すごくよく考えられていて、シンプルなのに簡素ではなく、地味でもない。そして、状況展開がわかりやすい。

冒頭のいくつかのドアを役者に持たせ、マジックのうに登場人物を登場させるところから引き込まれた。
時も、場も越えて、ホテル内なんだけれど、ホテルでもなく、東京タワーなんだけれど、タワーでもない。黒蜥蜴のアジトの不気味なんだけれど、不思議な静謐さと芸術性が入り混じった空間。

役者、舞台の調和がとれた公演だったと思う。

posted by 風土倶楽部 at 22:43| Comment(0) | 極私的観劇日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする