2020年02月18日

新歌舞伎座「シャボン玉とんだ 宇宙までとんだ」

多くの人に観てもらいたいけれど、そっと心の中に大切にしまっておきたいような作品でした。

孤児の女の子折口佳代(なんという昭和な香りあふれるヒロインの名前なのだ!)が、やくざに養女にされ、虐待で命を落とす。
同じころ、宇宙船の中で事故で生命素を失い、佳代の肉体に憑依した形で生命を繋ぐことに…
やがて数年がたち、宇宙人たちは、佳代を回収しようとするが…
ユウスケ(ゆーあんちゃん)と出会って、初めて人として心を通わせることを知った佳代は幸せを初めて知る。
その幸せそうな様子に、心優しい宇宙人たちは、自分たちの寿命は地球人の1000倍(と言ってたような)ほどあるから、佳代が寿命を終えるまで待ったところで問題ないということになり、佳代の幸せを見守ることになる。
果たして佳代は、やくざに弄ばれ、すりを生業にさせられていた過去を断ち切り、ゆーあんちゃんと幸せな寿命を終えることができるのか…

なんという時を越えた雄大なストーリーなのだ!
昭和な香りがぷんぷん漂う舞台なのに( ´艸`)

最初にまだ幼い佳代がシャボン玉を吹きながら登場。
無垢なままの笑顔で空に昇っていくシャボン玉を見上げるシーンは、これから佳代が歩む人生が幸せでありますようにと思わず願わずにはいられない。それ以後、不幸にまみれても、ゆうみちゃん(咲妃みゆ)のはじけるような笑顔がみられる瞬間をつい期待して物語を見守ってしまった。

私たちもまた宇宙人、とはよく言われることだけれど、星空を見上げなくても、宇宙とつながっていることを実感させてくれるなんともスケールの大きい物語だった。

なぜ、ふとしたときに私たちは空を見上げるのか。
無意識のうちにそこになにかを期待しているのか。
広大無辺なのに懐かしいような…
誰かが見守ってくれているような…

その謎が、ああ、そうか…と素直に納得できるようなラストでした。
命は宇宙の果てまでつながっている。

気が付いたら、涙が流れていました。

井上芳雄、濱田めぐみ、福井晶一・・・というミュージカル界のトップスターたちが、出たい!という思いを注ぐ作品。
納得です。
濱田さんは、出発は音楽座だったのね。

そして、音楽座のオリジナルでは、31年前の初演のときから佳代を演じていた土居裕子さん。
今回は、宇宙人ミラで、佳代を見守る側に。
その透き通る声に宇宙を感じました。

久しぶりのみゆちゃんとゆきちゃん(仙名彩世)
元雪組と花組のトップ
みゆちゃんの佳代、守ってあげたくなる健気さの塊。さすがの演技力と歌唱力でした。
ゆきちゃんは、今回はサポートに回っていたけれど、高慢ちきな金持ちの娘も、レビューのダルマ姿も、レポーター役も、見事に演じ分けていました。

井上くんは、こんな役の方が好きだなあ。
ちょっと野暮臭いんだけれど、やさしくて、包容力があって、とてもステキだった。
みゆちゃんとの歌が沁みました。

舞台がシンプルにつくられていて、迷路のシーンは人が手に持って移動するのだけれど、それが本当に迷路っぽい。
音楽座の舞台でも、同じ演出なのかしら。
宇宙船もシンプルだけれど、ちゃんと宇宙船だった(笑)

バブル時代の設定だから、ゆきちゃんのお嬢様や、カフェ「ケンタウルス」に集まるマスター夫妻やお客さんたちの服装も昭和、井上くんも、しっかり昭和のイケてないオトコ、5000万円をもって地上げに来るやくざ・・・
そうかあ、あれからもう30年以上経ったのか〜

年をとるはずだわ〜・・・

再演してほしいなあ



posted by Luna at 15:55| Comment(0) | 極私的観劇日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする