2008年07月31日

日本の「食」は安すぎる

原油高の高騰で食品をはじめ軒並み値上げされている。
原油高分を上乗せするというサーチャージが原油を多く使うハウス栽培ものの農産物にも11月から実施されるらしい。

冬にキュウリやナスやトマトがふんだんにあるほうがおかしかったんだけれど、では、これらの通年野菜が姿を隠したら、また、野菜がない!とかいって大騒ぎになるんだろうなあ。
歪んだ食と食生活を見直すために原油高も食糧争奪も、きっかけとしてはいいけれど、残念ながら、農作物は足りないからといって、すぐにできるわけではないし、作り手は高齢化している。日本の食糧の先行きには暗雲が垂れ込めている。

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山本謙治さんの「日本の「食」は安すぎる」(2008年5月刊 講談社+α新書)はまったくその通りなんだけれど、発刊のタイミングが微妙。
せっかく食料品がねあがっても、原油に吸い取られてしまって、結局、生産者の手元にはいかないのだから。

納豆も生協に100円で売るから、50円以下で商品を出して、なんて言われるそうだ。
おまけに国産大豆を求められる。

この帯にある「タブーを犯さなければ生産者は生きていけない」は間違いです。
食品偽造をしているのは製造者と流通なのだから。
それによって儲けているのも。
でも、まともなメーカーは四苦八苦している。
本文にはちゃんとそう書いてあります。
ふつうに、まともにやっていたら、儲かるなんてありえない。
どこかに負荷をかけて、はじめて大きな利益というのは生まれるものなのだ。

ただ、自給率をとにかく上げなければ!という危機感はようやく共有できつつあるから、国産の農作物にとっては追い風には違いない。
WTOが決裂したので、とりあえずホッとした農家も多いだろう。
工業製品と引き換えに市場を開いたとしても、供給国が「食糧は外には出しません!」「ほかに売ります」となったら、関税もなにも関係ない。

工業立国から農業立国への転換といっても、状況はキューバとは違いすぎるし。でも、食べ物がなくなれば、そんなことも言ってられなくなるか。。。

とにかく食べモノを安いということで選ぶ時代は終焉を迎えつつある。
量より質が問われる前に、食べ物を確保しなければならない状況が出てくるかも。
「お客さまは神さまです」なんて遠い昔に。
「大きいことはいいことだ♪」も。

20世紀に築かれた砂上の楼閣が時代の激流にどこまで耐えられるのか。
何が残るのか。

この本には、納豆を国産大豆でつくる登喜和食品の苦労も取り上げられている。日本の食の現状を価格という面から切り込んだ挑戦的な本です。グルメ情報ばかりでなく、こういう情報がもっと必要!

posted by 風土倶楽部 at 18:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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