2008年10月15日

オオカミとイノシシとシカ

この秋は獣害に悩まされたみっちゃんたち。
昔はどうしていたんだろう・・・と思っていたら、先日、紹介したドキュメンタリー映画「オオカミの護符」の中に出てきた。

関東平野のエッジ部分にある山々には、山犬すなわちオオカミの護符を授ける神社が点在する。
かつて山あいの村々で焼畑が行われていたころ、農民たちはイノシシやシカに悩まされていた。
そのイノシシやシカを適正な数にするのが、この辺りの生態系の頂点に立つオオカミだったのだろう。
オオカミがお産した場所にお神酒や供物を捧げる産立ということもしていたとある。
護符になる前はオオカミの骨がお守りだったそうな。

オオカミといえば、恐ろしいものというイメージだったけれど、人と共生できていた時代があったということなんですねぇ。
それはオオカミに象徴される自然との共生と言い換えることもできるのかも。

なるほど・・・オオカミかあ。
イノシシの図々しさには、犬では迫力不足ですもんねぇ。
しかし、その頼りになりそうなオオカミは大正時代のころに絶滅。

かつての農民である地元の人たちは、今も、お山の神さまたちの祠を清掃し、供物をあげて大切にしている。
映画は土地の神々と結びついた今も残る百姓の心象と慣習を賛歌した内容だけれど、映し出される姿を見ながら、人間の二面性を考えずにはおられなかった。
山をはぎ、道路で分断し、オオカミを絶滅に追い込んだのも人間なら、こうして山に登り、道を清め、護符を毎年取り替えているのも人間。

何度も出てくる神事のシーンがどこか淋しい。
その後に「なおらい」という宴会が必ず催されるのだけれど、高齢者が目立つ。
護符に託された過去と現在と未来がつながりそうでつながらない。
それが今の私たちの大きな課題。

みっちゃんたちのぽんた農場についに「ししおどし」が設置された。

2008_1013katashina0003.jpg

ソラリスさん考案のものを真似てみっちゃんたちが設置したものだけれど、ちょい迫力不足は否めない。
ムジナくらいなら、驚くかな。

ネットで「ししおどし」で検索すると、ほとんど和風庭園のグッズの一つで、音に癒されるとか書いてある。
癒される面もあるけど、もっと大きなものが設置されている組長の畑で大豆を観察していたら、あることを忘れていて、音に飛び上がったことも。
そうか、シカはこうなるわけね、と納得。
この夏、ソラリスさんの畑は一度も荒らされることがなかった。
これ一つで過去と現在と未来が鮮やかにつながっている自然農の畑なんであります。

オリジナル↓

2008_0726kanzashi30034.jpg

竹といえば、映画の冒頭に今も川崎市宮前区に残る竹林を地元の老人が手入れをするシーンがあり、その方法に驚かされた。
なんと根を掘り起こし、糠を入れ、腐葉土で蔽い、土を被せる「根埋」(ねいれ)という作業をする。
こうするとほっこりしたよい筍が採れるそうだ。

筍なんて鬱蒼とした竹林から、掘り出してくればいいものと思っていたけれど、おいしい筍をいただくためには手入れも必要なのだ。
手入れされた竹林の明るく、美しいこと!
こんなに手入れの行き届いた竹林の筍はどんな味がするんだろう・・・
すぐ脇は交通量の多そうな道路で今では猫の額ほどの広さになっている。
さやさやという風に竹の葉が揺れる音も聞こえそうにない。
ラベル:農業 片品村
posted by 風土倶楽部 at 22:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 極私的観賞日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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