2008年12月08日

気になる米 その4 蒸し炊きご飯

昨日のうずめめしについての続きです。
なぜ、冷えたご飯をおいしく食べる方法だと思ったか、です。
それは食育の元祖といわれる村井弦齋の「食道楽(くいどうらく)の献立」(ランチェ叢書 角川春樹事務所刊)に蒸し炊きという「一番腐らず、味がごく軽い」というご飯の炊き方が出ていたからです。
時は村井弦齋が40代の明治36(1903)年ごろ。日露戦争勃発時期です。

DSCF9963.jpg

一晩水に漬けておいたお米を蒸籠で蒸す。
蒸したら、桶にお米を入れて、煮立った湯を注いで30分ほどフタをする。
お米が湯を吸って、膨れたら、もう一度蒸籠へ入れて蒸す。
朝一度蒸して、お湯に漬けておいて、お昼に食べるだけ出して蒸す、夜は夜で食べるだけ蒸す。
要するに温かいご飯が毎度食べられるというわけ。
二度蒸しした後は、炊いただけのご飯より長く持つ。
お客さんが頻繁に来るときは、そのたびに蒸せばいい。

この手間はとにかく温かいご飯を食べるため。
当時は保温器なんてないですもんねぇ。
蒸したご飯かあ。うるち米だから、お赤飯とは違うわけで、どんな味わいになるのかなあ。
ということでうずめめしは、冷えたご飯でも温かい汁をかければ、手軽においしくいただけたんではないかなあと。
でも、その前に客人には蒸した温かいご飯を使うでしょうから、この思いつきはイマイチですね。

この本は小説というよりも、会話形式で読みきりタイプの料理談義です。
冷蔵庫も、保温器もなかったころ、どんなふうに食材を使って料理していたのかがわかります。
これが面白い!情報量満載です。

例えば、ご飯の炭炊きの項では、「炭で炊くなら、湯炊きにしないとご飯はよくできません」とある。
湯炊きとは、お釜にお湯をグラグラ煮立たせてからお米を入れるということ。
そうなんだあ…と思いながら、はて、どんな味がするんだろうと無茶苦茶好奇心をくすぐられます。

意外にもバターを多用した西洋料理の数々を紹介しているシーンも多いです。明治時代でも、今と同じように食材の使い方や料理の仕方については関心が高かったようです。
胡桃なんて、当時も海外から輸入していて、日本のものは少なくなったなんて記述があって、ほんと、面白いです。今、あらためて食材のこと、料理のことを考え、捉えなおすのに最適で、まさに晴耕雨読のお供に必携の一冊です。
岩波文庫から「食道楽」も復刻されています。

  

 
 
ラベル:食育 食文化
posted by 風土倶楽部 at 09:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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