2006年03月31日

おばあさんの植物図鑑

先週の日曜日に森の聞き書き甲子園フォーラムに参加してきました。
今回も高校生と達人たちの熱い交感が会場に来た人たちの胸をほんわかさせたのでした。

中でも、宮崎県椎葉村の椎葉クニ子さんの迫力に圧倒されました。だいだい村の名前と苗字が同じというところからしてすごい。ほかの達人たちが、話を引き出すのに高校生たちは苦労しただろうなあと推測させられるような無口な方が多いのに比べて、クニ子さんのトークは完結明瞭のうえ、留まるところを知らず、なのであります。そう、達人は無口と決まっているわけではないのです。LJ21の活動のひとつ「東京はちみつクラブ」顧問の養蜂家藤原誠太さん然り。

koushien.jpg
身を乗り出して、植物を入れて持ち運ぶスゲの袋の説明をするクニ子さん。
エプロン姿で「これは焼畑をするときのファッションです」とも。
右隣はご主人の秀行さん。とっても無口な方です。

さて、今回ご紹介する晴耕雨読のお供はこのクニ子さんの植物の知識をまとめた「おばあさんの植物図鑑」葦書房刊です。
zukan2.jpg1995年に刊行された本なので、すでに手に取られた方も多いかもしれません。
もうとにかく身の回りの植物に関する知識の豊富さに圧倒されます。
椎葉さんご夫妻は59年間休まずに焼畑をしてこられました。
「焼畑は5500年前からの農法です。それにクワとナタさえあれば、食べ物ができる」
こう明言されるクニ子さんの力強さの背景にあるものが、この本から見えてきます。

こうしてみると、「雑草」なんかこの世にない!と痛感。
キツネノカミソリ(これは正式名称。名前からしてすごそう)という彼岸花の仲間だという毒草まで根っこをおにぎりにして食べることができるとは!
人の知恵とはすごいものです。

と、朝日新聞で173週にわたって週1回連載された記事をまとめたこの本は、ページをめくるたびにトリビアだらけです。
でも、明日、役に立たない知識ではなく、いつかきっと役に立つ、少なくとも山や里山でうろうろするのが楽しくなる、そして街の中でもふと目にした植物に話しかけたくなること間違いなし!の知恵とエピソードが満載です。


posted by 風土倶楽部 at 09:51| Comment(0) | 読書日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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