2010年08月23日

暑いことぐらい耐えられる!、という気になる本

暑い。っていうのもいやになるほど暑い。
でも、冷房のきいた部屋にいて暑いなどといっているのは贅沢このうえないことなのだ。。。と思わず反省しちゃう本を2冊立て続けに読んだ。

1冊目は、「水木しげるのラバウル戦記」
ラバウルで九死に一生を得た戦時中の話がさらっと書いてある。
当たり前だけれど、絵がものすごくうまい。
当時の現地のようすがよくわかる。
その絵にあとで解説をご本人がつけたのが本書。
敵地に近いあたりに偵察に出され、たまたま明け方見張り役だったから、陣地が吹き飛ばされたときに一人だけ生き残る。
何度も死にそうになってようやく元の陣地に帰ってきたら、「どうしてお前だけ生き残った。次は先陣を切って散るように」と命令される。

日本軍のバカバカしい価値観で命が驚くほど軽く扱われている現場で水木さんが片腕を失くしつつも生き残れたのはなぜなんだろう。
誰よりもなぐられた回数が多いというほど、軍隊で自由人を貫いたからなのか。塹壕を掘れと命令されても、掘っているフリしちゃう。おまけに南国の暮らしを心底楽しんでいた。
「若かったから、希望があった」という文章が数回出てきたのが印象的。
極限状態のなかでも、現地の土人たちと人間らしい交流をしたことも彼の命を救ってくれる。まあ、端的にいえば、水木氏はかなり図太い人です。

2冊目は「オリガ ロシア革命と中国国共内戦を生き抜いて」ステファニー・ウィリアムズ著(ソニーマガジンズ刊)

1900年にシベリアの辺境の町に毛皮商人の末娘に生まれたオリガという女性の第二次世界大戦直後までを、オリガの孫娘であるジャーナリストが調べ上げて書いたノンフィクション。

兄たちが皇帝側についてロシア革命を戦ってしまったがゆえに家族と離れ、祖国を19歳であとにしなければならず、流れ着いた先が中国の天津。
世界中がイデオロギーと資源の奪い合いでせめぎ合っていた20世紀。そのもっとも激動の時代の波にもみくちゃにされながらも、生き抜いて、最終的にイギリスのオックスフォードでオリガが天寿を全うできたのはどうしてなんだろう。天津でイギリス人と結婚したことが生き残れた最大の理由かなあ。彼女は当時の女性としてはかなりの高学歴。でも、とっても聡明でそれを振りかざすようなことはしなかった。イギリス人の夫は学歴もなく、家柄もよくなかったのに。
彼女の3人の兄たちは処刑されるなど、全員非業の最期を遂げている。

昨年、入れ込んで読んでいた五味川純平の「戦争と人間」もそうだけれど、この時代は誰が悪いとか良いとかじゃない。誰が愚かで、賢明(狡賢いも入る)だったかがポイント。そういう意味で日本はもちろん愚かだったわけ。

ニッポンは今も、愚かさが変わっていないみたいな気がする。
なんでお金の問題がすっきりしない人や、防衛問題をさんざんひっかきまわしてうっちゃった人が「気合いだ!」とかいって、また、ゾンビのように出てきて大きな顔をできるのか。それをさせる議員どもの名前をしっかり心に刻んでおかなくっちゃ。
人材がいないって悲しいことですねぇ。
幕末は人口は今ほど多くなかったのに、どうしてあんなに多くの人材を輩出できたのかしら。

生き残るためには、強い意志と運、よねぇ。
くじ運はまったくない私だけれど、この歳まで生きてこれたのは、それなりに運が強かったから、なんだろうなあ。聡明じゃないし、意志は軟弱だから、つくづく平和な時代でよかった〜。

読んでいるときは、暑さをちょっと忘れさせてくれました。ちょとだけね。






posted by 風土倶楽部 at 19:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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