2006年05月07日

「熱狂の日」音楽祭2006 今年は「女はみんなこうしたもの」を鑑賞 

今年もラ・フォルジュルネ・オ・ジャポン「熱狂の日」音楽祭2006が5月3日〜6日の4日間、東京有楽町の国際フォーラムにて開催されました。
この期間、朝から夜まで国際フォーラムの会場はクラシック音楽に満ち溢れます。有楽町駅から続くプロムナードでは、コンサートの合間にこんなふうに演奏されている様子を画面で観ながら、軽食を取ることもできます。
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昨年はベートーヴェン、今年は生誕250周年のモーツァルトづくし。どの演奏も高くても3000円ぐらいで聞けるので大人気です。
日本にも、こんなふうに日常に音楽があふれはじめてきたのかと、とてもうれしくなるイベントです。


30代の初めにロンドンを中心にヨーロッパに1年あまり滞在していたときには、日本はバブル経済の真っ只中。円高のおかげで気ままな日々を送ることができて、手当たりしだいに芝居やコンサートに出かけました。夏の風物詩ともなっているアルバートホールでの「プロムス」をはじめ、手軽な料金で一流の音楽や演劇を楽しむことができました。英国病でなんとなくくすんだようなロンドンの街並みや人々の表情とは対照的に演劇も音楽もキラキラ輝いていたのを思い出します。

日本に帰ってみると、バブルがはじけたとはいえ、まだまだ名残がたっぷりあって、オペラの料金は3万円、4万円が当たり前!それも苦労して手に入れなければならないという状態がしばらく続いていたものです。
そして、ついに昨年からこんなお洒落な音楽祭が東京でも開催されるようになったのです。バブル崩壊後、20年です。

今回、初体験したのは「ディーバ・オペラ」というとてもユニークな形式。1996年からイギリスで始まったピアノ伴奏でオペラを上演するというもの。
舞台はこんな感じで簡素なもの。
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ところがひとたび幕が開けば、ほんの300人の聴衆のために、歌手が目の前でオペラを歌ってくれるという贅沢なものとなります。オーケストラも、華麗な装置もない代わりに、歌手の生の歌声が室内に響き渡るというもので、オペラ歌手とはこれほど美しい声を響かせるものなのだと、大劇場では味わえない感動に浸ることができました。ちょっと病みつきになりそうなほどです。

この日の演目は「コジ・ファン・トゥッテ」、すなわち「女はみんなこうしたもの」という題名のオペラでした。
二組の恋人たちの男性たちが、「女はみんな浮気者」と信じる老哲学者にそそのかされ、自分たちは戦場に行ったことにして別人になりすまし(そんなことできるわけないけど)、それぞれの恋人を取り替えて、求愛し、その愛を試すという他愛のないストーリー。
が、歌詞を聴いていると(正確には字幕なので「見ていると」)、男女の愛というのはモーツァルトの時代も今も、その不確かさに変わりはなく、悩みも同じなのが可笑しい。

残された二人の女性が、戦場に行ってしまった男たちをしばらくはこの世をはかなむほど恋しく思いつつも、目の前に現れた男性の激しい求愛にたじろぎ、戸惑いながら、少しずつ「ま、こっちでもいっか」と思っていく過程がなかなか上手く表現されています。
女って現実的だから、戦場でどうなるかわからない、いつ帰ってくるかわからないオトコよりも、今、「好き、好き、あなたが好き、どんなことでもあなたのお望み次第」なーんて言ってくれるオトコの方がだんだん貴重なものに思えてくる・・・でしょ?

お互いの相手を取り替えて、結婚の祝杯を挙げるときに「すべてのことは、このグラスに沈めてしまおう」と女性たちが歌うこの歌詞、使えますよね。

「女は浮気性。○○と習性なんだから、それは必然」
○○の部分を忘れてしまいました。どなたかご存知の方、ぜひ、教えてください。聴いていたときは「なるほど!」と思ったんだけど。
この歌詞はそのまま「オトコは・・・」としてお返したいとも思いました。

最終的には試したことをばらして、要するにどっちもどっちだから、お互いに気をつけましょう、そんな感じで終わっちゃうところもすごい!

「女はみんな浮気者」という女性観が蔑視だということで長く上演されず、20世紀になってから陽の目を見た演目。
お互いに浮気者なんだからこそ、常に「好き、愛している」といい続けること、態度で示すことが互いに大切というのがコミュニケーションの基本ということなんでしょうか。

甘美な音楽の調べに乗せて、意外に人間臭いのがオペラ。そこが魅力でもあるというわけで、久々のモーツァルトを堪能しました。
「来年こそ、国際フォーラムで音楽漬けの一日を過ごすぞ!」
と、昨年も心に誓ったはずなのにやっぱり1演目だけ。
来年こそは!

posted by 風土倶楽部 at 20:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 首都圏情報&食事情&おいしいお店 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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