2006年09月09日

景気回復の波に乗っていますか?

「これまで地方は補助金漬けでたっぷりいい思いをしてきたんだから、もっとがんばらないと」
首都圏に暮らす人の口から洩れる言葉。
果たして補助金漬けでいい思いをしてきたのは地方だけなのか?
それならなぜ談合で、こんなに大手の企業から逮捕者がたくさんでるのか?
都市部に労働力を集中させたからこそ可能になった高度経済成長ではなかったのか?
輸入ものの価格に押されながら、食料を作り続け、森林を守り続けているのは誰なのか?

ここからは、勝手なことを書いているので言わせておくさという方だけ、続くへお進みください。

「夕張市は税金泥棒だ。採算も考えずに」とも言う。
そんなことを考えられていたら、日本の国はこんなに借金だらけにならずに済んだろうに。
高速道路を通って、あなたのお取り寄せ商品は今日頼めば、明日、届くのだよ、といいたい。

そういう人が、地方の活性化に一役買いたいという。
そんなふうに言う団塊の世代周辺の人々をたくさん見る。
こういう御仁に限って、数の論理で物事すべてを考えている節がある。
そして、自信満々なんである。
(全員が全員だなんて、決して言いませんよ。世代とも関係あるようなないようなですし)
その世代が来年から世の中に放出されていく。

地方のみなさま、くれぐれもお気をつけあそばしませ。
「うまく使いこなしてやろう」ぐらい、したたかになりましょう。

あーあと、なんだか憂鬱になっていたら、NHKの特報首都圏の「景気回復というけれど…中小企業は今」を見てしまった。
で、またしてもため息。
私だって、何が景気回復なのかわからない。周囲に聞いても、景気がいいと実感している人なんていない。
もっともNPOだとか、生産者だとかばっかりだから、もともとそういう枠の外にいるとも言えるけれど。

番組によると、中小企業の倒産件数が4年ぶりに増加傾向にあるという。
原油高は大手のように価格転嫁をほかにできないので価格維持だけで大変。もう努力の限界に来ている。
追い討ちをかけるように金融機関による選別がある。
地方では、量販店の進出や過疎でマーケットが空洞化している。

番組では、弁護士の人がアドバイザーで出演していて、新商品の開発、新しいルート開拓、協同仕入れなど、同業他社との統合が必要とのアドバイスだったが、そうは簡単にはいかない。それなりに投資だって必要だ。新商品を世の中に出すまでにはコストがかなりかかるはず。

空洞化に関しては、そこに暮らす人々にとって一番必要な事業を起す必要があるとも言っていた。
市民参加が必要だと。しかし、その市民がどんどん少なくなっている。だからこそ、そこに合わせた新規ビジネスをということなんだろうけれど。

この程度のことなら、誰だってわかっている。
とにかく、みんなで知恵を出し合うしかないことは確かだ。

この番組で取り上げていた例が地方なのか、途中から見たので首都圏なのかはチェックしわすれたが、地方と都市、それぞれが抱える問題は個人レベルにおいてはほとんど変わりがないと思う。
都市は過密で、周囲に大勢人がいようとも、人間関係ができているかといえば、極めて希薄だ。
過疎で、人がいなくても、互いを気遣う人間関係は存在する。

雇用のない地方。一方で都市に雇用があるといっても、正社員よりも派遣が多く、キャリアが積み重ならず、将来に夢を持てない新たなワーキングプアを生み出している。

さる会合で、委員の1人が、先日、NHKで放映されたワーキングプアの番組を見て、秋田県の事例が取り上げられていたことから、「あんな放送をしたら、東北のイメージがまた悪くなる」と述べたそうだ。
イメージで物事を語っている場合かと、この話を聞いただけで、ぞっとした。勇気を出して、この現実をさらけ出した取材対象の方に対する最大の侮辱だと思う。おまけに都市部の例だって、あったじゃないか。

都市部の人間の傲慢さ、地方の人間の被害者意識、こんなものばかりを見ていても仕方がない。
勝組とか、負け組とか、ではなく、こころ穏やかに、支えあって生きる暮らし。
どの地で、そんな社会をつくっていけるのかが、最大の課題。

10月からは「何度でもやり直しのきく社会」がめざされるようですが、
急がないと、手遅れになっちゃいますよ。
地方の自立とかいうんなら、一人前に責任も取れるようにさっさと財源も権限もうつしてしまいなさいよ。
どうせ中央で予算たっぷり使って失敗しても、誰も責任を取らないんだから。

と、もやもやしていることを一気に述べてしまいました。

どんな激動の時代にも、地域は変化を飲み込み、生きながらえてきた。
「その土地に生きた人の言葉に耳を傾けろ」
師匠の言葉を常に胸に、各地でうろうろさせてもらっています。

そして、その土地に生きている人の、「ここでこれからも生きていきたい」という思いを受け止めながら、学びながら、たまにえらそうにアドバイスしながらの日々です。
そして、ちょっぴり羨ましく思いながら。
いや、ちょっぴりでもないか。
デラシネ中年としては、かなり羨ましい。

3日前に飲んだ紫波のワインの、真の芳醇さを垣間見た気がしました。




posted by 風土倶楽部 at 13:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 日々あれこれ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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