2007年01月22日

太陰暦よりも、太陽暦よりも、自然暦とともに

koyomi.jpgこんな本を手に入れました。
ネットって便利ですね。
以前なら、古本屋を片端から訪ね歩かなければならなかったでしょうけれど、今は、古本屋のネットで検索したら、ちゃーんと手に入れられるのですから。
(本の隣にあるのは、「今週の私」で話題になっていた「ゆこう」という柑橘類です。なんのこっちゃ?の方はこちらへ)

なんと昭和18年に刊行されたものです。日新書院発行で価格は2円7銭とあります。
強い風が吹いたら、細かくなって塵になってしまいそうなほど、軽いです。
時が紙を食べてしまったみたいです。
著者は川口孫治郎氏ですが、遺稿をまとめたもので、ご本人は昭和12年に亡くなっておられます。
鳥類観察では名の知られた方のようですが、各地に赴き集められた自然暦の伝承が722も掲載されています。

私が自然暦にすごく興味を持ったのは、青森県鯵ヶ沢町の資源調査中に耳にした
「春、月の光に当たった、ブナの花は実をつけない」というものから。

目の前に満月の夜、月の光が花をスポットライトのように照らしているシーンが目の前に広がります。
花はその光にうっとりとして、実をつけるのを忘れてしまうのでしょうか。
なんともロマンチックです。
実はこの自然暦には深いわけがあるのですが、これは、また、いつか。

川口氏は、「…自然を目標にとった自然暦。それが往々却って太陰暦よりも太陽暦よりも確かなところがある。何故なれば暦での1月1日は沖縄県でも青森県でも同じ1月1日だが、沖縄県の自然の季節と青森県の自然の季節とは決して同じでないから。然るに、自然暦は其地方の自然と自然を関連させて人が見当をつけたのだから、其地方にとって確かなのは無論である」と書いています。
これが書かれたのは昭和3年2月21日夜、とあります。

52番目に出てくる
「鶴が北に向かって飛ぶと彼岸さめ」の解説には、「備前神崎郡蓮池付近のことわざ。さめは終わりの意。カラ、コロと鳴き渡るを見れば、必ず彼岸を越してゐたといふ。今や全くの史的の材料となりたり」とあります。
たぶん採取されたのは、昭和の初めごろのこと。なのに「史的の材料となりたり」ですって!

自然とは、なんとも繊細なものなんですねぇ。

みなさん!みなさんの地方に伝わる自然暦があったら、ぜひ、教えてください。
こんな自然暦がふと口をついて出る、そんなふうに自然とともにある暮らしを見つけたいです。

まさに晴耕雨読のお供にふさわしい1冊だといえます。

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posted by 風土倶楽部 at 00:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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