2007年02月23日

イラクの真実はどこに?愉快なイラク人たちとの旅

怒涛の年度末出張で先週は、愛媛ー和歌山ー熊本と5日間で駆け回ってきました。さすがに疲れた・・・。
今回の熊本は、日本NPOセンターの依頼でJICA研修「市民社会の支援」プログラムの水俣&地元学バージョンを実施するために水俣に行っていました。
今回の研修員はイラク人10名さま。

iraqushashin.jpgこのメンバーがみんなとても愉快な人たちでした。今までアテンドした中で一番楽しく過ごせたかな。平和な国だったら、どんなに楽しく、素敵なところなんでしょうね。

10人中、スンニ派もいれば、シーア派もいる、ムスリムでない人までいます。クルドの人も一緒です。
「へぇ!」を連発している私に、「キリスト教だっているよ」

iraukitty.jpg行政、NGO、テレビ局など立場もいろいろ。一番治安の悪いところからきている唯一の女性ハディーンは、戦争で親を亡くした子どもたちの世話をするNGOのマネージャーです。
キティちゃんのプリントされた服を着た姪の写真を見せてくれました。

iraumap.jpg参加者たちの出身地域。
バクダッドをはじめ一人ひとりみんな異なる地域と宗教と事情を抱えて一緒に仲良く、笑いを絶やさずに旅をしているのです。
思わず「聞いていい?毎日怖くないの?」と私。
「怖いよ」「不安だよ」
当たり前か。
でも、あまりにみんな平和な国の人みたいにのんびり、のびのびしているから思わず聞いてしまいました。

iraqkodomo.jpgお祈りタイムも、「お祈りする」というのできれいに床を掃除したのに、子どもたちの集まっているところを見つけたら交流が始まってしまって、「もう、いい」なんていい加減なところも。


ookawashashin.jpg20日は水俣川の最上流地区にある大川分校で地元の方々の手料理や村歩き、つづらによる籠づくりなどを体験してもらおうというものでした。地域にあるものを生かして地域の人たちが外の人と交流して、元気になっている様子を見てもらいました。

地元のお母さんたちは、イラク人だろうとなんだろうと日本語のままで大歓迎です。
「みなさんに会えてうれしい」を体中で表現できるってすごい!
インターナショナルです。

tenkuus.jpg

ookawabunako.jpgそんな地元の人たちに刺激されたのかなあ。
本当にみんな楽しそうで、あまりにも地元の人もイラク人たちもみんなが笑顔で、おまけに水俣の山の上にある昔の小学校で、ちょっとメルヘンチックな天国気分でした。



iraquengawa.jpg特に民家を訪問させていただいた縁側では早春の光をたっぷり浴びて、みんな大はしゃぎ。



umeboshiiraqu.jpg仏壇で先祖にご挨拶した後、神棚に手を合わせたり、
出してもらった漬物に舌鼓を打ったり。
なんと梅干が大好評でした。
似たような食べ物があるそうで、帰りに立ち寄った愛林館では梅干をご購入。

iraqhappyo4.jpg iraqshashin.jpg iraqshigen.jpg iraqhappyo.jpg
翌日、資源カードを書いてもらい、それぞれに感想を聞いたところ、ほとんど全員が自然と人の関係、村の人間関係のすばらしさや、やさしさを感じたとのこと。
先祖を大切にしていること、家の中にも外にも神様がたくさんいること、などなど。

ただ、子どもの姿を見ないことをとても不思議がっていました。
高齢化・少子化について、かなり説明をしたところ、
「子どもたちが未来のすべて。それは理屈じゃないんだ。ぼくは3人の子どもがある」「ぼくは2人」などと終わってから、何人もに言われました。

iraqushiitake.jpg iraqutanbo.jpg
左:しいたけ栽培に興味深々
右:田んぼに自生しているクレソンを味わっているところ

iraqusaka.jpg
すごく急な坂の上にある「天空」の分校。

神道について説明を求められたので、お母さんたちはうんうん言いながら説明。
「すべてのものに神さまが宿っているの」と言ったら、
「じゃあ、この学校にもか?」
「うーん、これはまだ神さまじゃないなあ。山とか、古い木とか・・・」
「でも、それは誰かが、神さまがつくったものでしょ?」
「神さまがつくったというより、ただ、そこにあるのよ」
「そこにあっても、誰かがつくったからでしょ?」
「誰もつくらない。最初からあるの」
自ずから然りって、なかなか理解してもらえない。

と思っていたら、感想のところで
「自然の見えない力があるから、大川のお年寄りたちはあんなに元気なんだね」という感想が!
それ、それ、それが神さまです。

イランとイラクの違いがようやくわかりました。
ペルシャ語とアラブ語は、同じ文字を使うけれど、聞いてもわからない、読んでもわからない関係なんだとか。
ペルシャ語はイランや○○スタンとつく国などで使われている。
アラブ語はムスリムのお祈りなどで絶対に必要なので、ムスリムの人がすべて話すと仮定すると世界で一番使われている言語だと通訳のエイボさんは言っていました。
彼はシリア人の母、アメリカ人の父で、12年前から日本にいるそうです。
シリアのインターナショナルスクールで教育を受け、アメリカに住み、日本の奥さんを持ち・・・で、話を聞いていると、どうやら軸足はアラブにあるようで、アラブのことを質問すると熱心に答えてくれました。

なかなか達者な日本語なんだけれど、ときどきこちらが話した量の倍以上アラビア語が続くとちょっと不安になる。
な、なにを伝えているの・・・?
特にアメリカが・・・なんてときには長いような気がする・・・
けっこう思っていること言っちゃったし。

iraqukago6.jpg iraqukago4.jpg iraqukago2.jpg iraqukago.jpg

籠網はとても器用でオリジナリティに富んでいて、逆に編み方を教えてくれる人も。

iraqu.jpg shashin.jpg 

彼らを見ていると、写真を撮るのが好きなのは日本人だけじゃないぞと安心してしまいました。
とにかく写真撮りまくりでした。
私もずいぶんツーショット、スリーショットに入れてもらったから、イラクでいろいろな人に見られるのかなあ。
日本のオバサンの代表として。そう考えると、楽しいけど。

なかなかハンサムなんだな。
全員6Bの鉛筆で描いたみたいだけど。

ときどきハディーンから、ブーイングが出ているところをみると、若干女性差別があるのかな?
私に対してはとても紳士的だったけれど。

研修の締めくくりとして、日本の食糧自給率が下がってしまった理由(わかりやすく外的要因なども交えて)、日本が今、地産地消をめざしてがんばっていることを伝えました。ここまでは通訳完了で、最後の最後に「外からのものに惑わされず、地域の文化を大切にして、あるものを生かして復興を遂げてください」と言ったら、通訳が入る前に拍手がきちゃいました。
「あら?まだ、通訳してないでしょ?」といったら
「言いたいことは通じたみたい」とエイボさん。
で、ちゃんと通訳したら、やはりわかっていたみたい。
妙に通じ合えてしまう人たちなのでした。
地元学がインターナショナルってこと?

戦後の復興という意味では、かつての日本と同じような状態に今あるのだから、何かアドバイスはないかという質問がきました。
うーん、戦後復興という意味では同じだけれど、こちらは資源を持たない国、あちらはみんなが欲しいものがある国、こちらは単一民族、あちらは他民族、違いがありすぎ。
彼らは、日本との共通項を何にでも見つけようとして、見つかるとすごくうれしそうにしてくれます。
リップサービスとは思えなかったです。

アレンジや講義をしてくれた相思社の遠藤さんとも、こちらの方が聞きたいことは山ほどあるのに、通訳は一人きりだし、ものすごく残念だねーと言い合っていました。
テレビや新聞では、今日も「大規模掃討作戦」などという恐ろしい話が報道されていて、そのギャップに「×○□!?」となってしまいます。

世界はどうしてこうも複雑になってしまったのかしら。
一番大切な情報が伝わらないから?
何人かはメールアドレスを持っていて、交換しましたが、さて、さて、壁はアラブ語です(笑)
エベレスト並の高い壁です。

okasantachi2.jpg

いつまでも見送ってくれた地元のお母さんたち。

イラクの復興にほんのささやかながら関われてよかったです。
たぶん大川のお母さんたちの温かいもてなしが、一番彼らの心に残るのではないかしら。
今回はJICAとしては第2回目の研修隊で、復興支援の一つとしてこれから随時、迎えていくことになるらしいです。
日本国内でいい出会いがたくさんあることが、両国にとって大きな財産になっていきますね。

みんなのもとに早く平和が訪れますように。
そうなったら、ぜひ、訪れてみたいです。



ラベル:地元学
posted by Luna at 10:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 熊本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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