2007年03月31日

神奈川県に北海道開拓団?!

先日、神奈川県相模原市某地区にて、地元学の研修を2回続けて実施してきました。
相模原市といえば、3月11日に城山町、藤野町と合併をしたばかりで人口は70万人、都心から40分程度のベッドタウンです。

まあ、首都圏だわねー、と思いながら、出向いたところ、
なんと北海道から開拓団が昭和17年ごろに入植し、開拓された地域でした!
北海道から神奈川に…ですよ!

今では、住宅地と公園と流通団地や先端企業が混在する町になっています。
さて、地元を歩いてみようといっても、見た目は普通の住宅地。
家はほとんどイマドキの建物だし…
ということで、あえて「地主」さんのお宅を訪問してみたら…

2007_0323sagamihara0024.JPGシイタケ栽培はあるし、
竹林はあるし(たったこれだけでも、たっぷりタケノコが食べられるし、根がどんどん張って困るほど)


s-2007_0323sagamihara0026.jpg堆肥は積んであるし、





s-2007_0323sagamihara0028.jpg庭には食べられる果実が盛りだくさん。

一つひとつの木に
「これはおじいさんが植えたもの」
「これは息子が生まれたときに植えたから52年目」と、物語があります。

このお宅は昭和17年に入植。
そのころ、この辺り一帯は雑木林で、
その林のことを「山」と呼んでいたそうです。
風が強くて、雪も降っていたとか。

昭和34年に水道が引かれるまでは井戸を使っていました。
この風景の中に当時の片鱗が見える・・・かな。

昭和19年に入植したというお宅は、富山から北海道に入植し、年をとったら寒いからと今度は北海道からここに入植したとのこと。
すごいエネルギー!

s-2007_0323sagamihara0033.jpgお訪ねした3軒の家にあった野菜以外の食べられる植物は、
びわ、ざくろ、梅、りんご(意外にもおいしいりんごができるそうです)、かぼす、ゆず、夏みかん、さくらんぼ、レモン、あんず、花梨、キーウィー、梨、柿、ブドウ、たらの芽、タケノコ、シイタケ…

s-2007_0323sagamihara0034.jpgそうそう、フキノトウまで顔を出していました。
ほとんどなんでもできるというわけです。
表札を見ていくと、何軒かの地主さんの一族の名前が多いこともわかってきました。
新築の家には、一族の若夫婦が住んでいることがけっこう多いそうです。

2グループのうち、地主探索班と、もう一つは家を外観から見て歩こうというもの。
時代ごとに傾向があるはず…。
面白かったのは、屋根に温水装置を今も置いた家がちらほらあったこと。
懐かしいです。

ロードサイドを車で通り過ぎる、あるいは駅の周辺を歩くだけではわからない町の見えない地図がふっと浮かびあがってきて、面白かったです。

すぐ近くにはシルバータウンと呼ぶ介護施設がかなり広い敷地に建てられています。
昭和44年ごろに、県庁の人に日参されて、「人助けだと思って売ってくれ〜」と懇願され、泣き落としにあい、地主さんが手放したものだとか。
バブルのころや遺産相続の問題などを考えると、未だにこんな庭が残っているなんてすごい!と思ってしまいました。

s-2007_0323sagamihara0031.jpg地主さんいわく
「別に野菜や果実ができなくてもいいから、農薬は使わないですよ」
まあ、そりゃそうだ。


s-2007_0323sagamihara0037.jpg無農薬レモンが庭にたわわに実る贅沢…。

それでも果樹や野菜はたいてい採れすぎて困るそうですが、だからといって、庭先に「お持ちください」などと置いておいたら、八百屋さんから文句が来たそうです。
果実も採れすぎてジャムにしたりしているそうです。
有効活用したら面白そうです。
相変わらず、食べ物がそばにあるのがうらやましい私でした。

s-2007_0323sagamihara0010.jpgそうそう、フランス人のゲイマーさんという人が開拓したワイナリーもありました。
3年前に閉鎖され、もうすぐ工業団地になるとか。

s-2007_0323sagamihara0011.jpg これは戦後すぐのワイナリーの様子。こんな時代もありました。
たまたま撮ってきた写真は緑あふれるものとなりましたが、実はごく普通の街並み。駅前なんて、なんの変哲もないチェーン店と量販店がひしめく風景が展開されています。

町の奥行きというのは、見て、聞いて、歩かなければ、わからないものですね。

私たちのルートにある家の方がお茶まで用意して待っていてくださいました。
参加された方が、
「一人で人んちの庭をじろじろ見ていたら、怪しいやつだと思われるけれど、こうしてみんなで訪ねるとお茶も出してもらえて、話も聞けて、いいねー」
とのこと。
地縁、血縁の薄い首都圏ならではの発言で、笑っちゃいました。


posted by 風土倶楽部 at 14:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 神奈川 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック