2014年02月11日

観劇日記 「さらば箱舟」「宝島」

大雪の日、吉祥寺シアターで寺山修司作の映画「さらば箱舟」が舞台化されたというので観劇。
オーストラ・マコンドーによる、約一世紀にわたる小さな村の一家の興亡を描く一大叙事詩をつづる舞台。
小さな舞台なのに出演者が80人以上。それも若い人ばかり。

映画を観ていないので比較ができない。
でも、映像に匹敵する時間経過と群衆劇を表現できていたと思う。
常に舞台上にある時計と、時を刻む「ちっ」という声。
村の日常を表現する大勢の村人たちの動き。
村の暮らしの猥雑さや混沌とした人間の臭みが伝わってきた。

近代が押し寄せてくる中、土俗的社会の人間性がどう変化していくのか。
土俗的な社会で刻まれていた時計が壊されるとき、失われるもの、再生されるものとはなにか。
それは誰にもわからない。

ラスト10分間ほど全裸で若い女優が演じたスエ。無垢な体のまま、村にできた穴に飛び込む。
「百年経ったらその意味わかる、百年経ったら帰っておいで」と叫びながら。

寺山と時代を共有していない若い人たちが、舞台で寺山戯曲でエネルギーを爆発させていることに、妙に感慨深かった。

歳だなあ(笑 
という私が、どこまで寺山を知っているかといえば、心もとないのだが、少なくとも60〜70年代の同時代を生きていたにはちがいない。

消化しきれないなあ、と劇場を出てきたら、ものすごい雪で中央線は吉祥寺で運休。総武線が30分遅れでかろうじて動いていて、あわや遭難するところだった(笑

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プロジェクト・ニクスによる「宝島」
東京芸術劇場シアターウエストにて。

池袋だから、あまり足を向けたくないけれど、この劇場の地下のシアターウエストとイーストは、大好きな劇場だ。大きさがちょうどよい。吉祥寺シアター、座・高円寺など、このキャパの劇場っていいなあ。

さて、またしても偶然だけど再びの寺山修司原作。子ども向け戯曲「宝島」を大人向けのファンタジーに替えての舞台。ゲストは、未唯(Mie)。

演者は女性ばかり。物語をけん引していく寺山とシルバー船長を演じたのが未唯。ピンクレディは、もちろんリアルタイムで知っているし、テレビではよくみていた人。初めて舞台でみて、その存在感に驚いた。彼女をこの役に選んだ人の眼力ってすごいなあ。

今日のセリフ
「なみだは人間の作るいちばん小さな海です」
寺山修司が集めた言葉の一つ。人魚姫より。
「振りむくな。後ろには夢はない」もよかったな。

寺山の言葉を伝えようという舞台だから、セリフが明瞭でよかった。
とはいえ、セリフ回しの間が微妙にずれていて、この集団のクセなのか、技術が足りないのかは?(笑
客席を巻き込んだ舞台づくりは、とても楽しかった。

テレビで時折見かけるサヘル・ローズが、例の流暢な日本語であばずれ女を演じていた。
彼女に限らず、出演している女優陣が、みな不思議な存在感を持っていて、とても面白かった。
女性ばかりという設定のみが共通項だが、純粋培養の宝塚のジェンヌたちとは違った、底しれないなにかを感じさせる役者たち。サヘルさんはじめ、今後のみなさんの活躍が楽しみ。

この演劇集団、今後もチェックしよっと。

DSC_0449.jpg


未唯さんは、おフランス料理がお好き?(笑

posted by 風土倶楽部 at 10:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 極私的観劇日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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