2015年05月03日

観劇日記 宝塚歌劇月組「1789」

関西にいたので、急に思い立って「1789」を観劇。
小池修一郎演出というのに惹かれて。

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さて、柳の下に何匹フレンチロックというドジョウがいるのでしょうねぇ。
ロミジュリが大当たりしたけれど、ナポさまはちえさまあってこそ、太陽王も。太陽は木村信司氏だったけど。

フランス革命を民衆から描いたという「1789」だけれど、民衆が主役の「レミゼラブル」のヘビーリピーターとしては、同じフランス革命でも、ちょっとだけ時代が前後するものの、くいたりない。
珠城りょうのロベスピエール、沙央 くらまのダントン、凪七 瑠海のデムーランの3人の位置づけがイマイチよくわからなかった。フランス人にとっては、坂本竜馬とか、伊藤博文とかレベルの名前だから、ある種の記号みたいな感じだろうけど。彼らと民衆の代表として扱われるロナンとの階級差の程度とか、ロナンを受け入れ、彼にパリ市民から有志を募るような重要な役目を任せたりする意味がイマイチ伝わらない。

それに反して、宮廷側がわかりやすい。なんといっても中心がマリー・アントワネットだもん(笑
そして、そのマリー役の愛希れいか(ちゃぴ)がすばらしい!
ベルばらで描かれてきたマリーではなく、心の隙間を埋めるために遊びに興じ、恋をして生きる実感を得たいという人間くさいマリーをリアルに、納得できる役としてつくりあげている。その分、フェルゼンが軽めに扱われているのが面白い。
ちゃぴ、歌が上手い!
ラストの妻として、母として、家族のために生きる決意を歌いあげるシーンに涙…
この歌を聴くだけに、もう一度観たいとさえ思った。
思わず、ちゃぴ主演でレディ・ベスみたいな宝塚を観たい!と、すごく思ってしまったほど。

イケコ、ひょっとしてレディ・ベスみたいな作品を宝塚で作りたいのかな…。
今回の娘役は、ちゃぴをはじめ、みんないつもより1オクターブくらい低い。
だから、聴きやすい。
その分、面白いことにヅカ版「1798」は、男役が普通の役みたいだった。
それは役者としては、あえて「オトコ」を意識させないのだから、優れているのだろうけれど、宝塚的にいえばどうなんだろう。
一度「レディ・ベス」を宝塚でやってみたらあ・・・(笑
エリザベートとは、また、違った女性が主役の面白い宝塚ができるかも。

群衆劇らしいのだけれど、ちょっと中途半端。歌劇5月号によると、ロナンは本来は新人が演じるような役らしい。それをトップである龍真咲(まさお)を中心に据えなければならないから、仕方がないのかも。
プログラムには、ずいぶんオリジナルを変えなければならなかったように言い訳がましいことがイケコにより書いてある。
オリジナル版が来日したときに観た「ノートルダム・ド・パリ」は、パワフルで、アクロバチックだったけれど、正直言って、また、観たいとは思わなかった。役者はうまいけれど、内容そのものにロマンを感じられなかったし、舞台のつくりに高揚感がなかった。
だから、このオリジナル版も、もっとパワフルでアクロバチックな舞台なのかもと、ふと思った。
太陽王も、ちえさまたちが、そのアクロバチックな舞台の映像を見て、「こんなんするのぉ?」と思ったとなにかで語っていたっけ。
だから、フレンチロックと宝塚は本当に相性がいいのかと疑いの目・・・

今日の感動は、ちゃぴと暁千星(ありちゃん)。
ありちゃんの立ち姿の美しさは、本当にステキ!
ちえさまレベルには、もちろん至らないけれど、これからの楽しみができた。
ダンスも、手足が長く、芯が座っていて、いとよろし。
ちゃぴと千星のシーンだけ、おお〜!と思いながら見た。
とはいえ、ありちゃんフェルゼンは、マリーのつばめだったけどね(笑
でも、この作品では、フェルゼンの存在は、そんなに大きくないから、きっとそれでいいのね。

まさおは、宝塚的でないトップの役だから、大変だったと思う。よくやっているけど、ナポさまにおけるちえさまのようになにがなんでも引っ張っていくというのではないから、作品に1本柱が立たない。
そういう作品にイケコが作り上げたのか、まさお的なロナンゆえなのかわからない。

宮廷側として悪役を一手に引き受けたペイロール役の星条 海斗が貴重な存在。
こんなに歌える人だったのね。専科入り納得だ。

オランプの早乙女 わかばは、いつものちょっと軽めの女の子ではなく、存在感のある物語の主要人物になっていた。わかばちゃん、星組のDNAをちゃんと月で広めるのだよ。

アルトワの手先の3人組みの紫門 ゆりや、朝美 絢、輝月 ゆうまの存在が、ちょっとコミカルすぎて、ロナンの抱える貧しさや虐げられた人々の痛みとの乖離がありすぎて、私には浮いた存在に思えてしまった。
アルトワが、兄であるルイ15世にかわって世の中を動かしたいという野心を持っているのだから、手下の3人があのように失敗ばかりしているコミカルな3人組みというのは、物語を軽くしてしまうのでは?
雪組の銭形がパリで出会う兵士たちと一緒に動きまわるのとは違うんだから。

美弥 るりか(みやちゃん)のアルトワ伯爵が儲け役。
そして、フィナーレに出て来るのはみやちゃん。お!ついに2番手か?と思いきや、階段降りは、凪七 瑠海(かちゃ)が2番手。
たまきちをしのぐ勢いでありちゃん。
月組、なかなかややこしいぞ(笑
そして、内部的にはスリリングそうだ。

そういうのをふむふむと思いながら観るのも、ヅカオタ的楽しみなのだ。

私は、とうに自分がヅカオタだし、オタクなるものの楽しみをとても楽しんでいるのだが、私よりも、もっとヅカオタのヅカ友が、ヅカオタだという自覚があまりないのが笑える。
先日、お茶していたら、「私って、ヅカオタだと友達に言われちゃったのぉ!」と心外そうに言うんだもんね。

ちえさまのご出演作品のDVDをすべて持っているあなたは十分ヅカオタよ。

posted by 風土倶楽部 at 14:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 極私的観劇日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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