2015年12月03日

METライブビューイング「タンホイザー」

インタビューや幕間を入れると4時間半!
絶対寝るだろうな…と思っていたんだけれど、うとうとしたのは10分ほどだけ。
あとはおお〜!と、感動の連続だった。
特にMETの音楽監督ジェイムズ・レヴァイン氏の指揮によるオーケストラの演奏が素晴らしかった。
私は、ど素人だから、あまりオーケストラまで気が付くことはないのだけれど、今回は歌唱も、もちろん素晴らしかったけれど、とにかくオーケストラによる音楽がかっちり枠組を作り、そのうえ、歌唱を導いていた。

1幕冒頭のニンフたちの愛の交歓シーンのバレエにも感動。
まるでボッティチェリの「春」のような美しさ。エロスをここまで美しく、上品に、でも、エロティックに表現できるとは!スローな動きは、鍛え抜かれた肉体があってこそできる。ダンサーたちの動きの美しさに目を奪われた。

均整の取れた肉体があふれる舞台から、一転、女神ヴェーヌスとタンホイザーの場面に。

すごいボリュームだなあ・・・声も、体も。
やはりあれだけの声量は、あのぐらいりっぱなボディでなければ出ないのよねぇ。
ど迫力。
インタビューでヨハン・ボーダー氏は、公演前には食事をしないとのこと。3時間以上の舞台なのに!
でも、あの体格!あの声量!

1幕後半にちょっとうとうと。タンホイザーはヴェーヌスベルクでの快楽に飽きて、女神の誘惑を振り切り人間世界に戻ってくる。この世界観にびっくりぽんや〜。2極なのね。快楽のある世界か、ひたすら神様やキリスト教に支配される世界の2極。このあたりが、今一つ理解しにくい。

2幕は、人間界に戻ったタンホイザーが、ヴェーヌスベルクに行く前に想い合っていたエリーザベトと再会し、愛を誓う。そして、「愛」についての歌合戦が行われる。この世界観も、ほへ〜??!
騎士は吟遊詩人でもあったらしく…みんな、歌がうまいのだ(笑
歌会には、有名な「大行進曲」とともにわらわらといろいろな人々が集まってくる。ちょっとスターウォーズのいろいろな星の星人たちが集まるシーンを連想(笑 そのぐらいバラエティに富んだメンツだった。

タンホイザーの親友ヴァルトブルクが、女性への神聖な愛を歌うのだけれど、タンホイザーは女神を讃え、快楽的な愛を支持する歌を歌ってしまう。すると、集まった人々に大顰蹙をかってしまう。そんなにみんなで糾弾しなくても〜と、今の時代だと思っちゃうんだけどね。ワグナーの時代は、こんなにストイックだったのかしら…。この価値観も、いまいちよくわからない。

タンホイザーは、ローマに行って教皇に許しをもらってこないといけない!ということになり、追放されてしまう。あわれエリーザベト。彼女一人がタンホイザーを必死にかばい続ける。
この2幕の迫力がすごくて、あら〜っ!!!と思っているうちに終わった。

3幕は、かつてタンホイザーが人間界に戻ってきた森のはずれの場所で、エリーザベトが彼の帰りを待っている。が、彼は帰ってこない。行き合わせたヴァルトブルクが慰めるが、彼を救えるのは自分だけだと思い込んでいる(実際にもそうなんだけど)エリーザベトは、命を捧げて神に彼を許してもらおうとする。「さまよえるオランダ人」と同じく女の犠牲によってオトコが救われるのだ。

戻ってきたタンホイザーは、教皇に絶対にお前は救われないと言い渡され、絶望のどん底状態。そんなら、また、女神のところに行っちゃうもんね〜とヴェーヌスベルクに行こうとするのだけれど、ヴァルトブルクが必死に止める。そこにエリーザベトの葬列が来て、タンホイザーは彼女に寄り添って、ようやく清い世界に戻り息絶える。
3幕も、あら〜っ!!!と思っているうちに終わった。

清い世界ってなに!?というのは残ったけれど。

歌舞伎も、文楽も、オペラも、価値観のずれが頭を悩ませるところなのよね。

ワーグナーは、かなり高揚感があって、ちょっとやばいと思った(笑
壮大な世界が目の前に広がってきて、ものすごくあげあげな気分になる。
クセになるかも…

ヴォルフラム役のペーター・マッティさん、好みです(笑
うふふ…
《フィガロの結婚》の伯爵のちょいワルぶり、見たかったな。



posted by 風土倶楽部 at 18:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 極私的観賞日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック