2016年04月18日

赤坂ACTシアター「グランドホテル」

気絶寸前が一瞬あったけれど、2時間5分休憩なし、かなり集中して見ることができた。
「シカゴ」タイプのミュージカルで、セリフの部分はあまりなくて、歌と回り舞台でつないでいく感じ。
いわゆる群像劇。
映画を観ておいてよかった〜。そうでないと、ついていけなかったかも。

今日は、グリーンチーム。
結末がレッドと違うということだったけれど、グリーンは映画とほぼ同じだった。映画よりも、設定がわかりやすくなっていた部分もあるし、ラストは映画よりも、ナチスの台頭をはっきりと打ち出し、時代背景を鮮明にしていた。映画では、あまりそのあたりのことは出ていなかったから、舞台版の方がメッセージ性がより強くなったと言える。

中川晃教くんがええわ〜。以前、能舞台での実験的なお芝居に出ているのを観たことがあっただけで、ミュージカルの中川くんは初めてだった。オットー役は難しいと思うけれど、とても魅力的に仕上げていた。
彼の声は、とても聴きやすい。歌詞が明瞭。オットーみたいなちょっと情けない役にも関わらず、出てくると舞台をさらってしまう。だから、ラストも、かっちり収める。恐れ入りました。

グルシンスカヤの安寿ミラさんは、とっても素敵だった。やはりトップを取った人の華は違う。
舞台の上にいるだけで、オーラが出ている。歌も、とても明瞭で、少し低めの声が好き。
華やかだけれど、陰りがみえた枯れかけの大輪の花グルシンスカヤの寂しさと誇りが交差し、適役だと思った。

樹里さんは、やはりうまいんだけれど、とても難しい歌ばかりで、ちょっと苦戦気味?
でも、舞台の生樹里さんを観たかったので満足。隠れファンなの(笑

わたるさんは、イマイチよくわからない黒天使みたいな役。オペラ座の怪人みたいなもの?グランドホテルに棲みついて、行き交う人を見つめている。
ラストにちえさまのタンゴとすごくよく似たタンゴを男爵と踊っていた。相手がクリスみたいなプロのタンゴダンサーじゃないから、ちょっと気の毒。比べたら、申し訳ないので、比べません(笑

昆夏美さんはうまいんだけれど、小さくて痩せていて、POBでブリちゃんたちの迫力を知ってしまった今、子どもに見えちゃうのが難点。愛人にと誘惑されるには子どもすぎる。映画はジョーン・クロフォードだもんなあ。もうちょっとキャスティングに配慮してほしい。昆さんの責任ではないです。

男爵の宮原くんは、これがミュージカル初出演だそうで、それならびっくり!だけど、存在感が弱い。相手が安寿さんだから、もうちょっとフックが欲しい。もっと自信を持ってもいいんじゃないかなあ。

オッテンシュラッグ医師の光枝明彦さんが、さすがベテランらしくいい味が出ていた。
地味だけれど、この役がすべると要がなくなるもんね。

全体に群像劇なので、次々と流れるように舞台が進むとっても難しい作品。出番のない役者は、舞台奥に並べられた椅子に座っている。あそこから客席は、どんなふうに見えているのかな。中程度の劇場だから、席がセンターブロックのセンターで役者の目線部分でもあり、見られているこちらも、ちょっと緊張した。

映画をベースにミュージカル化するとこうなるのね〜と感心する部分が多かった。映画ではなかった全員がそろう場面が、いきなりオープニングからあった。舞台のセットが大階段とロビーだけで構成されているのに、あるときは個々の室内になり、場面展開が早い。映画を観てない人は、どれくらいついて行けるのかな。
最近は、どうも集中力が落ちていて、ちょっと複雑になると「待って〜」みたいになっちゃう。
でも、場面展開が遅いと、眠くなる。やっかいな客になりつつあるなあ。

赤いクッションのクラッシックな椅子が多用されていて、これが1920年代の雰囲気をとてもよく醸し出していた。小道具としてはいいのだけれど、じゃあ、椅子が舞台回しの小道具としてうまく使われているかといえば…椅子の上に乗ったり、カウンターの上に乗ったりしての芝居や歌は、なんとなく違和感があった。

楽曲は、とても素敵な曲が多く、とっても楽しめた。
特にオットーが生きる希望を歌うナンバー、男爵とグルシンスカヤが恋に落ちるナンバーは、耳に残った。

POBを体験して以来、どうも迫力という点で物足りなさを感じてしまうのだけれど、これはないものねだり、なのかなあ。楊淑美先生によると英語とは発声の仕方が違うみたいだもんね。

今日は、スペシャルカーテンコールの日で(知らなかった)全員のご挨拶があった。
樹里さんの挨拶が相変わらず一番面白かった。報われない愛に千秋楽まで望みを棄てずにがんばるそうだ。
樹里さんは、とても切なく、愛の見返りを22年間も待ち続けたオンナを演じていたけれど、おささん(春野寿美礼)だとどんな感じになったのかな・・・観たかった。

「千秋楽まで、また、ぜひ来てください」をほぼ全員が口にしていた。
あまり全員が言うから、よほどチケットが余っているのか?などと思っちゃった。
1階客席は満席だったように思うけど…。

さて、10月には、この舞台でバイオハザードかあ。うふ♡
センターブロックなら、どの場所でも楽しめそう。



posted by 風土倶楽部 at 22:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 極私的観劇日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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