2017年03月02日

ブラナー・シアター・ライブ「冬物語」

恵比寿のガーデンシネマにて、ブラナー・シアター・ライブ「冬物語」を鑑賞。
たまーに英語の演劇をむしょうに観たくなる。
英語も、わからへんのに・・・変な奴だ。

30年前にイギリスに1年いたとき、観劇しまくったなつかしさがそうさせるのか?
観たくなる英語の芝居は、決まって英国のものだから。

冬物語、面白かった〜。
寝てしまうかと思ったら、ちゃんと覚醒していた。
特に1幕。シシリア王リオンディーズが嫉妬に狂い始めて、どんどん周囲の人間たちを不幸にしていく過程がスリリングで見入ってしまった。
シェイクスピアの芝居は、なにかにトチくるってしまった、憑りつかれてしまった人間が周囲を巻き込んで物語が進むのが定番だそうだ。

確かに・・・あんな人がいたら、迷惑だ。特に家族はたまったもんじゃない。
それまでラブラブしていたのに、親友が自国に帰るというのを引き留めているうちに、夫が一生懸命引き留めているから(いや、妻に、君からも頼めと言っていたはず)、妻も、熱心に引き留めていたら、「もしや二人は愛し合っている?」と嫉妬の気持ちが芽生え・・・そこからは怒涛のごとく嫉妬に狂いだす。

人間関係なんて、そんなものかもしれない。
ちょっとボタンを掛け間違えただけで、どんどん気持ちが離れていってしまう。
私は、そんな友人との関係を何度も体験している。

怒涛の1幕から、一転2幕は、王リオンディーズが引き起こした不幸の16年後。
1幕の悲劇に比べ、こちらはわりに明るい。後悔に苛まれるリオンディーズに訪れる幸せなひとときとは?

いろいろあって、最終的には和解するんだけれど、王の息子と寵臣アンティゴナスは命を落とし、帰らない。
その悲しみを一番感じるのは、ジュディ・デンチ扮するアンティゴナスの妻であるポーリーナだ。
007のMとしてもかっこいいジュディさん。ここでも、王を恐れず、一貫して王をアホだ、バカだとののしるかっこよさ。夫を失っても、大きな愛ですべてを包み込む。彼女は、「時」の化身でもあるようだ。
結局、「時」がすべてを溶かし融和させる、ということなのかな。

シェイクスピアのセリフは、登場人物の頭の中をすべてさらけだすから、わかりやすいというのを聞いたことがある。そう思ってセリフを聞いていると、確かに全部吐露している(笑 なるほどね。だから饒舌なわけね。
ちえさまが膨大なセリフで大変だったのは、このためなのだ。
目線でものを言うとか、一言で察するなんていうのはない。

面白いなあ。

英語のセリフにはリズムがあって、やはり日本語で聞いているのとまったく印象が違う。
映画だから、訳がかなり短くされているためもあるかと思うけれど、セリフが長いと感じなかった。

舞台設定は、シェイクスピアの時代のセリフはそのままに(たぶん)、時代は20世紀初頭みたいな感じだった。冒頭にフィルムでシシリア王とボヘミア王の幼少時代の仲の良さを観たりするシーンがあったから。

お気に召すままは、アメリカ人による演出。
やはりイギリス人の方が、シェイクスピアに関しては一枚上手なんじゃないかな。

posted by 風土倶楽部 at 17:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 極私的観賞日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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