2017年05月25日

東京芸術劇場シアターイースト イキウメ「天の敵」

「太陽」「太陽2068」をWOWOWで観て以来、前川知大氏とイキウメが気になって、生の舞台を絶対観るぞ!と待っておりました。

東京芸術劇場シアターイースト イキウメ「天の敵」
期待以上!面白かった〜!

完全食の求道者である長谷川卯太郎が、血を飲むことで年を取らないばかりか、病気にも罹らないことを発見。
が、代償として食べる楽しみを失う。太陽に当たるとやけどをするから、陽の下は歩けない。
自分は長生きできても、友人や協力者は歳を取り、常に孤独。
生殖機能は退化し、子どもはできない。
年を取らないから、職場に長く居づらく、まともに働けない。
それだけの負を背負ってもなお、血を飲み続ける卯太郎。
122歳にして、30代の若さを保ち続ける卯太郎の苦しみと喜びとは?

卯太郎の人生の自分語りを引き出すきっかけになるのが、ジャーナリストの寺泊。
彼はASLという難病にかかっていて、余命3年ほど。

「太陽」に引き続き、究極の選択をする卯太郎、選択を迫られる寺泊や卯太郎の周辺の人間たち。

吸血鬼みたいに殺さなくても、血をもらうだけでよいから、なんとかなるという設定が秀逸。
こういう人がたくさん増えたら、医療費がいらなくなるけれど、食文化は廃れるだろうし、子孫を作れないから、同じメンバーでずっといることになる。

最近、コズミックフロントNEXTを見て、宇宙でさえ、生死を免れないという真理が見え始めているという研究結果にえらく納得したところなので、実に面白い設定だと思った。
生死があって循環することこそ、永遠なのかもしれないなあ。

セリフがかなり面白い。
「野菜の灰汁は個性です」には吹き出してしまった。

「人生の多くの時間を食べ物に費やしている」
これは、けっこう見逃していることよね。

マクロビや菜食などの食情報を入れ込みながらも、その是非に流れないところがとてもよい。
菜食主義者の血液が太陽への免疫をつくるあたりは面白い視点。
これで卯太郎は、一つ負をクリアしてしまう。

そんな卯太郎の話を直接聞きながら、常に斜に構えている寺泊のスタンスも、すごくリアル。
口では、もうあきらめがついたと言いつつも…。

前川知大氏、すごいなあ。
設定を固めながら、そのシチュエーションの中でうごめく人物たちを的確にスリリングに浮かび上がらせていく。そして、最後に観客にゆだねられる結末。

とっても楽しかった。ああ、お芝居を見ている〜っ!という緊張感と楽しさ、ワクワク感が半端なかった。

昨夜、舞台上で本当に料理して、食べていたごぼうのバルサミコ酢と醤油の炒めものをやってみた。
美味しかった。
ごぼうは天ぷらで食べるのが一番好きだけど(笑

posted by 風土倶楽部 at 10:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 極私的観劇日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック