この本にどうやって出合ったのか思い出せない
新聞の書評?
短編小説の連作のような章だてがしてある。
どの章も、やがて小説家となる高橋光洋の放浪の人生の一幕。
その一幕ずつは、光洋が出会う世界各地のけっして豊かではない地に暮らす人々の果敢な人生への挑戦の日々でもある
光洋の目線を通して、本の中で出会う人たちの生きざまが彷徨しつつも潔い
ああ、こんなふうに潔くありたいと何度も思った。
光洋の眼差しが、温かいけれど、冷徹でもあり、でも、時にウェットで、具体的に手を差し伸べることも。
出会った人々が彼の栄養となり、小説へと昇華していく
しかし、その過程には大きな苦しみが当然のことながらあり、光洋のからだをむしばんでいく。
最終章に漂う静けさと豊かさこそ、人生に一番必要なものなんだろうなあ
光洋を心底羨ましく思った。
久しぶりに抱きしめて寝たくなる本に出会いました。
乙川さんの本をいろいろ読んでみよっと。
ちょうどコロナ危機で外出があまりできずヒマだし。
2020年03月02日
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