2007年11月22日

ALWAYS時代 いいことばっかりでもなかったみたいですよ

「とっくり」と思わず口から出たら、「タートルのこと?」と笑われてしまった。
そういえば、ベストはチョッキだったし、パンツはズポンだったっけ。


ワタシャ、ALWAYSの時代をリアルタイムで知っているんだもん。
ときどきぽろっとでちゃいます。
(リアルタイムといっても、物心がつく前ね)

あの時代、懐かしくて、人情がたっぷりあったように思うけれど、あのころ撮られた日本映画には恐ろしく暗いものもありますよぉ。

我がDVDのHDDには昭和に製作された日本映画がどっちゃり溜まっている。
なんかつかれたー、というときは映画にかぎる。
川島雄三監督の映画は、いつもずずっと引きずり込まれて、目が離せなくなってしまう。
「しとやかな獣」(若尾文子)もそうだったし、
「夜の肌」(淡島千影と新珠美千代)もそうだった…。
「雁の寺」(若尾文子)だって、「女は二度生まれる」(若尾文子)だって…。

当時は今みたいに女性の職業がたくさんあったわけではないから、どうしても銀座のホステスものが多いです。
銀座の当時の生態も、独りで生きていくことになった女の、なんとなく何かにつかまりたい気持も、よく伝わってきます。

特に「夜の肌」(1960年)は、当時の政界のイケイケぶりが興味深いです。
そこを泳いでいく淡島千影がよいです。
舞台は赤坂です。

さて、「花影」の池内淳子の妖艶なこと!
テレビで観ていたころは、お母さん役だけをやる女優さんなのかと思ってたけれど、とにかく美しいです。
佐野周二、池部良、高島忠夫、有島一郎、全員、いいかげんで女好きの手前勝手なオトコを演じています。
このお方たちも、お父さん役という印象が強かったけれど、ダメ男がとっても似合っています。
みんな、エッチです。下心満載、満開です。

オトコとオンナの本質が、じわっと描かれていて、味わい深いです。
銀座のホステスが自殺を決めて、決行するまで過去を振り返るという、かなり暗い内容。
このころの日本映画は、ときどきどうしようもなく暗い、救われないストーリーのものがある。
いきなり「終り」の文字が出てきて、「ど、どうしてくれるんだ!」というのもけっこうある。
加山雄三と高峰秀子主演の成瀬巳喜男監督最期の代表作「乱れる」も、「えっ!あっ!うっ!・・・そういうことですか・・・」で終わっちゃう。(この映画に関しては以前にも書いちゃいました

「花影」も、オトコを甘やかしすぎる女の悲しさがひしっと伝わってきて、どーなっちゃうのだ・・・えーっ、これが結末・・・そんなあ・・・と観ているうちに「終」の文字が出てしまった。

美女の厭世感は救えないなあ。
それほど女が生き難い時代だったということ?

オトコは甘やかしてはいけない。
ずるい生き物なのだ。
(もっと早くに気づいていれば…)
って、池内淳子扮する銀座の最後の女給(女給ですよ、女給!)と呼ばれているホステスに観ている間中、ずっと言ってあげたくなる映画です。

「女は二度生まれる」の芸無し芸者役の若尾文子(文子さん、この手の役か、ものすごく計算高い女の役が多いです)も、「この女、大丈夫かいなー、と思っているうちにいきなり「終」。

このころの日本映画は「暗」とクレージーキャッツや森繁久弥の娯楽映画に代表されるような「陽」の距離がやたらとあるような気がします。

「花影」は1961年の作品です。
うーん、こんな映画がわかる年頃になっちまったのねー。
因みに川島雄三監督は、筋萎縮性側索硬化症で45歳で亡くなっています。

テレビや映画のドラマは昭和30年代ごろを再現するのがこのところブームみたいだけれど、当時の映画を観れば、再現なんてしなくても、そこに昭和が息づいています。
昭和が心底懐かしくなりつつあるカレイなる日々なんである。

幕末太陽傳(昭和32年)を観ないとなあ。

それにしても、昭和30〜40年代の映画を観ていると、飲酒運転があたり前なのが気になります。
バーから帰るときに、客も、ホステスも運転しているんですよー。おいおい・・・。

ところで、先日、黒澤明の「天国と地獄」をテレビでリメイクしていたけれど、あんなにセリフまでそっくり同じにして、設定だけちょこっと変えて、何が面白いのかよくわからなかったです。
妻夫木くんは一生懸命やっていたけれど。

映画は、時代の空気感が重要な要素ですね。

posted by 風土倶楽部 at 09:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 極私的観賞日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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