2008年02月08日

「ラスト、コーション」がすごいです

趣味の話です。
アン・リー監督、トニー・レオン主演最新作「ラスト、コーション(色、戒)」(2007年度ヴェネチア映画祭グランプリ金獅子賞)を観ました!
一応、まだ、トニー・レオンのぬるめの大ファンなんで、
ロードショーに駆けつけるぐらいはせんと、とがんばって映画館へ。

2時間半、ものすごい緊張感で駆け抜けました。
日本軍占領下の上海で、日本との共存で生き抜こうとする権力側の男イー(トニー!)と、抗日に身を投じる学生一派の女スパイとの死と隣り合わせの男女の交歓。

あえて日本軍の占領の様子は風景の描写だけにとどめ、
トニー扮するイーが連日、抗日派を捕まえては拷問、処刑を行っていることを匂わせる。
その辺りの描写もほとんどいれず、トニーの表情、セリフで震撼とさせる。
この演出が余計にコワイ。
セリフ、表情、室内のセット、街の風景、すべてが緻密に計算された中で物語が進んでいく。

金獅子賞を受賞したことに加え、過激なセックスシーンがあるということで話題の映画でもある。(といっても、ごく一部でしょうけれど)このセックスシーンがエロスとタナトスのせめぎあいで、ドキドキするどころか、背筋が寒くなる。

生きている実感を唯一感じる瞬間を、本来なら絶対にお互いに認め合えない男女が共有する。
主演女優のタン・ウェイの眼差しで表現するさまざまな感情を読み取っているうちに、それはイーが彼女を見る眼差しかと錯覚させられるようなときも。
そのぐらい画面の彼女から目が離せなくなる。
いつもならトニー〜なんてうっとりして見ているはずなのに。
すごい大型新人女優です。
アジアの名優四天王の一人トニー・レオンとしっかり互角。
チャン・ツィイーにどこまで迫るか。いや、抜いてしまったですね。
「2046」のツィイーはとってもよかったけど。

ヒロインは女子大生で女優。
舞台の上で人を酔わせた快感を実生活でもイーを惑わすことで感じたいと考えたのではないか。
人は所詮、自分自身を演じているわけだから。
ヒロインにとって抗日は舞台の必然でしかなかったとも思える。
最後の決断の一言だけが彼女の真実だとしたら、なんと切ない!

幾重にも張られた伏線が、あちこちで生きてくる真に映画らしい映画でございました。
見事な傑作です。
また、観たいです。

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posted by 風土倶楽部 at 09:45| Comment(0) | TrackBack(1) | 極私的観賞日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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