2008年04月06日

「面白い」から「危機感」への10年

築地の青果商の方が開いている「やさい教室」に参加してみました。本物の食べ物のあり方から、野菜の選び方、使い方、料理の仕方まで網羅した講義でありました。

e-e-2008_0405kata0021.jpgほんの2時間ほどの講義だから、言いたいこと、伝えておきたいことが山ほどあって、でも、時間がない!そんな切羽詰ったUさんの講義に熱心に耳を傾ける参加者。
20代が7割かな。

真剣な目つきなのだ。

この熱心さは何なのか?

10年ほど前に私が生産者の話を目を輝かせて聞いていたころと何かが違う。
Uさんの思いと同じぐらい聞き手もまた切羽詰っている感じがする。

私は生産の現場のリアルさに、これほど面白いこと、確かなことがあるかと心が躍ったのだけれど、今、食に気づいた人たちは「こんなものを食べていていいのか!」から始まっているように思う。
結局、私たちが10年かけてやってきたことよりも、ギョーザ事件やミートホープ事件のインパクトの方があったのよねー、といつも思ってしまう。

単純に生命力をもった野菜の美しさ、気高さに圧倒されたっけ。
生産者の人柄がそのまま出てしまう野菜たちの表情がとにかく面白くて仕方がなかった。

当時、ナチュラルハーモニーの河名さんにいろいろ教えてもらいながら、有機栽培の野菜と慣行農法の野菜をそれぞれ瓶に入れて、放置して生命が抜けていく様子を写真に撮って掲載したりもした。ただ、ただ、面白くて。もちろん危機意識はあったけれど。

1999年の秋に出版した「食の教室 元気な野菜、食べていますか」は10年早かったのね。
「あんたねぇ、出したい気持ちはわかるけれど、こんなムックを出しても絶対売れないんだよね」と取次ぎに言われて、
「そんなことをあんたに判断されたくない」とムッとした日。
でも、結局、売れなかったんだけれど。
それ以来、私はデラシネ生活が始まり、あれから早10年。

こうやってあちこちで食のでたらめさと、本物を伝える活動が地道に始まって、みんなが考えて選択していくことで少しでもよい方向に行けば、です。
5年前にLJ21を立ち上げたと同時に始めた食話会みたいなことも、今ではたくさん開催されるようになったし、私は違うことをやる時期に来たのだわねーと思いながら、Uさんの講義を聞いていました。

違うことって?
後期高齢者医療制度、いや、長寿医療制度をなんとかせにゃあ、なーんて、ね。

味見させてもらった質のよい野菜だけを使ったお料理。
旬と旬をうまく合わせることがコツだとか。
特に感動したのがトマトとみかんのサラダ。
これはちょっとすごかったですよ。

e-2008_0405kata0009.jpg

生産の現場は、伝統に頼らず、もっと作物のことを本質から、そして今の暮らしに合わせた料理のことを勉強すれば、その先に新しい世界が待っていると思いました。

野菜だけを見つめていたころと大きく違うのは、たぶんその向こうにつくり手のこと、その先に広がる田や畑をつい思ってしまうことなんだろうなあ。

そして最後に戻ってくるのはコンクリートとアスファルトで固められた都市の風景。

さあ、「本来農業への道」シンポジウムのコメントメモを作んなくっちゃ!
350名の会場は満席の予定だそうです。

ラベル:食育 農業
posted by 風土倶楽部 at 14:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 食と農の未来 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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