2014年08月18日

宝塚大劇場「The Lost Glory 美しき幻影」「パッショネイト宝塚」

今日、千秋楽だったロスグロとパッショネイト宝塚。
初日から、もう1か月がたってしまったなんて。。。はあ、さみしい。
結局、4回観てしまった。

「The Lost Glory」の方も、歌が耳になじんでしまうと、1920年代のアメリカっぽい音楽でスタイリッシュな舞台にはなっている。
初日のショックがかなり遠いものになった。
が、やはりラストは納得できないけどね。

パッショネイト宝塚の方は、観れば見るほど、素晴らしい構成で、ちえさまと星組を堪能できる。
特に今回特筆すべきはねねちゃん。
ロスグロの方でも、信念をもち、一族に反対されようが、自分が選んだ人を愛し抜く強さをもった女性を好演。
レビューの方では、存在感がとても大きく、ちえさまと対等。
だから、二人のデュエットダンスの2回ともが、とんでもなくステキで釘付けされてしまう。
「愛の夜」の方は、この二人にしか出せないねっとりとしたエロスを品よく濃厚に(これは最高に難しい)出しているし、最後のデュエットダンスの「記憶の交換」では、一つの完成形を見せてもらっていると実感。
いつまでも見ていたいようなシーン。

どの歌も、とてもステキで、1時間のレビューがあっという間に終わってしまう。
特に好きなのが、フィナーレの曲でもある「そして愛、深い愛・・・」で始まるナンバー。

柚希礼音という稀有なスターの一番の魅力は、男役なんだけれど、そこに深く隠された母性愛だと私は感じている。それは宝塚そのもの。100年続いたのは母性が支えたから。その深い愛を感じさせる「海」のシーンは、レビューとして秀逸だと思う。カポエイラもすごいとは思う。ちえさまはじめ、全員のパワーと技術を見せつけてくれる。でも、私は、「海」からフィナーレまでの流れが大好き。何度でも何度でも観たい。

ネットでぐぐってみたら、下記のような歌詞が出ていた。
稲葉太地氏、いい仕事するなあ。

言葉はすぐに消えてしまう
記憶もやがて色褪せていく
けれど胸に燃えた炎それだけは消えずに
時を越えて受け継がれこの胸に生きるよ
それは愛 深い愛 繰り返される命の奇跡
嵐の中潰えることなく 永遠に燃え尽きぬ愛

完売チケットだけれど、東宝でもゲットできたので、また星組全員に会えると思うと、本当にうれしい。
ロスグロは、やっぱりちょっと眠くなるんだけどね(笑

3回目

DSC_1223.jpg

タグ:宝塚歌劇
posted by 風土倶楽部 at 23:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 極私的観劇日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月10日

2回目の星組「The Lost Glory 〜美しき幻影〜」「パッショネイト宝塚」

初日から、ようやく2回目の観劇。
ロスグロの方は、1回目のときのアナウンスがちえさまでなかったこと、主役じゃないことは織り込み済なので、今回は余裕。
とはいえ、やはり先の読めすぎる、ワクワクドキドキ感のない凡庸な作品で、途中ちえさまの出ていないシーンはつい眠気が襲ってくる。
あまりにゲンキンな自分に少々あきれ返る。
なので感想はなし。
アルマーニのスーツ姿のちえさまは、ますます細やかな悪を紡ぎだし、もうその悪に酔うのみ。
船上シーンだったかな(?)で、開襟のシャツを着ているちえさまの色っぽさときたら、オペラを離せず困ってしまった。あそこまで開けちゃっていいの?

パッショネイト宝塚は、2回目にして、その魅力に開眼。
最初から最後まで、目をそらすことができない。
冒頭のちえさまのソロダンスに始まり、怒涛のシーンが続いていく。
ロスグロでできなかったドキドキワクワクが全開する。
ブルーとブラウンの衣装がとっても素敵!

紅船長のお導きで訪れるジャングルでの、まさこさんイルカトッキ―を中心にしたシーンは、とにかく楽しくて、楽しくて、、、。目がいくつあっても足りない。

その後のちえさまとねねちゃんの「愛の夜」は、私が観た回はものすごく濃厚で、スミレコードは大丈夫なの?というぐらいドキドキさせられた。
こういうデュエットダンスができるのは、やはりちえねねならでは。

カポエイラも、まこっちゃんの歌声で引き込まれ、メンバーの動きに魅了され、そこに神様のちえさまが登場。どいちゃんと蹴りまわしをする。これも息をするのを忘れてみてしまうほど。

このあと、さゆみちゃんがしっとり歌い上げ、ここからフィナーレまで、あっという間。
ちえさまの太陽のシーンでは、涙が出てきてしまったほど。
細かいところは覚えていないけれど、この昂揚感は、ちえさまと星の組子たちならではのもの。
スカイステージのナウオンで、ちえさまが「星組、すごいって思った」と語っていたのを共感できた。

パッショネイトだけ、2時間半やってほしい〜。



タグ:宝塚歌劇
posted by 風土倶楽部 at 18:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 極私的観劇日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年07月27日

M&Oplaysプロデュース「鎌塚氏、振り下ろす」

面白かった。
笑えるコメディは貴重。

シリーズもので、今回は3回目。そして、東京千秋楽。
初めて観た私には、ちょっと?なところもあったけれど、まあ、そんなに複雑な話でもないから、問題なし。

「完璧な執事」鎌塚アカシ氏を中心に、アイドル女中の上見ケシキ、堂田男爵夫妻と従者スミキチはお決まりの登場人物、らしい。今回は、父親を亡くして以来引きこもりになってしまった貴族院議員中之院レイジロウの屋敷が舞台。
貴族院があるという日本の架空の時代。

堂田男爵一派が、貴族の立場をますます強固にする法案を国会で通そうとしており、中之院一派にも加担するように迫るために屋敷を訪問してくる。
レイジロウは、存在しない使用人が見えているかのようにふるまうなど奇行があり、心配したアカシは、かつてレイジロウの父に仕えたことがある父を助っ人として呼び、執事の一人にしてもらう。

肩の凝らないかるーいタッチのコメディで、緊張感もあまりなし。

完璧な執事の定義は、どうやらないようで、四角四面な感じのアカシ役の三宅弘城のイメージでよい、みたい。
なぜ、執事が主役なんだろう…。
執事を主役にするために貴族院制度がある設定になっている、みたい。
ご主人さま第一に考え、行動する執事。そこに私事がちょこちょこ入り、そこが笑いにつながっていく。
制約がないと笑いにならないもんね。

ともさかりえは、コメディエンヌとしても手なれたもの。
中盤で突如として「WOMAN」を屋根の上で歌いだすのだけれど、唐突だけれど、アイドル女中だもんねと、なんとなく納得させられてしまった(笑 

ベンガルが、またまた懐かしくて…お歳を召しましたね〜。とぼけた感じは健在。

ゲストの北村有起哉は、あまり楽しそうじゃなかった。そういう役だから?
一人だけ重い感じがしてしまった。出てきたら、笑いが起きるといった軽いタッチが欲しかったなあ。

堂田男爵夫妻と従者スミキチ。お気に入りです。
こういう役って、やっている方も楽しいだろうなあ。

「思いこみ」のエピソードが秀逸で、結局、そういうものを打破して、生きていく力にするのだというテーマがわかりやすく伝わってきた。

舞台装置がよくできていて、周り舞台をうまく使って、いくつも部屋があるように見せて、広い中之院屋敷を感じさせた。

私は、本多劇場が好き。キャパがちょうどよくて、見やすい。
本多劇場でやるなら、行っちゃおうと思う。
この作品の規模にぴったり。
これから全国を巡るこの作品。どこもけっこうキャパが大きい。
うまく活かせるのかな・・・。
コメディは、あまり大きな舞台には向かないと思う。

DSC_1169.jpg

posted by 風土倶楽部 at 21:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 極私的観劇日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年07月19日

星組「The Lost Glory 〜美しき幻影〜」「パッショネイト宝塚」

初日に観たものの、ちょっとショックで、すぐに書けなかった。
ようやく気を取り直し、また、観たいという気持ちがふつふつしたところで冷静に感想を。

The Lost Glory
急に予習がしたくなって初日のB席をゲット。手持ちのチケットが8月中旬なので、それまで我慢できず(笑
まず、最初の「本日は…」が理事の声で唖然。いやーな予感が。

DSC_1124.jpg

オセロを下敷きにしたというだけあって、ストーリーに意外性はなし。意外といえば、最後がオセロと違うところ。異なる結末にしたから、よけいにストーリーに厚みがなくなったともいえる。宝塚では、悲劇を悲劇として扱えないのか?
イヴァーノのオットーへの嫉妬心が明確でないから、ちえさまの存在がイマイチ際立たない。人事だけではねぇ。イヴァーノの生い立ちには、移民の成りあがりの妾腹というだけでほとんど触れられていないし。オットーの方は、移民でアメリカに来たときのふうちゃん母との別れの場面があるのに。
「明日のことなど誰にもわからない」という歌とセリフのフレーズが何度も繰り返されるけれど、ならば、人事だって、明日のことはわからないじゃないの。
黒い人だという前宣伝に、ショーヴランを期待しちゃった私がいけないのか・・・。

要するにグレートギャツビーの悲しみがない。大恐慌で株が暴落しているのに、なぜちえさまは資金に困らない?
新作をやらなくても、「王家に捧ぐ歌」再演でよかったんとちゃうの?
中盤にあるタンゴシーンは、この作品の一番の見せ場。ここだけは、まあまあ納得。メンバーの動きがおしゃれ。この場面のためだけに、この作品をやったのか?

残念ながら、B席からでは、ビルを模した舞台の装置がペットボトルを活用しているらしいことはわからず。というか、ちえさまが活かされてないじゃない…という思いがふつふつとする中、とても舞台装置にまで思いがいかなかった。
真風が、今回はとてもおいしい役。それ以外はしーらんのおネェ宝石商ぐらい。ふうちゃんのお母さんの歌が、とてもよかった。まこっちゃんも、しっかり脇を固めている。
ディアナねねちゃんの歌と演技がものすごくよかった。この人も、まさに退団時期。
紅は、かわいそうな役。2番手には、よくある役だけど。それでも、もう少し魅力的にやらないとなあ。
最初から、最後がわかっちゃうストーリーって、どうよ。

そして、ラスト。これから見る人が多いから、詳しくは書かないけれど、星組なのにあの〆。
ラスト7,8分は、もういい、というのが正直な感想だった。

アルマーニのスーツ姿のちえさまの立ち姿は、ひたすらかっこいい。
歌も、迫力があって、圧倒的なパワーがある。
要するにちえさまが恨みを抱く相手として理事オットーは、すでに弱いという見え方もある。
山口&石丸レベルでないと、ダメなのかも。

ナポさまは、大きな芝居を求められ、ルイは年齢の幅を求められ、今回は、微妙な感情の動きを大舞台で求められている。バウなら、わかるけれど、B席からは細かい芝居は見えないよ〜。
おまけに出番が少ない。見せ場がない。

ちえさまを堪能するつもりで行ったわれらヅカ友3人は、かなりがっかりして、終演後にヅカトーク炸裂だった。

パッショネイト宝塚
こちらは、ラテンもののショー。全員がんばっている。特に若手。今回の2作品は、次世代に見せ場を譲った感が大きい。以前のレビューだとちえさまパワー全開だったけれど、今回は真風を中心に若手の部分が大幅に増えている。ただ、紅登場シーンは、紅の今後にいろいろ不安を感じる部分多し。まあ、今に始まったことじゃないけど。風共をさせる意味がよっくわかった。あれは、まだ演技でカバーできるからだ。

黒塗りはプログラムの写真ほど黒くはないけれど、まあ、黒い。声を聴いて、あ、まこっちゃんね。という感じもなくはない。まこっちゃんは、登場シーンすべてにおいてダントツで目立っていた。歌もダンスも素晴らしい。すでにミニレオン。
話題のカポエイラは、前ふりの若手が本当にがんばっていた。今回の一番の見せ場。
ノバボサノバと比べなければ、そこそこ楽しめるラテンもの。が、どこが物足りない。私は星組のレビューなら、セレブリティやエトワールド・タカラヅカのほうが好きだし、今までみたラテンものなら月組のあさこ&きりやんのアパッショナードのほうが何度みてもワクワクする。

ナポさまも、1月3日に観たときは、どーなるのか?と思ったけれど、東宝千秋楽近くで観たときは鳥肌が立ったぐらい素晴らしかった。なので、今回も、これからどんどんよくはなっていくと思うけれど…。
昨年のロミジュリから、パワー全開だったちえさま。ここらで一息入れて、武道館に備え、退団公演…?
ちえさまは、宝塚でやりつくしちゃったんだなというのが実感だった。あとはきれいに去るのみ?

特にちえさまファンではないヅカ友たちの感想は、悪くないとのこと。
大作が続いたから、期待度が大きすぎた、のかなあ…。

DSC_1059.jpg

男役は、あと1人しか演じることはないのかも…か。
来年の今頃は、新しいちえさまを観られるのかも、ね♡

タグ:宝塚歌劇
posted by 風土倶楽部 at 09:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 極私的観劇日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月29日

観劇日記 2回目の「太陽王 ル・ロワ・ソレイユ」

2回目の「太陽王 ル・ロワ・ソレイユ」を観劇。
5月下旬は、個人的にちえ祭状態。

今日のお席は、3列目センター。斜め前あたりには北川景子さんご一行。
この席のすごいことと言ったら…。

DSC_0928.jpg

銀橋がない。
オーケストラピットがない。

すなわち舞台は、すぐそこ。3,4m先でちえさまたちが、歌い、踊ってくださる。
眼福とは、このことでございます。

客席下りなんて眼じゃない。だって、ずっと客席下りみたいなものなんだもん。

宝塚大劇場のSS席以上。
あまりの臨場感に茫然としているうちに終わっちゃった〜。
そして、ものすごく疲れた。座っているだけなのに。。。
この席をとってくれた友人に深く、深く感謝。

さて、2回目の作品は、予想通りスピード感が出てきていたし、緩急がうまくついて流れもスムーズになっていた。ただ、やはり舞台展開がひと工夫欲しい。暗転して、走り去るというのが、どうも気になる。

舞台のつくりは、今日は舞台を下から見上げるかたちになったため、宮廷の雰囲気が良く出ていると思った。
奥からセリが出てくるのだけれど、大劇場などのペガ子と違い、まあまあスムーズ。
ただ、舞台に奥行きをもたせた分、前方のスペースが狭くなっている。
ちえさまのダンスのスペースとして、ちょっと狭そうに思えた。

ちえさまは、1回目とほぼ変化なし。
若いルイから、経験を積んだルイ、そして、人間としての生き方を学んでこなかったと悩むルイ、と、ルイの変化を安定の表現力でしっかり見せていただいた。

さゆみは、メリハリが出ていた。

ゆりかは、ボーフォール公というルイとは、まったくからまず、常に独立したシーンをきちんと表現しきっていて、すごく頼もしかった。間近でみたゆりか、なかなか素敵だった。

しーらんは、かなり思い切った演技をしていて、1回目よりも、ルイの寵愛を失いたくないオンナの執念がよく伝わってきた。もうちょっと肉感的だったらなあ…なにものねだりか(笑

ラ・ヴォワザン役の夏樹れいが儲け役。やりやすい役だしね。
役が大きい割に目立たないのが、モリエール役の瀬稀ゆりと。もう少しモリエールの人間性が出るといいのになあ。説明に終始しちゃっている。

まさこさん、本当に大きいなあ。間近で見ると、ただ、ただ、「大きい・・・」
柚長が、きれいだった。今回は、冷たいお母さん役、なかなかよかった。

娘役の音程が、すべて低め。普段の宝塚の娘役が高すぎるというのもあるかも。
マリーとルイのデュエットも、低めで始まった、やはり低めで合わせていて、二人とも大変そうだった。

ふうちゃん、うまい。本当にうまい。フランソワ―ズの人間としての厚みがちゃんと表現できている。

そして、マリー・テレーズ。泣けます。りこマリーの悩みぬいた顔つき。
ルイと背中合わせに歌うナンバーの切なさ。
フランソワ―ズに悩みを打ち明けるシーン。
そして、セリフはないけれど、フランソワ―ズに託す臨終のシーン。

一番心に迫るのはマリー・テレーズ。ルイと仲良くできればよかったのに、こればかりはどうしようもない。政略結婚で来た方も地獄、政略結婚の陰で追放されたマリーも地獄、そして、心が空っぽのまま国を治めるルイのむなしさ。
ちょっと暗めのバラードでつなぐ太陽王は、じわじわと好きになっていく作品だと思う。

今回は、目の前でじっくり衣装を拝見。いつもながら見事な衣装。特に宮廷の雰囲気がよく出た色と布で、衣装を見ているだけでも楽しい。

1回目のときよりも、深く舞台に入りこめて、それぞれの心情に心を寄せることができた。
この作品の内容は、とても好き。ナンバーが似た感じのが多くて、もう少しメリハリがついたら、もっと好きになるのに。

DSC_0930.jpg

このポスター、この作品の内容とかなりかけ離れているような気がする。
ルイは、こんなギラギラした感じじゃないんだけど…。
ちえルイさまは、なんだかとってもいい王さまに思える。ちょっとだけ女性が好きな。
でも、当時としては、子孫を残すことが大きな使命だったし、江戸時代の将軍様のことを思えば、まあ、そんなものかなとも。
1回目は、スペクタクルといったイメージが先行して、いざ、舞台を観てみたら、思っていたものと違った、どちらかといえば落ち着いた作品だったので、そのギャップにうまく合わせられなかった。事前情報というのも、いいような悪いような…。

ちえルイさまが、左手の人差し指にはめている指輪がとっても気になった。
あれ、欲しい…(笑

IMG_20140527_205932.jpg

はあ、こんな目で見つめられたら、愛人になっちゃうよな〜(笑

ところで、今日、劇団の発表で、ついにちえさま武道館が実現することに。
チケット争奪戦かあ。
そして、いよいよ退団への道筋が見えてきた。
心の準備をしないと〜。

今日も、夢見心地にさせていただき、ちえさまに深く感謝です。

タグ:宝塚歌劇
posted by 風土倶楽部 at 22:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 極私的観劇日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月19日

観劇日記 星組「太陽王 ル・ロワ・ソレイユ」

ナポさまのお茶会で、ちえさまが「太陽王はすぺくたくる」とおっしゃったとか。

太陽王・・・スペクタクルじゃなかった。
ちょっとセリフが多めのミュージカルだった。

DSC_0880.jpg


DSC_0881.jpg


本日のお席。たぶん最高に近いお席。オーブは8列目から段差が出てくるから、視界極めて良好。席が重ならないから、見やすい。
宝塚大劇場、東宝ともに、この席の配置を学んでほしいと切に思う。

東急シアターオーブは、かなりりっぱな舞台設備をもっているはず。だって、あのオーシャンズ11が、このあと、上演されるのだから。なのにまったく使いこなせていない。植爺師匠とおんなじやん!

DSC_0885.jpg


ちえさまは、ちょっとお疲れ?なんだかとってもやりにくそうに見えた。
なぜなら、舞台展開がぶつぶつ途切れるのだ。流れが中断する。これって、植爺手法じゃないの。
植爺の後継者といわれるゆえんか。暗転したからって舞台の上を役者を走らせるな!主役が暗転の中、急いで舞台を横切るのはやめてほしい。
幕前芝居はさすがになっかったけれど、ベルばら、風共に共通する古臭さが気になった。

どうやらルイ14世の時代背景など、日本人が知るよしもなく、そのあたりを説明しながらの舞台になったのが大きな原因なのか。モリエール、マザランが語る、語る。だから、舞台は中断せざるを得ない。脚本の責任だわね。説明をもう少しなんとか工夫できなかったのかなあ。その点、イケコのナポさまは、さすがの処理がしてあった。

木村信司氏は、面白いものをつまらなくする名人なのか?
ヨーロッパで170万人を動員したらしいけれど、とてもそうは思えなかった。

DSC_0886.jpg


紅子の役作りがどうも中途半端に思える。
若い人は紅子が好きよねぇ。ツイッターでははまり役と言っている人がいるけれど、私はもっと面白くやれっ!と叱咤激励したい。

黒ミサは唐突。
そもそもしーらん(壱城あずさ)モンテスパン夫人が登場してから、ルイの愛人になるまでの経過がよくわからない。
しーらん、もっと色気を出せ〜!ダンスのステップが男役やん!
しーらんモンテスパンが、どの時点で黒ミサに手を出したくなるほどルイを一人占めにしたくなったのかが、「初めは遊びだった…」のセリフだけじゃ共感できない。まあ、ちえルイさまの素敵さにノックアウトされている私としては、わからないでもないんだけどね(笑

と、まずはダメだし。

ゆりか、見事に蝶になりましたね。歌もよいし、押し出しもよし。姿もよい。役のつかみ方もOK。
あんるも上手い。二人のシーンが緊張感があってよかった。

なによりも見事だったのが風ちゃん、りこ。素晴らしい。
ねねの陰で泣いていたのかもね〜。二人の場面は泣けました。

ゆりと、大変な大役、お疲れさま。じゅんこさんレベルを期待しちゃいけない。それなりにがんばってた。

ちえさま、ダメ男は似合わないなあ。女性遍歴の話だけれど、ぜんぜんエロっぽくない。やはり強いオトコが似合うのよね。でも、ロングヘアの太陽王は、とーっても素敵で目が離せなかった。客席降りで、前方通路側という素晴らしいお席で拝見していた私の傍らをお通りくださったものの、私は固まってしまった。
う、うつくしい・・・。

ナポさまと同じように、ちえさまと生徒たちの力技でなんとか成り立っている舞台だと思う。
ヅカの演出家は、生徒と、応援する客側に頼りすぎているような気がしてならない。

というわけで危惧したとおり、キムシン、やってくれましたね。
舞台展開が一つの設定を使い回すという点では、レディ・ベスと似ている。比べてみると、やはりイケコの方が圧倒的によい。イケてる。
イケコ、調子に乗っても、天狗になっても許す!(笑

DSC_0883.jpg
タグ:宝塚歌劇
posted by 風土倶楽部 at 23:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 極私的観劇日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月30日

観劇日記 「レディ・ベス」

行く予定はなかったのだけれど、ちょっと思い立って、突如、2階のA席で観劇。

DSC_0802.jpg


舞台美術が、とてもよかった。
占星術をイメージした円形の周り舞台と、頭上の星空と星座の輪。
大きな時の流れの中で必死に生きる人間たちの物語が強調される。

ヘンリー8世は、若いころ、リック・ウェイクマンの「ヘンリー8世の6人の妻たち」というLPを何度も何度も聞いたから、予習しなくても大丈夫(笑
特にアン・ブーリンは、本も読んだし、映画化されるとつい観てしまう。
まあ、刷り込みみたいなもので…。
だから、エリザベス1世がヒロインのミュージカルを、小池修一郎氏が手掛けるというので好奇心むらむら。
でも、なんとなく予感として、音楽がピントこず、触手が伸びなかった。

でも、でも、やっぱり一度は観なくっちゃ…ということで行ってみたけれど…。

予感の半分は当たっていた(笑
特に心にひっかかるナンバーがなかった。何度か観たら、口ずさめるのかな?
多くのナンバーがセリフっぽくて、音楽にしなくてもなあ…と思ってしまう。
特に冒頭、ロジャー・アスカムがヘンリーと妻たちの関係を説明するシーン。ここはセリフでよかったのでは?歌にするとわかりにくい。山口さんも歌いにくそうだった。
ロンドンで観た「レミゼラブル」や星組初演の「ロミオとジュリエット」は、観た瞬間に衝撃が走ったから、そういう類の作品じゃないなあ。

山口さん、なんだか精彩がなかった…。
アスカムという存在が、どういう人で、なにをめざしているのか明確に描かれてないから?
ご教育係だから、いつもベスに「あなたは女王になる身なのだから・・・」と説教を垂れているだけ。
もっと守る立場で活躍するのかと思いきや、ただただ説教だけ。
やさしいわけでも、厳しいわけでもなく。

ロビン役の山崎くんは、レミゼのマリウスを観たことがあって、キャラとしては似ている。
ベスが魅かれていく「自由」を象徴したお得な役。

Wキャストのメアリー・チューダーは、未来さんのを観たかったのだけれど、今日は吉沢さん。
メアリーとは、つくづく気の毒な人生を歩んだ人だというのが、実はこのミュージカルで一番感じたこと。
お母さんのキャサリン・オブ・アラゴンは、アン・ブーリンが現れたおかげで、ヘンリーの気持ちが離れてしまい、離婚されちゃう。そのため、庶子ということで父親のヘンリーに愛されないばかりか、いじめられる。
イギリスをカトリックの国にするために、反抗するプロテスタントを大勢処刑したため、ブラッド・メアリーと呼ばれてしまう(まあ、これは仕方がないけど)
同じカトリックのスペインとの絆を強くするためにフェリべ1世の息子と結婚するけれど、年上すぎて愛されず、想像妊娠までしちゃって、あげくは子宮がんで死ぬ。わずか5年の在位期間だった。

レディ・ベスよりも、メアリーの方が印象に残ってしまった。。。小池さん、これでよいのでしょうか(笑

ベスが悩むと、お母さんのアンが登場するのだけれど、アンのイメージとしてはちょっと天使すぎる(笑
実際は、かなりの野心家だったみたい。まあ、ベスに対しての母としての心情を表現しているとみれば、あの天使ムードはわからないわけではないけれど…。
今回の出演者はミュージカル界のトップスターたちばかりだけれど、その中でも抜群の歌唱力。和音美桜、すごすぎる。レミゼのフォンティーヌは和音さんが一番!だと私は思っているのだ。

平野ベスは初々しくてかわいかった。成長していくようすがよく表現されていて、身近に感じられるベスだった。小柄な人だけれど、最後に女王になるあたりでは威厳が備わっていた。

星組の「ナポレオン」も3回目ぐらいでようやく耳に馴染み、物語の深さを味わうことができたから、1回だけではなんとも言えない。が、面白いかと言われたら、まあね、だし、つまらないかと問われたら、つまらないわけじゃないけど…。
私の眠気審査は、眠りに落ちるまでにはいかなかったけれど、ちょっとうとっとしてしまうところもあった。
13:00〜14:20 14:45〜16:10 合計165分。ちょっと長いかなあ。

自らが同じ運命にさらされたとき、処刑された母親を追想し、母の苦しみや悲しみを追体験していく。
その過程が重要なことはわかるけれど、もう少し整理されてもいいような気もした。
フェリペが、ベスの運命を左右するのだけれど、ちょっと漫画的。舞台としては面白い存在だけれど、彼がどうしてベスに好意的なのかがよくわからない。メアリーより若くて、きれいだと何度も言っていたから、政治的判断ではないのか?(笑 当時の強大なスペインにとっては、イギリスの女王なんて若くてきれいならよかったのかもね。古川雄大くん、なかなかイケメンフェリぺだった。ただ、私は浦井フェリぺを観たい!

キャット・アシュリーの涼風真世さんも、さすがの安定感。ヅカOG、がんばるなあ。

とにかく今回の作品は、主役のベスが注目されがちだけれど、実際の舞台はメアリー・チューダーの出来具合によるところ大!ということがよっくわかった。
吉沢さんでも、悪くないのだけれど、「カラマーゾフの兄弟」で未来さんの実力を見せつけられたから、やはり未来さんで観たい…。ということは、もう一回行かねばならぬ?(笑

DSC_0801.jpg


posted by 風土倶楽部 at 21:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 極私的観劇日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月13日

観劇日記 月組『宝塚をどり』 『明日への指針 ―センチュリー号の航海日誌― 』 『TAKARAZUKA 花詩集100!!』

あ〜、楽しかった!
なーんにも考えずに、ただ、ただ、大劇場の空間に身を浸しているだけで、濃密なヅカワールドに溺れる。
幸せなひとときだった〜!

おまけに本日は、柚希礼音と夢咲ねね、そう!ちえねね特出千秋楽!!!

もういうことはなにもありませぬ。

ちえさまのオラオラ〜っ!も聞けたし・・・。

まさおが、4組の特出についてなかなか上手にまとめていた。
花組は、優しく広い心を、雪組からはひたすらドSに、宙組からは妖艶な中にも輝きを(だっけ?)、星組からはダイナミックにパワフルに限界に挑戦することを学びました、というようなことを言っていたっけ。

そうか、やっぱり限界に挑戦してこその、あの数々のちえさまなわけね。
まさおとのツートップ。対比が面白かった。
華奢なまさおと、存在感どかーんのちえさま。
トップ中のトップ、ですな。
会場の盛り上がり方がすごくて、地響きがするみたいな拍手だった。
カーテンコールでは、ちえちゃん、すてき〜っ!の声があちこちからかかって、まるで星組公演。

さて、まさおくん、歌はとってもうまい。なのに、なのに、どーしてあんなセリフ回しなんだ…そう、まさお節。上級生が、なぜ指摘してあげないの?
ヅカ友といつからあーなっちゃったんだ?と考えてみた。友は、スカピンのショーブランからでは?と。

うーん。。。まあ、いっか。

作品は、宝塚をどりは、和ものもなかなかいいねぇと思わせてくれた。
とにかく華やか。ただ、ボタンの精と獅子のからみ。ボタンの精は、なぜ中国仕様なのか?
ちぐはぐさが気になってしまった。

2場の輝月ゆうまのソロが、とってもよかった。彼女は、本当になにをやらせてもうまい!
たまきちたちの土佐節(だっけ?)も、楽しかった。

センチュリー号の航海日誌は、35分間でスピーディに話が進み、まさお節が〜と思っている間に終わり。
いろいろな過去の作品を取り入れていて、ファンにはそれなりに面白かったけれど、初めてみた人は?が多いかも。
ここでも、ゆうまの役に注目。ゆうまファンとしては、次はどんな顔を見せてくれるのかとっても楽しみ。

花詩集は、豪華絢爛で楽しめるのだけれど、フランス人のデザイナーによる衣裳がよかったのかどうかは、かなり疑問。単にゴテゴテしているだけに見えるものも。
もうちょっと日本的な引き算の美しさもほしかったかな。
特にバラを肩につけた赤白黒のステージ衣装は、私の好みではない。

全体にこのコテコテお衣裳は、華奢なまさおくんはとっても似合っていたけれど、ちえさまには?
あのようなファンシー系のコスチュームはイマイチ。メイクも、今日は昔に戻ったようなメイクで、ナポさまの片りんもなかった。
でも、それもちえさま、あれもちえさまだから、それはそれでよいの、ね(笑

ちょこちょこ?というのはあったけれど、あっという間の3時間。
楽しく、楽しく、ひたすら楽しく過ごさせていただきました。
フォーエバー宝塚!!!


タグ:宝塚歌劇
posted by 風土倶楽部 at 23:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 極私的観劇日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月11日

観劇日記 東京乾電池「そして誰もいなくなった」

東京乾電池「そして誰もいなくなった 〜ゴド―を待つ十人のインディアン〜」を本多劇場で観劇。

劇場って不思議。
先日、観た例のテイストの合わない劇団のときは、会場がやたらと広く感じたのに、今回も入りは同じくらいなのに舞台がすごく近く感じる。小さく感じる。
空間というのは、そのときの気分で印象が変わるのね。

東京乾電池はもっと小さい劇場の方が合うように思う。
前回の下北沢スズナリあたりの方が、今回もよかったのでは?
山手協会の地下にあった劇場での乾電池のイメージが強いからかなあ。

今回の作品は、別役実が本多劇場のこけら落とし公演のために書き下ろしたもの。
不条理劇なんて、わけわかんなくて寝ちゃうだろうな、と思って出かけたけれど、しっかり1時間50分ほど覚醒していた。

何者かにパーティだと言って呼び出された10人の某(それぞれ名前はあるけれど、それがなにを意味するのかは不明)。パーティの目的もわからず、お互いも知らず。招待者の名前は、あるものはゴド―だというし、あるものはゴード(だっけ?)だというし、要するに不確かなことの連続なのだ。
コミュニケーションを取ること、会話が成り立つことの難しさがとっても鮮明に伝わってくる。
結局、一人ひとりはそれぞれの思いこみの中にいて、そこを基準に物事を考えるから、本当のところはなにもわかっていないし、つたわっていない。で、その人が不在になって初めてその人の役割がわかったりする。

まさにSTAP細胞をめぐる現在の状況って、これかも…なんて思いながら、見ているとますます面白い。

乾電池の役者の面々の力の抜けた芝居が、また、ぴったり。
そういえば、この力の抜け方が私は好きだったんだなあ(笑

綾田俊樹さんが出ていて、懐かしかった〜。
柄本明&時生の親子出演。これは時の流れを感じさせられる。
時生くん、いい味、持っているよね。死んでいるかっこうが様になっていてよかった(笑

終了後のご挨拶で、明さんが、
「今日は初日。まあ、ね、別役さんのこんな芝居がね・・・えへへ、たくさんお客さんが来るものでもなし・・・ね。でも、観てほしいので、また、来てね」みたなことを苦笑いで言っていて、可笑しいのなんのって。確かにね。

面白かったですよ〜!




posted by 風土倶楽部 at 15:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 極私的観劇日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月02日

観劇日記 劇団☆新感線いのうえ歌舞伎「蒼の乱」

新感線のいのうえ歌舞伎「蒼の乱」を東急シアターオーブで観劇。
人気がある理由がよくわかる作品。
4時間近い公演の間中、息もつかせぬ展開で、第一線で活躍中の俳優たちが、実に楽しそうに演じている。

今回の題材は、坂東武者の平将門。将門小次郎が出世を目論んで都で公家に使えるが、その腐敗ぶりに嫌気がさし、出会った蒼真など渡来人たちと共に坂東に戻る。しかし、故郷は、叔父たちが国司とつるんで民を苦しめていた。叔父たちとの闘いの中で国司を殺したことにより、小次郎は朝廷に刃向う反逆者となってしまう。夫婦になった小次郎と蒼真は土を耕し、豊かな大地にと夢を育むが、やがて朝廷軍が押し寄せ、坂東は血の海となってしまう。嫌気がさした小次郎が姿を隠してしまい、代わって蒼真が将門御前として反乱軍を率いることに。やがて小次郎は権謀術数に長けた朝廷と公家のワナにはまり・・・

ものすごくよく練られた脚本。
震災から3年。娯楽作品の舞台を福島に置きつつ、その現状や要因に一言も言及せずに、その置かれた状況や人々の思い、中央との関係などをしっかり形にして見せるというすごい技。
やはり並みの劇団にはできないものがある。

キーワードは相馬。
これを馬と相談するという設定にしているのが秀逸だと思った。
馬と話せることが、郷土愛、自然とのつながり、地域の独自性などを端的に著している。
そして、ヒロインの名前は蒼真(そうま)
渡来人という設定が、地域にとってのよそ者、当事者ではないものという位置づけを明確にする。
渡来人だからこそ、しがらみにとらわれず、思いにまっすぐでいられる。

馬の表現の仕方がうまい!
動きが馬らしくてイキイキしていた。まさかの表現。あれは一見の価値あり。

ヒロイン蒼真役の天海祐希がめちゃくちゃかっこよかった。美しい〜!彼女のオーラも、半端ない。
昨年観た「おのれナポレオン」はストレートプレイだったけれど、今回は歌もあり。
宝塚の現役とがっつり勝負できますな、いや、勝つね。ちえさまと互角(笑 
まあ、天海のために書かれたような脚本ともいえるしね。
反乱軍のリーダーとなって戦いの先頭に立つさまは、まるでフランス革命のときの「民衆を導く自由の女神」の絵の女神のようだった。将門御前ができるのは、やはり天海だからこそ。

早乙女太一もぴったりの役柄。
松山ケンイチは、第1部は少々抑え気味だったけれど、第2部はさすが大河ドラマの主役をはっただけのことはある。朝廷に翻弄されはじめたあたりから、演じ分けがはっきりしてきて、将門像が明確になった。

平幹二郎は、もっとも得意とする物語の要を握る為政者の役。
圧倒的な存在感。
「唐版・滝の白糸」のときとは比べ物にならない。

梶原善、意外性はないけれど、手堅い謎の公家だった。
高田聖子も、高田聖子だった(笑

ラストは、怒涛のカタルシス。満席の会場は興奮の坩堝と化していた。
ラストの緑の草原と青い空が融け合う中にヒロインが立つシーンは、忘れられない瞬間になりそう。
「大地と空と風、自然と向き合い人をつなぐ心、感じとっていただけますとプロデューサー冥利に尽きます」とのサイトの挨拶にあるが、しっかり感じ取れた。見事なお手前でした。

思いを受け継いだものが、大地に根をはって生きていくのだ…それしか道はない。

内容・舞台展開とも形を変えた宝塚だと思った。ベースに歌舞伎があるのが共通した点だから、かな。
歌舞伎で使われるツケ板による音が多用される。
セリフの節目にこの音が鳴り、より印象づけるのと、舞台にメリハリをつける。
しぐさの型を音とともに決める。
宝塚も型が基本。
アニメにも、急にスポットライトが当たったり、型で画面を止めたりは多用される手法。
時折、アニメっぽいなと感じるシーンもあった。
そうやってみると、歌舞伎というのは大衆演劇の集大成なんだなあ。

シアターオーブは、今まであまりよい印象がなかったのだけれど、今回は席が1階のド・センターでよかったせいか、音響、舞台設備など、すべてにとても満足した。
料金は、ちょっと高いけどね。まあ、これだけの有名どころの俳優をそろえていたら、仕方がないかな。

太陽王の劇場下見みたいな気分で行ったのだけれど、大満足だった。
さて、次回のオーブは太陽王!!!待ち遠しい。

DSC_0706.jpg

シアターオーブからの渋谷の街の眺め。
夕暮れどきは、どんな街でも美しく見える。

DSC_0705.jpg

タグ:宝塚歌劇
posted by 風土倶楽部 at 23:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 極私的観劇日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月28日

観劇日記 4回目の「眠らない男 ナポレオン 愛と栄光の涯てに」

実は、3回観て、ちえさまは素晴らしいけれど、作品としてはイマイチだから、最後のチケットは誰かに譲っちゃおうかな…と考えていた。
ヅカ苦手の友人が、急に観てみたいなどと言いだしたため、ならば付き合うかと。

行ってよかった。観てよかった
あまりの出来の良さに興奮しました。
1か月前に観たときも、1月から思えば、ぐんとよくなっていたけれど、今回は完璧。
完成度マックスだった。

以前は、ちえさまが全員をものすごいパワーでひっぱっていっていたけれど、今回は全員がものすごい底上げになっていた。歌に感情がこもり、演技が細部にまでいきわたり、動きにムダがなく、舞台展開がスムーズ&スピーディ。全体にちえさまのレベルに、みんなが到達していて、ちえさまがすごく楽になったように思った。

特にねねちゃんの歌と演技が熟成されていて、ジョゼフィーヌという人物像がくっきり立ち上がった。
セリフやしぐさひとつでこんなにも深みが出るものなんだなあ。

紅マルモンが、すべてにおいて輝きが出ていたし、真風はますます男らしくなっていた。
全員の歌と演技の完成度がめちゃくちゃ高いうえに、舞台展開のメリハリがついて、物語そのものがすごくわかりやすくなっていました。

が、そうなるとジェラールの音楽の弱点もくっきり浮かびあがるという皮肉なことに…。
メロディーに繰り返しが多く、中途半端な音の並びが多い。彼の作品としてはロミオとジュリエットには遠く及ばない作品だと思う。
(だから、来ない?)
それをよくここまで素晴らしい舞台に作り上げたと星組全員に感動した。
宝塚100年のノウハウを結集させ、昇華させた舞台だと、観ていて興奮。
東宝で楽間近はお得感があるなあ。
ちえさま、ねねちゃん、星組子をはじめ、すべての関係者に限りない拍手を送りたいです。

同行したヅカ2回目の男性が、「柚希礼音の男に惚れた」とのこと。
こんな男性の感想を聞いたら、ちえさま、本望だろうなあ。

ヅカ苦手友人は、以前の宝塚とはずいぶん違っていることに驚いていた。
そりゃあ、星組だもん。ちえさまだもん。
ただ、フィナーレの唐突感にはついていけないらしい。
もっとナポレオンの余韻に浸っていたかったのに…とのこと。
あの部分についていけないと、今後、継続して観るのはダメかもね。
まあ、とりあえず印象は変わったみたいなのでよしとしよう。

そして、私は、ますますちえさまに魅せられている。
こんなに満足を与えてくれるお方がいるなんて、ねぇ。

「太陽王」が、ますますとっても楽しみになってきた。
なんとか1枚ゲットしたけれど、2回ぐらい行きたいなあ(笑

おっとその前に、月組特出でお会いできる。
うふふ。毎月、生ちえさまに会えるなんてし、あ、わ、せ。

DSC_0691.jpg


本日のお席。少し後方センターブロック。
このぐらいの方が全体を見渡せていいかも。
いろいろな席を体験してみると、どうやら10列目ぐらいが一番よさそう。
SS席は、ちえさまだけを追っかけるときにはいいのだけれどねぇ(笑

タグ:宝塚歌劇
posted by 風土倶楽部 at 09:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 極私的観劇日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月18日

観劇日記 雪組「心中 恋の大和路」

宝塚を2連チャンしちゃった。
梅田劇術劇場ドラマシティにて雪組「心中 恋の大和路」を観劇。

この作品は、5回目の再演で名作と名高いもの。
退団公演間近の壮一帆(えりたん)と愛加あゆ(あゆ)のトップコンビが満を持して取り組んだ注目の公演。

私は初見。
いいものを見せていただきました。

構成展開は、すでに定評があるのだから、あとは役者だけ。
演者すべてが適役で、期待にしっかり応えている舞台は、どのシーンも完成度が高かった。
汝鳥さんの父親、もう完璧!登場するだけで、舞台がひきしまる。

男役トップスターにとって忠兵衛は、かっこいいところのない難しい役のはず。放蕩息子で調子だけはいいけれど、頼りなくて、こらえ性がない。そんな男に魅入られた梅川。ささやかな幸せを夢見る遊女。ダメだけれどかわいい男と、そんな男にすがらざるを得ないかわいい女を2人が息を合わせて演じている。

1幕は、あゆっちの声がちょっと高すぎて、耳障りだったけれど、2幕はあまり気にならなくなって、ラストまで息もつかせぬ舞台となる。
あゆっちは、もう少し大人の女の色香が欲しいかな。ちょっと清純すぎるかも(笑
えりたんは、軽やかに忠兵衛を演じているのだけれど、もう少し重さがあってもよかったかな。

廓が舞台になっているけれど、すごく上品にまとまっていて、さすが宝塚!
身を寄せ合う二人のしぐさが、本当に切ない。
心中と題名がついているけれど、破滅の道を行きながらも、二人はどこかに希望を持って歩いていく。
雪の山を越えさせてあげたかったなあ…。

友人で米問屋の丹波屋を演じる未涼亜希(まっつ)。
まっつ、待ってました!
最高のまっつが観られる。
まっつの熱唱を背景に二人がさまようラストの雪山のシーンは圧巻。
この舞台は、舞台の構成とか展開がすごくよく練られているから、舞台の醍醐味を味わえる。
二人の道行きが始まるところからが、特に素晴らしく、ラストシーンは、二人の体温まで感じられるほどの臨場感を味わった。

手代役の月城 かなと。姿の美しさ、歌、演技、どれも◎!
またしても95期生。
これからが本当に楽しみなお方だわん。

録画していた1998年の公演を観て、復習してみた。
未来さんが手代で、最後のまっつの歌を歌っていた。やはり上手い!
この人は、「カラマーゾフの兄弟」でエロおやじを見事に演じていて、あれ以来、尊敬している。
レディ・ベスも、彼女が出ているから、観たいと思うほど。

汐風&貴咲コンビもステキだった。
脚本・演出の菅沼潤氏は、宝塚では寡作で、ほぼこれぐらいなのね。
舞台美術、音楽、脚本、展開、演出がとてもよいから、役者が引き立つ舞台。
まさにお稽古してきたものを存分に出せる舞台となっている。

まゆさんは、やりきった感があるけれど、えりたんは、もう少しいろいろなものに挑戦してもよかったんじゃないかなあ。ベルばらのフェルゼン編が、もったいなかった。退団公演の「前田慶次」がとっても楽しみになってきた。

yamatoji.jpg


タグ:宝塚歌劇
posted by 風土倶楽部 at 21:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 極私的観劇日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月16日

観劇日記 花組『ラスト・タイクーン ―ハリウッドの帝王、不滅の愛― 』『TAKARAZUKA ∞ 夢眩』

蘭寿とむの退団公演である花組『ラスト・タイクーン ―ハリウッドの帝王、不滅の愛― 』『TAKARAZUKA ∞ 夢眩』 を観劇。
前楽だったのでさよならコンサート付。

DSC_0556.jpg


まずは「ラスト・タイクーン」
うーん・・・なんだ、このつまらなさ。盛り上がりのなさは・・・。

まゆさん(らんとむ)のタイクーンという設定も、よくわからない。
ミナ・デービスが事故で急死し、うりふたつのキャサリン・ムーアにモンローが一目ぼれしちゃうのだけれど、そのあたりのところがわかりにくくて、もたもた。そのうちに私は、なんと寝落ち・・・。

宝塚を観ながら、初めて寝てしまった。。。

その後も、明日海りおのプロデューサー、望海 風斗のキャサリンの同棲相手のいじけた男など、中途半端なキャラクターが登場。二人は、とってもやりにくい役をよくやっていたと思う。

が、ちっともわくわくも、ドキドキもなく、だらだらと物語は展開し、ついにモンローは飛行機事故であえなく急死。実は半年もっていいぐらいの癌だったというおち。なのに飛行機に乗る前に、キャサリンに結婚しようとか言って…。

わけわかんない!と観劇後に言ったら、原作を読んでいたヅカ友いわく、「原作がそうなんだもん」

だったら、そんな原作をチョイスするな!
もしくは、そんな原作をもっと面白くアレンジしろ!
と言いたい。おまけに過去のつぎはぎ的なストーリーにしかみえない。要するに新鮮味がない。
これが退団公演なんて…。

ショーは、「夢幻」がテーマだから、なんでもありらしく、やたらと場面展開があって、キラキラしていて、それなりに楽しめた。
ケント・モリ氏の振り付けは、特にどうってことなかったような…(笑
らんとむさんのカクカクした動きが目立った程度。

みりおの美しさ、キラキラさが印象的。やはりトップに就く人なのね。
水美 舞斗、柚香 光が、目立ったかな。
その分、芹香 斗亜の影が薄くなった感じ。

さよならコンサートは、ファントムやオーシャンズ11など花組トップ時代の歌を中心に展開。
組長さんのまゆさんの下級生時代の話がとってもよかった。

らんとむさんは、やりきったんだな、というのがよっくわかった公演だった。
退団記者会見のときに退団を決意したという公演「CONGA」のナンバーがラストナンバー。
「湿っぽくならないよ!」というまゆさん。
新たな道に一歩踏み出したんだなと納得できるラストだった。

タグ:宝塚歌劇
posted by 風土倶楽部 at 22:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 極私的観劇日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年02月26日

観劇日記 3回目の「眠らない男 ナポレオン 愛と栄光の涯(はて)に」

昨夜はついにSS席!
このお席は、舞台全体を観るには不向きで、ちえさまを堪能するお席なのだということがよっくわかった。
2回目の10列目あたりの方が落ち着いて観劇できる(笑

DSC_0520.jpg


が、しかし、おかげさまで凋落シーンのちえさまの飛び散るダイヤモンドのような涙をこの目でしっかり確認。
心でしっかりその涙を受け止めてきた。

全身全霊、全力投球で毎回舞台を務めるちえさま。
指先までまったくスキがなく、その姿に涙しちゃう。
姿の美しさ、歌の素晴らしさ、セリフの明瞭さ、そして人を惹きつけてやまない華。
よくぞこのような人が、宝塚歌劇100周年に在籍したものだ。
まさに宝塚の至宝。

ちえさま率いる星組は、ほかの組となにが違うのか。
そこには宝塚の新しい100年を踏みだすなにかがあると私は思う。
ちえさまが作り上げる男役が、従来のものとどこか異なる。どこが違うというのは、まだ言葉にできないんだけど。。。

よくちえさまが言っている、男役になるのではなく、その役になる、というあたりなのかなあ。

宝塚大劇場で観劇した2回よりも、今回の東京宝塚劇場バージョンの方がセリフが少し増えて、わかりやすくなっていること。
戴冠式の場面が、ちえさまが銀橋に出てきて、より盛り上がること、
凋落シーンのペガ子(と私たち観劇グループは呼んでいる)の退場が、ムラではガタガタ大きな音がしていたのに、今回はかなり静かになっていたこと。
フィナーレの紅子と真風のダンスが、ちょこっと振付がかわっていたこと。
あたりが気がついた違い。

当たり前だけれど、全員歌がすごくよくなっていた。特に紅子。
声がすごく出るようになっていた。
真風が出番はそんなに多くないのに存在感があって、成長したなあ…としみじみ。
ねねちゃんも、本当に歌もお芝居も上手。
でも、やっぱり急にナポさまを愛していると言いだすのは違和感あるなあ。
これはねねフィーヌにはどうしようもないこと。イケコが描きこんでいないから。
マリー・ルイーズとの間の子どもを祝福するシーンで銀橋に出てくるねねフィーヌの祝福しつつも、苦しい心情がよく伝わってきた。
まこっちゃんは、歌がうまいなあ。5年後ぐらいに彼女でナポさま再演とかあるかもね。
あー、でも、そのころにはちえさまはもういない…。

でも、ときどきふと、そろそろ外の舞台をやってもらいたいと思うことも。
ちえさまは、やはりフィナーレが一番輝く。REONシリーズが一番ステキ。
たぶん次の高みが待っているはず。
荒鷲の翼を持っているのだから。
ブラームスのように孤独な翼ではなく、ね。
どこまでも飛翔してほしい。どこまでもついていくから。

キラキラに輝いているのに、どこか抱きしめたくなるような、支えてあげたくなる不思議な魅力。
まさにスーパースター、柚希礼音。

そして、そして、やっぱりすごいなあ…とひたすら感心するのが、みっちゃん、じゅんこさん、美穂さん、一樹さんの専科グループ。
じゅんこさんの最後の歌はしみる。みっちゃんタレーランのすごみ。美穂さんの迫力、一樹さんの緩急自在さ。

3回目にしてようやくナポレオンが革命を本当の革命にし、今に通じる新しい社会のかたちをつくってみせたというのが伝わってきた。舞台にメリハリができたから、そう思えたのか?それとも私には3回が必要だったのか?(笑
従来の宝塚的なるものを内包しつつ、骨太な歴史物語をよくここまで作り上げたと思う。
ジェラールの音楽も悪くはないけれど、ロミジュリには及ばない。
やはり小池修一郎とちえさま&星組子のタッグ、専科の実力、裏方陣という宝塚の総力が結集したものだからなんだろう。
こんな舞台、帝劇や日生でもできない。宝塚だからこそ!
世界中でこんな豪華で、ワクワクさせられて、じわっとさせられて、うっとりさせられて、幸せな気分で劇場を出られる舞台なんてない、ない。

この時期にファンでいてよかったと心から思う。
いいものを見せていただいています。

DSC_0521.jpg


劇場ロビーにはひな壇が飾られていた。
千秋楽までまだ1カ月もある。
ちえさま&星組子のみなさん、怪我や病気もなく無事迎えられますように。


タグ:宝塚歌劇
posted by 風土倶楽部 at 11:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 極私的観劇日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年02月24日

観劇日記 「あひる月13」

王子小劇場で福島県立いわき総合高校演劇部による「あひる月13」を観劇。いわき市に暮らす高校生の今の視点がストレートに伝わってくる内容だった。
震災前と大きく変化した町や周囲、親友との関係性、自分が描いていた未来、大小さまざまな変化を受け止めながらの戸惑い、不安、期待を感性豊かに伝えてくれた。

舞台は高校の仮設校舎のとあるクラス。2013年9月ごろのある朝。生徒たちが交わす言葉は、まさに今風で、そこいらの高校生がわいわいしゃべっている風景となんら変わりはない。クラスには「ヒエラルキー」なるものがあって、3つのグループに分かれている。そのグループの状況を要領よく一人の生徒が説明してくれる。
その要領のよいことといったら!
すんなり高校のクラスにもぐりこめた(笑

そこから一人ひとりが学校に来るまでどんな道筋を通り、なにを感じ、考えているかを語ってくれる。
芝居だからセリフなんだけれど、まるで一人の高校生が赤裸々に自分の心情を吐露してくれるような気持ちになる。

高校なんて遠い世界になっちゃったなあ。
未来が無限に広がっているようで、なにもないような気にもなったり…なにかと感じやすい多感な時期なのだ。

そんな彼らが、震災以来、否応なく変化を迫られ、事実、それまでいた環境が大きく変わってしまった。
そのキズをそれぞれが抱え、あからさまに仲間うちでさえ語らず、日々を過ごしている。
でも、キズは時々、彼らにはどうしようもないなにかを突き付けてくる。

町がどんどん暗くなっていく、育った好きだった場所の自分の記憶が遠くなっていく…悲しさ、あきらめ、苛立ち…

ところが若さのすごいところは、一番のテーマが「どうすれば隣の人を幸せにできるか」なのだ。でも、それを口に出しては言わない。キズをもてあましながら、他者との間合いを探りながら、なんとかよりよいように生きていこうともがいている。

高校生、恐るべし!の内容だった。75分ぐらいの短いお芝居で、観終わるのがもったいないと感じたほど。
会場は満席。
終わってから、階段のところで全員でお見送りしてくれて、おばさんはうるうるしちゃいましたよ。
福島弁がかわいかった〜。

DSC_0508.jpg


彼らの伝える話の中に2,3度原発作業員への言及があった。ちゃんと一つのカテゴリーになっているんだな。それも身近な。批判ではなく、一つの現実として受け止めているところに福島があり、彼らの健全性があると思った。

演劇の力も、高校生の力も、思い知らされたひとときだった。
こういう教育ができる先生の力もすごい!
彼らの未来に栄光あれ!

あひる口の缶バッチは、生徒さんたちのデザインだそうです。

DSC_0509.jpg


また、観たい!

posted by 風土倶楽部 at 12:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 極私的観劇日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年02月14日

観劇日記  宝塚宙組「翼ある人びと」

宝塚宙組「翼ある人びと」を梅田芸術劇場で観劇。

ナポさまで泣けなかった私。
でも、これではしっかり泣けました。
ブラームスが大好きで、30代のころ、ピアノ協奏曲2番を何度聞いたことか。
グレングールドによる間奏曲も。
自分の行く末に対する焦燥感に駆られていた若き日々に、ブラームスの曲でぶいずん救われた。
なので思い入れがあって、よけい泣けたのかもしれない。

「月雲の皇子」がとてもよかったので、上田久美子さんの2作目のこの作品は、すごく期待して観た。

やはりとてもよかった。

ブラームスとシューマン夫妻の関係を心のひだまで丁寧に描いた脚本。
3人の関係に加え、当時の音楽界の状況もリストやワーグナーを登場させ、とてもわかりやすい。
偉大なベートーヴェンが築いた音楽の世界を乗り越えようとする音楽家たちそれぞれの生き方、やり方があることで、ブラームスとシューマンのめざすものがいかに高い壁なのかということがわかる。

ピアノの前でベートーヴェンという高い山の頂に辿りついたとして、どうやって越えればいいのかと問うブラームス。才能をうまく使うことができないでいるブラームスに対して、一度は花開いた才能を見失いつつあるシューマンが注ぐ愛情。その夫の気持ちをわかりすぎているクララは、ブラームスの青くささをやさしく包み込む。

臨終の床で、ブラームスに頂から翼を得て、飛び立てというシューマン。
このあたりから、泣けて仕方がなかった。

そして、シューマンを失ったクララはベルリンへ。
ブラームスに対して、クララは自由と時間を失った私は作曲を続けられなかった。だからこそ、あなたは自由を失ってはダメ。音楽の道をしっかり歩みなさいと、送り出す。

30代のころ、毎日のように聴いてはいたけれど、その背景にまで思いをいたるほどの余裕はなかった。
知っていたのは一生独身だったこと。クララとの間になにかがあったらしいことぐらい。
ブラームスの音楽は、光と影の陰影が濃い。そして、その影の部分には重さが感じられる。
今回の上田作品は、この重さの部分を十分感じさせてくれる説得力があった。

交響曲第3番3楽章が、こんなにもロマンチックで切なく聴こえるとはねぇ。

まーくん(朝夏まなと)、緒月遠麻、怜美うらら、主役3人の脚本にしっかり応えた丁寧な演技。
特にうららクララの美しさは、冒頭の宝塚的オープニングのダンスだけで鳥肌もんでした。
クララがこの美しさなら、この作品はきっと素晴らしいと、この時点で確信したほど。
でも、それだけにとどまらず、うららクララは生きることのつらさや苦しみもにじませつつ、上品な色気と豊かな包容力を感じさせてくれた。大人の娘役。素敵〜!!!

愛月ひかるのリスト、澄輝さやと演ずるシューマン夫妻とブラームスを結ぶバイオリニストのヨアヒム、すみれ乃麗のルイーゼ、それぞれとても的確で、安心して観ていられた。
ベートーヴェンのようなもの?なんていう難しい(?)役の凛城きらも、よくやっていたと思う。

おかげさまで一度も眠くなることもなく、作品を堪能できた。
上田さん、このクォリティをずっとお願い!

DSC_0454.jpg


バレンタインデーだったので、出演者のみなさんによる手書きのメッセージが印刷された大きなカード(?)をもらった。
まーくんがカーテンコールで、バレンタインデーに毎年、この作品を思い出してね、と言っていました。
うん、たぶん思い出すと思う…(笑




posted by 風土倶楽部 at 22:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 極私的観劇日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年02月11日

観劇日記 「さらば箱舟」「宝島」

大雪の日、吉祥寺シアターで寺山修司作の映画「さらば箱舟」が舞台化されたというので観劇。
オーストラ・マコンドーによる、約一世紀にわたる小さな村の一家の興亡を描く一大叙事詩をつづる舞台。
小さな舞台なのに出演者が80人以上。それも若い人ばかり。

映画を観ていないので比較ができない。
でも、映像に匹敵する時間経過と群衆劇を表現できていたと思う。
常に舞台上にある時計と、時を刻む「ちっ」という声。
村の日常を表現する大勢の村人たちの動き。
村の暮らしの猥雑さや混沌とした人間の臭みが伝わってきた。

近代が押し寄せてくる中、土俗的社会の人間性がどう変化していくのか。
土俗的な社会で刻まれていた時計が壊されるとき、失われるもの、再生されるものとはなにか。
それは誰にもわからない。

ラスト10分間ほど全裸で若い女優が演じたスエ。無垢な体のまま、村にできた穴に飛び込む。
「百年経ったらその意味わかる、百年経ったら帰っておいで」と叫びながら。

寺山と時代を共有していない若い人たちが、舞台で寺山戯曲でエネルギーを爆発させていることに、妙に感慨深かった。

歳だなあ(笑 
という私が、どこまで寺山を知っているかといえば、心もとないのだが、少なくとも60〜70年代の同時代を生きていたにはちがいない。

消化しきれないなあ、と劇場を出てきたら、ものすごい雪で中央線は吉祥寺で運休。総武線が30分遅れでかろうじて動いていて、あわや遭難するところだった(笑

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
プロジェクト・ニクスによる「宝島」
東京芸術劇場シアターウエストにて。

池袋だから、あまり足を向けたくないけれど、この劇場の地下のシアターウエストとイーストは、大好きな劇場だ。大きさがちょうどよい。吉祥寺シアター、座・高円寺など、このキャパの劇場っていいなあ。

さて、またしても偶然だけど再びの寺山修司原作。子ども向け戯曲「宝島」を大人向けのファンタジーに替えての舞台。ゲストは、未唯(Mie)。

演者は女性ばかり。物語をけん引していく寺山とシルバー船長を演じたのが未唯。ピンクレディは、もちろんリアルタイムで知っているし、テレビではよくみていた人。初めて舞台でみて、その存在感に驚いた。彼女をこの役に選んだ人の眼力ってすごいなあ。

今日のセリフ
「なみだは人間の作るいちばん小さな海です」
寺山修司が集めた言葉の一つ。人魚姫より。
「振りむくな。後ろには夢はない」もよかったな。

寺山の言葉を伝えようという舞台だから、セリフが明瞭でよかった。
とはいえ、セリフ回しの間が微妙にずれていて、この集団のクセなのか、技術が足りないのかは?(笑
客席を巻き込んだ舞台づくりは、とても楽しかった。

テレビで時折見かけるサヘル・ローズが、例の流暢な日本語であばずれ女を演じていた。
彼女に限らず、出演している女優陣が、みな不思議な存在感を持っていて、とても面白かった。
女性ばかりという設定のみが共通項だが、純粋培養の宝塚のジェンヌたちとは違った、底しれないなにかを感じさせる役者たち。サヘルさんはじめ、今後のみなさんの活躍が楽しみ。

この演劇集団、今後もチェックしよっと。

DSC_0449.jpg


未唯さんは、おフランス料理がお好き?(笑

posted by 風土倶楽部 at 10:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 極私的観劇日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年02月01日

観劇日記 FUKAIPRODUCE羽衣「女装、男装、冬仕度」

座・高円寺でFUKAIPRODUCE羽衣「女装、男装、冬仕度」を観劇。

この劇場の大きさはちょうどいいなあ。
舞台は1幕もので、登場人物分の墓標が舞台の奥にずらっと横に並んでいる。
始まりと同時に、天井から雪に見立てた紙吹雪が絶え間なく落ちてくる。
照明に照らされて、まるで生きもののように変則的な動きをしながら、落ちてくる。
最初から最後まで落ち続ける雪。
舞台に常に動きが出ること、冬の季節感があることなどから、演出としてとてもうまいと思った。

そこに現れるのがバイクに乗ったカップル。
雪道を危ない運転をしながら、バイクを飛ばしているカップルの疾走感がすごくよく出ていた。
ここで、お!なんだか楽しそうな舞台じゃないの、とかなり期待。

その後、墓場でセックスをしようとやってくるカップルのやりとりがあって、小学校の雪合戦のシーンへ。
雪合戦をきっかけに小学生同士の淡い恋模様が軽快に展開。
全員が舞台に出てきて、躍動感にあふれる歌とダンスで盛り上げる。

ここらあたりまでは、なんて楽しい舞台なんだ!と思っていたんだけど…。

このあと、ピンサロでの客の男と、ホステスのやりとりで急に舞台のスピード感がなくなり、眠気が襲ってきた。妙にリアルにホステスの男へのサービスを展開していくんだけれど、この必然がぜんぜんわからず。
小劇場系というのは、どうしてこういうシーンを入れたがるのかなあ。
セックスは人間を表現するうえで欠かせないアイテムだとは思うけれど、この舞台にこれが必要だったのかな。

舞台展開のスピードも失墜。
急につまらなくなって、とにかく眠気と闘う。
原因は、舞台展開のパターンにもある。
大勢でダンスして、歌って、一つのカップルが物語的な芝居をする。
このパターンが繰り返される。
オリジナルの音楽は、とても聞きやすく、メロディアスなものなのだけれど、残念なことに歌詞が明瞭でない。この劇団は、この芝居を「妙−ジカル」という言い方をしているが、それで逃げない方がいいと思うなあ。歌詞を明確に観客に届けることが重要。そうでないと興味も半減しちゃう。すなわち集中力が落ちる。

後半はタイトルとおり、女性と男性が服を舞台で交換して、男装と女装になる。
そして、再度、前半部分の芝居を同じように演じる。
これがぜんぜん面白くなかった。
服を取り変えただけに終わっていたからでは?

観客を楽しませることと、創り手たちがやりたいことを融合させるのは難しい。
演者たちが、とっても楽しそうなのが気になった。
振りとか、なかなか工夫していて、視覚的に楽しめるのにもったいない。
1時間ぐらいなら、すごく楽しい舞台だったけれど、2時間になると飽きちゃった、のは私だけかな?(笑

まあ、このところ、サービス精神に富んだ宝塚を観る機会が多いから、どうしてもないものねだりになりがちなのよね、きっと。

posted by 風土倶楽部 at 18:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 極私的観劇日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年01月20日

観劇日記 2回目の「眠らない男 ナポレオン 愛と栄光の涯(はて)に」

こんな舞台景色のお席で観た。どセンター。
お、おぺらが、ほとんど必要ない…。
ちえさまがまっすぐこちらを見て、歌ってくださる。神々しくて心の中で拝んじゃった。

DSC_0378.jpg


さて、3日と比べてだけど、
・全員歌が格段にうまくなっていた〜!特にさゆみ(紅ゆずる)。声が出ていた。発声方法を変えた?

・戴冠式が1分ほど長くなって、上手にはけていた。ナポさまの豪華な靴をチェック!キラキラしていた。

・マルモンの雪合戦のあとのセリフが増えていた。
 負けそうな戦がどうたらのセリフが、ちょっとプラスされていた。あとの裏切りの伏線ですな。

・フィナーレの紅&真風のダンスは・・・どうして真風だけでやらなかったのだろう、という疑問が改めてふつふつと。。。さゆみは、その前にソロを歌っているんだから、ここは真風一人でよかったのでは?

<新たに気が付いたこと>
・ウジェーヌがナポさまから剣をもらうときの歌と最後のマルモンの歌が対になっていること(前回、気づかず…とほほ) ウジェーヌまこっちゃん(礼真琴)がナポに父と話せば、きっとわかりあえたと歌う。じゅんこさん(英真なおき)老マルモンが、てんてん(天寿光希)ナポ2世に向かって、きっとあなたがナポと話したら、すばらしい人だったと思うよと歌う。じゅんこさんも、まこっちゃんもうまい。ラストの老マルモンの歌でちょこっと泣けた。

・じゅんこさんのマルモンがうまい!だから、紅のマルモンがますます別人なんだけど。相変わらず存在感がない。ちえナポ(柚希礼音)やねねフィーヌ(夢咲ねね)など以外は、いずれの役も、存在感を出せる場面はかなり限られていてる。でも、タレーランにしても、真風にしても、それぞれはそんなに長い時間をもらっているわけじゃないけれど、存在感はあるからなあ。

執務室でマルモンが叱られるところも、単に叱られるだけ。マルモンの存在がイマイチわかりにくい。ナポさまを先輩として慕っている。でも、出世は遅れる。戴冠式には重要な役割を与えられない。なぜ?というのをイケコが描き込んでいないせいもあると思う。だから、さゆみちゃんの責任だけじゃない。なんだか損な役だな。

・注目のイケコ振り付けのラブシーン、くらくらした。こだわっただけのことはある(笑

・マリー・ルイーズへのナポさまのキスが、普段レオンがしないタイプのキスで、ちょっと萌え。

・ねねフィーヌがナポさまを愛していると言い出すのが、やっぱり唐突。手紙が来なくなる、イポリットにお金を要求されるというのがきっかけなのかなあ。。。

・500人会議のあたりが、やはりちょっとわかりにくい。まあ、わかったところでどうでもいいけど。

・ラストの退位のときの机の引っこみ方が相変わらず不自然。すごく重要なシーンなのに、机はガタガタしながら音をたてて引っこむ。セリフにかぶっている。おまけに後ろで音がしている。あれはなんとかした方がいいと思うけどなあ。一番気になった、というか、気が散った。せっかくナポさまがつらい心境を語っているのに。

・みっちゃん(北翔 海莉)、レティツィア美穂さん、すばらしい。特にみっちゃん。うますぎる。みっちゃんタレーランあってこそ、じゅんこさん老マルモンあってこそ、のナポ公演ですな。

napo2.jpg ちえナポさまは、もうすっかり余裕が出ている。歌はますますパワーアップしている。エネルギーが有り余っている感じ。イケコ(小池修一郎氏)が次から次へと難しいことをさせたがる気持ちがわかる気がする。今回も、クリアしちゃったもん。ナポレオンの感情の細やかな表現はさすがです。どうしてあんなに指先まで丁寧に伝えることができるのか。ショーブランで開眼したとのことだけれど…。


napo3.jpg でも、やっぱりフィナーレのダンスをしているちえさまが一番好きだわん。後姿でせりあがってきて、振り返ったときのキラキラ輝くひとみが大好き。REONVに期待。



2回目みて、やはりなにが描きたかったのか、はっきりしない。ロミジュリだと、争いの無意味さを明確にメッセージとして出している。でも、ナポはナポの業績を称えるわけでもなく、ジョゼフィーヌとの愛を謳いあげるわけでもない。ナポレオンが整えた社会のおかげで誰かがハッピーになったというのが描かれていればわかりやすいんだけど。
ナポの生き方といわれても、年代記で「嵐のように駆け抜けた男」というだけ。やはり、ちえさまのかっこよさを観るための公演かあ。私的には、それで十分なんだけど(笑 
ちえナポあて書きで、それに100周年らしい豪華さをプラスした、そんな感じなのかな?
それが最大のイケコからのメッセージ?

ナポレオンは、評価が難しい人物だから、それなりにバランスよく描かれている。けれど、だからこそ説明的になってしまった感が否めない。
とにかくジェラールがわかる人物で、取り組む気になる題材がナポレオンということだったのかな?(笑

2回目も、ちえさまがお元気で光輝いておられるのを観て、とっても満足でございました。
特にフィナーレの銀橋で、満面の笑みをいただき、幸せでした。
公演が終わり、ほっとしたときの、あの女の子顔に戻った笑顔を観ると一緒に笑顔になっちゃう。

やはり今回の公演は、ちえさまのちえさまによる、ちえさまのための100周年公演だわ〜。
ほんとに、ほんとに素敵すぎるちえさまなのだ。

napo.jpg




タグ:宝塚歌劇
posted by 風土倶楽部 at 21:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 極私的観劇日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年01月15日

観劇日記 Tribes

新国立劇場小劇場で「Tribes」を観劇。

サイトによると、
「『Tribes』は、先鋭的な作品を数多く生み出すことで世界的に有名なロンドンのロイヤルコート劇場で、2010年10月に初演された作品です。その後、オフ・ブロードウェーでも上演され、高い評価を得ています。

耳の不自由な末子ビリーは、初めてできた魅力的な彼女シルビアを家族に紹介するが、その彼女も実は耳が不自由だった。これをきっかけに家族間に不協和音のさざ波がたちはじめる。

現代の家族像を「言葉」という現象をひとつのカギにして、親しかったはずの人たちのコミュニケーションの危うさが、繊細なセリフと表現(手話)で描き出されていく、刺激的な一作です」


自分のことだけをがなり立てる両親、兄、妹の中で、一人静かにいるように見えるビリー。
外で出会ったシルビアに手話を教えられ、世界が広がる。
その世界に夢中になるビリー。

家族の会話を聞いているうちに、私たちのいる世界は、こんなに騒々しいのかと思った。
テレビを付けっぱなしにしていると、世界とつながっているような気になるけれど、実は思っているほどつながっていない。それと似ているのかも。会話をしているようでしていない。先日の「かもめ」も、同じようなテーマだったっけ。

シルビアも難聴者だけれど、症状が進行している状態。
ビリーが新しい世界だと思ったところは、シルビアにとってはすでに馴染みのある世界で、その世界でしか生きていけなくなる恐怖を抱えている。

その恐怖は、いつか誰もが到達する高齢者の世界とどこかでつながっているような気がした。
どんな世界に身を置いていくのか。それを自分で決めていくのが生きる力なんだろう。
ビリーは、その力を持ったばかりで、まだぎこちない。

2幕の行き先が見えず、固唾を飲んで舞台の進行を見守った。
最後に兄が「愛していると手話でどうやるのだ」とビリーに問い、ビリーが手話を教えるが、兄はビリーを抱擁する。その抱擁を解いて、ビリーは客席へと消えていく。

結局、わかりあえないまま、なのか、わかりあえても、人は孤独なのか。
もやっとしたラストだった。

兄は、弱者のビリーという存在があるから、自己を保っていられる。ビリーが自らの道を歩み始めると、兄が言葉を失い、ドモリの症状が出てくる。
他者との関係というのは、依存しあうものなのだ。

父の存在はかなり影が薄く、母の存在が大きい。
母は手話をビリーに教えずに、言葉を話せるように根気強く教えた。それはマイノリティで終わらせたくなかったからなのかも。でも、手話を教えてくれなかったとビリーは母を責める。世界はなにで開かれるのか誰にもわからない。面白いなあ。

時折挿入される音楽の美しさが際立つ。
音楽がざわめきにしか聴こえないなんて、なんという残酷な世界。
それだけでもお互いのことをわかりあうということの難しさを実感させられる。

いろいろな捉え方、考え方ができる作品。
こういうのって、役者は大変だろうなあ。
中島朋子のピュアそうでいて、他社との距離感を微妙に替えていくシルビアが見事だった。

田中圭くんは、手話とセリフが混じり合うとても難しい役をよくやっていたと思う。
彼は色気があるなあ。
映像で観るよりも、いいと思った。これから、いろいろな役を見ていきたい。
そういえば、昨年の銀河英雄伝説は、私にとってはトホホな作品だったけれど、彼のヤン・ウェンリーは印象に残った。
歌とか歌わないのかな?(笑

サイトの文句にあるように、とっても刺激的な舞台だった。
特に2幕の緊張感は、舞台を見る醍醐味を味あわせてもらった。
ただ、舞台がかなり暗いので、1幕はちょっと眠かった(笑 


DSC_0358.jpg


posted by 風土倶楽部 at 23:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 極私的観劇日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年01月11日

観劇日記 東京乾電池「かもめ」

先週、30年ぶりぐらいに東京乾電池を下北沢スズナリで観劇。
柄本明氏と朝比奈尚行氏のアフタートークが急きょ設定された。ゴマ塩頭になっちゃったなあ…時の流れをつくづく感じちゃった。自分も白髪頭だ…。

演目はチェーホフの「かもめ」で、あまり乾電池らしくない演出だった。はじけてくれるのを期待してたんだけど。
乾電池の役者さんたちだから、なんとなく意味ありげなセリフ回しと仕草なんだけれど、それがうまくはまっていかない。はまっていかないのがいいのか、よくないのか、イマイチわからず。緊張感のない舞台だったためか、私の眠気バロメーターだと、かなりうつらうつら夢の中。

チェーホフの「かもめ」は初めて観たし、演劇の世界ではとても有名な作品。その後の演劇にも大きな影響を与え、再演されることが多い。なんとなく敷居の高い作品でもある。
なので、東京乾電池なら、とっつきやすいかなと期待してみた。
軽く予習をしてみたら、喜劇という捉え方もできるということだったので。ならば、乾電池の得意とするところだし…って、私の乾電池は30年前で止まっているわけで…(笑

演出としては、主要な登場人物たちが会話をする間に、使用人たちが忙しそう舞台を横切ったり、後ろを歩いたり。とても芸術のことを悩んでおられないという図式が面白かった。この作品が書かれた当時は貴族社会があったころだから、芸術というものも一般化していなかったから、これはアリだなと思いながら観ていたら、朝比奈氏も、この演出に言及していた。演出は、柄本氏の奥さんの角替さん。

しかし、ロシア文学や演劇の登場人物の名前は難しすぎる。覚えられない!
これは、朝比奈氏も言っていた。日本名でやってくれると、もっとわかりやすいかも。

あまりにも久しぶりに観たので、乾電池のセリフの言い方なのか、役者のクセなのか、主演の川崎トレープレフの口先で言うセリフがちょっと気になった。母親に養ってもらっているようなトレープレフだから、地に足がつかず、ふわふわした、まあ、いわば前向きなニートの青年ゆえのセリフ回しなのかな?

最後まで調和しない登場人物たち。人生はそんなものなのかもねぇ。
そこから、一人抜け駆けするのがトレープレフと見るべきなのか。
はるか未来のことをごちゃごちゃ考えていて現実をみようとしない青年は、今でいえば、アニメやゲームの世界に没頭しちゃうことに通じるのかも。

戯曲を読んでみるかな。

「かもめ」に関しては、NHKのこのサイトがとっても面白い。これを読んでから見ればよかった。

6月にバウホールで礼真琴主演でも上演される予定。
「恋」だらけの戯曲としてチェーホフが書いたそうだから、宝塚にとっては脚色しやすいのかな?
でも、ニーナは最後までトレープレフを男として見てないと思うんだけど…(笑 

人生は悲劇か、喜劇か。
喜劇だとよく思う今日このごろのカレイなる日々ですだよ。

DSC_0350.jpg


posted by 風土倶楽部 at 18:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 極私的観劇日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年01月05日

観劇日記 モンテクリスト伯

梅田芸術劇場で「モンテクリスト伯」を観劇。
「ヨーロッパ・韓国で絶賛された壮大なミュージカルロマン」とのことだったけれど、壮大さはなかったなあ。
レミゼラブルやロミオとジュリエットと同じ2時間半ほどの上演時間。
なのに、物語の単純さたるや…。

エドモンが、2人の知り合いに羽目られて、牢獄に追いやられ、ファリア神父に助けられ、脱出。
女海賊に拾われ、モンテクリスト島でファリア神父の遺言通り財宝を得て、復讐に乗り出す。

原作を中学か高校のときに夢中で読んだ。
それこそ壮大なお話でワクワクしたっけ。

だから、ミュージカルになったということでレミゼラブルみたいにミュージカル化されたのかな?と大きな期待を抱いて観てしまった。大枚をはたいて。

エドモンを陥れる悪党たちが、小物すぎて、壮大さがまったくない。
お金と女と権力に支配されている悪党らしいけれど、背景も、キャラクターも描かれないから、お話が単純すぎる。レミゼラブルのジャベールやティナルディエのような「悪」の奥深さがない。ロミジュリのティボルトの苦しみもない。

女海賊がもっと活躍するのかと思えば、それもほとんどない。
彩吹真央(ゆみこさん)と濱田めぐみのWキャストにする意味ってなに?
「本当か嘘か」1曲程度じゃないの。
「ローマのカーニバル」はすぐに終わっちゃったし。
もったいなすぎ。もっと聴きたかったなあ。

ラスト近く、メルセデスがエドモンのところに来て、「彼とは別れてきた。あなたとこれからは過ごしたい」と急に言うのもびっくり。勝手にまとめに入らないで〜。

ワイルドホーンだけあって、曲はメロディアスでいいのだけれどねぇ。
再演になっても、たぶん行かないなあ。

ちょっとご機嫌ななめなのは梅芸の客席案内係りのせいでもある。
始まって15分ほどたったころ。隣の席に係りが遅れてきた女性を案内してきた。
曲は、メルセデスとエドモンの二重唱の一番盛り上がっているとき。
私の視界はさえぎられるし、歌もなんだかわからなくなる。
それはないでしょ!
なんのための係りなわけ〜。ぷんぷん。
高いチケット代払っている身になってほしい。
クラシックのコンサートなら、曲が終わるまで待たされるのが当然。
ミュージカルだって暗転したときとか、歌の入ってないときにするのが当たり前でしょ。
ちゃんとどの時点なら、案内しても可能かぐらい抑えておくべき。
腹がめちゃくちゃ立ちました。
その場で怒るわけにもいかず…。
梅芸って、それなりにちゃんとした劇場という印象だったけれど、そうでもないのかもね。

奇しくも、3日の星組ナポレオンとほぼ同じ時代から始まるお話。宝塚と比べると、やっぱり地味だわ〜(笑
石丸さんも素敵だったけれど、私は、キンキンキラキラで、素敵なちえさまが歌ってくれるほうがドキドキしたな〜。

DSC_0339.jpg


posted by 風土倶楽部 at 18:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 極私的観劇日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年01月03日

観劇日記 宝塚星組「眠らない男 ナポレオン 愛と栄光の涯(はて)に」

今年、最初の観劇は、もちろん宝塚大劇場での星組公演「眠らない男・ナポレオン ―愛と栄光の涯(はて)に―」。
100周年最初の公演だもんね。これは観なくっちゃ。
ヅカ友にゲットしてもらったお席は、予想以上によくて、堪能してきました。

全編、まるでちえさま(柚希礼音)退団公演かというぐらい、ちえさまのちえさまのための、ちえさまによる星組公演なので、私的にはとーっても満足〜!
ちえさまフルコースという感じ。
目力が素敵ですごくて、レオン酔いしちゃいそう。。。何事も即断即決のちえナポにうっとり〜。
でも、一番ドキドキするのはフィナーレのダンスのとき。
今年、また、REONVをぜひ、やってほしい。セレブリティみたいなショーもね。

ストーリーは、ひたすらナポレオンの人生を追っかける歴史絵巻。ナポさまクロニクルです。ねねフィーヌともっと濃密なラブシーンがあるのかと思いきや、いつも通り(笑 
すなわちリアルでドキドキ感満載だったけれど、スミレコード健在。

これからご覧になる方のために、多くは語りませんが、みっちゃん(北翔 海莉)の出番が思ったよりも少なかった。ちえさま中心にぐるぐるまわるといった舞台なので、脇役が脇役のまま。ほとんど誰も印象に残らず…。

まこっちゃん(礼 真琴)は1曲もらっていて、うまかったけれど、特に印象に残る曲ではなかった。

ねねちゃん、とっても歌が上手になったなあ。衣裳も、めちゃくちゃ豪華。いったい何着着替えた?

紅が重要な役なんだけれど、存在感なし。歌も。うーん、ほかにやれる人が他組にたくさんいるのになあ。残念。じゅんこさん(英真 なおき)マルモンとミッキーナポ2世(天寿 光希)が、要所要所で舞台回しとして思い出を語りながら、状況説明をしていく。そして、舞台はその時代に…というパターンが繰り返される。だから、紅マルモンは、すごくすごく重要な役。なのに、なのに…。これは紅子だけの責任じゃないような気もするけど…。回を重ねていけば、メリハリはついてくるかもね。

一番意外だったのは戴冠式の場面。あんなに豪華なお衣裳を用意したのに、あれっ?もう終わり?っていうぐらい、あっという間にちえナポ&ねねフィーヌはすぐに引っこんじゃった。じっくり見せたくない理由でもある?(笑)記者発表用だったのかな?

ジェラール氏の曲は、時折、それって、ロミジュリ?みたいなのがちょこちょこあった。特に一樹さんの歌は、それ、ジュリパパの歌やん…と聞いているほうがドキドキしちゃった。じゅんこさんのも似ているのがあった。やはり同じ作曲家だとクセがでるなあ。
観ている間は、そんなに強い印象はないのに、今ごろになって、いろいろな曲が頭の中をぐるぐる回っている。さすがというべきか。。。

フィナーレのデュエットダンスのねねちゃんの衣装が蜘蛛をイメージしたもので(よね?)、ちえナポを誘惑する女郎蜘蛛みたいで面白かった。私は、けっこう好きだった(笑

舞台は最初から最後まで、これでもか!というぐらい豪華絢爛。最後はちえさまの羽までゴールドで、キラキラ感が半端なかったです。
しかし、宝塚に柚希礼音がいなかったら、100周年はどうしていたのかな?というぐらいレオンに負担が大きい公演。それがいいのか、悪いのか…。ナポレオン、再演できるかしら?ちえさまあってのナポ。まゆさん(蘭寿とむ)なら、可能かな?って、もうすぐいなくなる…。

ジョゼフィーヌの最後から、ナポレオンの転落まで、小池先生、もうちょっと盛り上げてほしいなあ。
泣けない。。。泣けない宝塚で100周年はないでしょ。
むしろ、ほぼ出ずっぱりでパワー全開でがんばるちえさまの健気なお姿に涙が出そうになった。
どんなときも全力で、丁寧に役作りをして、細部まで渾身のパフォーマンスをするちえさまが大好き。この公演は、今のところ、イケコもジェラールも、レオンに「あとはお願い、なんとか仕上げて」感満載。

こら、イケコ!ちえさまをつぶしたら、承知しないから!!!

あと何回か観る予定なので、今後の舞台の進化が楽しみでもある。
会場は満席で立ち見が鈴なり状態だった。

ちえさまの無病息災を心からお祈りします。

DSC_0334.jpg


100周年記念でもらいました。

400DSC_0337.jpg




タグ:宝塚歌劇
posted by 風土倶楽部 at 20:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 極私的観劇日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年12月19日

観劇日記 「月雲の皇子」

今年5月に宝塚のバウホールで観た宝塚歌劇団月組の「月雲の皇子」。
もう一度観たいと思っていたら、好評だったため東上することに。が、チケットは即完売であきらめていたところ、開幕直後にわらわらと譲渡チケットがネットに出てきたので、ゲットして急きょ観られることに。
やはり年末のこの時期、急な用事、風邪などの体調不良といろいろあるよね。
おかげさまで、かなり良席で観ることができました。
そ、その替わりにシアターコクーンの「マクベス」は人に譲ることに。
まあ二兎追うものは一兎をも得ずということで、一兎にしておきました(笑

DSC_0301.jpg


銀河劇場は、モノレールか、りんかい線の天王洲アイル駅前だから、ちょっと遠い。
けれど、こじんまりした劇場で、オペラグラスが必要なかった。
隣と前の人たちは、使っていたけれど(笑

ほんと、観てよかったです。
今年観た中で、ロミジュリを除外して、燦然と輝く1位!!!
いや、今まで観たお芝居の中でもかなり上位。
脚本がとにかくよく練り上げられていて、構図が見えやすく、セリフがすごく深い。

古事記と日本書紀に記されている衣通姫伝説に題材を得た作品。
大和の礎がまだ定まらないころを舞台に、人だけが享受できる文化と、人だけが避けられないお互いに殺し合う性のぶつかり合いをとても細やかに描きこんでいる。

木梨軽皇子と穴穂皇子は兄弟。幼いころ、戦火の中で赤ん坊を拾い、守り抜こうと誓い合う。妹として育てられ美しく成長した衣通姫を、二人が女性として愛し始めたころ、彼らの父親の天皇が崩御する。どちらが後を継ぐのか。
気性が優しく、歌を愛する木梨は、異端の民“土蜘蛛”にさえ情けをかけてしまう。そんな木梨の良さをわかりつつも、まだまだ脆弱な国の基盤を強固にすることが平和のために必要と考える穴穂。ときには土蜘蛛を人とも思わず殺戮することをいとわない“強さ”を持っている。
渡来人の側近に悪魔のような誘惑をされた穴穂。政治的な思惑に翻弄され始める皇子たち。やがて、穴穂は木梨を陥れ、伊予の国へと流刑にする。そして、木梨の愛した衣通姫を妃に迎える。それを知った木梨の心は歌を忘れ、異端の民のリーダーとなり、大和に刃向う・・・。

渡来人により、文字がもたさられ、語彙が増えていく時代。
美しい、きれいという言葉が、まだ、共通語ではなかったころ。
1幕の終わりごろ、木梨が宮廷に迷いこみ、捕らわれてしまった土蜘蛛の若者に花が「美しい」ことを教える。若者は、美しいという言葉を知らず、花の美しさを「お母さんみたいだ」という。
が、その母は、彼ら子どもたちに食べさせるためにろくに食べるものも食べず死んでしまったという。
こんなシーンの一つひとつが、物語のすべにつながっていて、どのセリフも聞き逃せない。

私は年齢のせいか、2幕の天皇の妃である大中津姫が、なさぬ仲の衣通姫を不憫に思い、逃がすシーンに涙。
姫が去ったあと、乳母とともに兄弟に拾われてきた姫を育てた日々を「まるで夢のようであった」というシーンに涙、涙、でございましたたらーっ(汗)

そして1回目に観たときには、浅はかな私は、衣通姫の最後が物足りなかったなどと言っていたけれど、あの最後こそ、この物語の重要な部分でした。今、思い出しても涙たらーっ(汗)

大がかりなセットではないけれど、簡素な中にとても雰囲気のあるセンスのよい舞台が作られていて、幕あけとともに古事記の時代に迷いこんでいくことができる。
舞台の力って、すごいなあ。
その舞台をひっぱっていく役者の力も。

月組の若手が中心のこの公演のレベルの高さときたら!
木梨の珠城りょうと穴穂の鳳月杏の安定感たるや…。
歌、芝居、ルックスとすべて揃っていて、魅了してくれる。
衣通姫の咲妃みゆは、5月のときよりも一段と姫らしくなっていた。
セリフだけでなく、立ち居振る舞いまで、姫が背負っている宿命を感じさせるとは、役者やのう…。
静かに話すセリフの言い回しが見事。

脇を固める中では、博徳の輝月ゆうま、大長谷皇子の朝美絢、伊予の蜘蛛族の若者の千海華蘭、伊予の蜘蛛族の孤児パロの晴音アキなどがとっても目立った。
そして、まだ配役の中には名前を載せてもらえないけれど、木梨に国を治める難しさを痛感させ、自分は適任ではないのでは?と不安を抱かせるこの作品の重要なシーンを担う蜘蛛族の若者・佳城 葵。
月に向かって飛ぶ蜘蛛の銀色の糸が見えるようだった。地を這うように生きるものたちが抱く熱い思い。
その思いが、失意の木梨に乗り移る怒涛の2幕を暗示するシーンだ。

どの生徒も、的確に自分の役を演じていて、舞台に緊張感がみなぎっていた。

ゆうまは、専科の夏美ようと十分渡りあっていて、これで95期生とはすごい!
95期生は大豊作の年ですな(笑
10年ぐらいに一度、そういう年があるのかもね。

月組の若手は、「ロミオとジュリエット」の新人公演で本公演に匹敵するほどの充実度で驚かされたけれど、またしてもほぼ同じメンバーでここまでやるとは。
月組だけみていると、宝塚の未来は明るいような気さえしちゃうなあ。

国という形が出来上がっていく中で、一人一人の生きざまが埋もれていく。記録をすることで本当の記憶が消されていく。政治とはそういう一面を強くもつもので、国家はその政治によって動かされていく。こんな骨太な内容の公演にも、きちんと愛と夢をちりばめ、木梨と衣通姫の悲恋に泣ける。宝塚が100年続いてきた理由は、ここにある、ね。

DSC_0302.jpg


上田久美子さんの次回作「翼ある人々」を観ないとなあ…でも、またしても完売。。。なんとかなるか。

タグ:宝塚歌劇
posted by 風土倶楽部 at 23:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 極私的観劇日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする