2017年07月30日

西加奈子著「i」

久しぶりに一気に読んだけれど、なんじゃ、これ?

シリアで生まれ、赤ん坊のときにアメリカ人の夫と日本人の妻の夫婦に養子にされ、ニューヨークで幼少期を暮らしたあと、日本に来て、私立の女子高(らしい)で親友を見つけ、大学院にいるときにふらっと行ったデモで写真を撮っていた一回り以上年上のカメラマンと出会い、大事にされ、でも、子どもができず、できたと思ったら、流産して、でも親友とわかりあえて、めでたしめでたし、という話。

数学が得意で、高校のときに「iはこの世に存在しません」と教わり、自分の名前が愛=アイだから、やたらとその言葉にこだわり、ずっといじけ続けるという話。

シリアをはじめ、世界中で災害や内戦で大量に人が死んだという報道があると、ノートに書きつけ、自分はここに生きているといじけ続けるという話。

一番腹が立ったのは、東北大地震のときに、親友も、両親も、アメリカにいて、早く渡米して避難してこいというのに、自分だけ東京に残る。この現状から逃げ出したくないからというのがその理由。今こそ、シリアの追体験ができるというわけ。でも、東北にボランティアに行くでなし、東京で大学生活を送る。そんなもん、みんなやってたよ。アメリカに両親も親友もいないのだから。

そして、反原発運動や安保反対のデモに参加する。でも、そこに確固たる考えがあるわけでもなく、彼女のパートナーとなるカメラマンは、「変化を望む人たちの顔を撮りたいから、デモを撮影する」のだそうで・・・

なんだ、それ?

あまりに浅い小説で、途中から、これは時間の無駄をさせられる
小説ではないのか?と思いつつ、なんとなく最後まで読んで、やっぱり時間の無駄だったと本を閉じたとき、激しい後悔に苛まれた。

世界で人が大量に死ぬと生きている実感が湧くという変な話。相続力の欠如にもほどがある。
毎日、人は生きて、死んでいっているのだ。

又吉大先生が帯に推薦文を書いていたらしい。図書館で借りた本だから、よくわからないけど。
又吉大先生にも、がっかりだ。


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2017年07月29日

シアターコクーン「魔都夜曲」

「白糸の滝」以来のシアターコクーンで「魔都夜曲」を観劇。

ものすごく思い入れを持ってみたせいか、思い切り肩透かしだった。

柚希礼音さまに出会うほんの少し前まで、私は、トニー・レオンにはまっていた。
レオンつながりという不思議なご縁なのだ。

当時、そのトニーさんの最新作が映画「ラストコーション」だった。
素晴らしい内容の映画だった。
熱く語ってしまったブログ記事

そのころ、必ず見に行っていた熱心なトニーさんファンの方のブログで、西木正明著の「夢顔さんによろしく」が紹介されていて、もちろん読んだ。
そのときのブログがこちら

ここにも書いているようにトニーさんが演じたイーを誘惑したピン・ル‐が恋に落ちたのが近衛文隆だった。
今回の「魔都夜曲」では、ストーリーを読むと近衛文隆=白川清隆のようで、いよいよ文隆氏の「noblesse oblige」すなわち高貴であることは義務を伴うという精神が、日本の舞台で取り上げられることになったのか!と、勝手に思い込み、ワクワクしながら、劇場に向かった。

が、1939年の上海を舞台にした恋愛ものだった…。
藤木直人の白川清隆には、これといった考え方の軸になるようなものもなく、上海で遊んでいる高等遊民。
楽しいちょっとこじゃれた音楽劇という作品だから、これでいいのかもしれない。大きな期待をした私がアホだった。

音楽劇とミュージカルがどう違うのかがよくわからないが、芝居部分との融合性がイマイチしっくりこなくて、芝居になるととたんにつまらなくなった。
藤木直人のセリフには、なぜか真実味がない。ほかの共演者の紡ぐ虚構の世界にそこだけぽかっと穴があく。
清隆の描かれ方が中途半端だから?

コング桑田や橋本さとしの回すクラブ「ル・パシフィーク」の場面は、とてもイキイキとして、1939年を楽しめるのに、芝居になると、2017年の渋谷に引き戻されてしまうのだ。

壮一帆の川島芳子は、ぴったりだった。もっと活躍してほしかったなあ。
ラスト近くに見せ場はあるけれど。
チャイナドレス姿が美しかった。裾が長くて、ちょっと裾さばきが難しそうだったけど。

マイコの紅花(ホンファ)は、清隆を愛し始めてしまう過程が丁寧に演じられていた。
チャイナドレスが、どれもステキでオペラでしげしげ見てしまった。

小西遼生のチーチャンも、場面に合わせ、適格な演技で、ホンファとの関係性がすごく明確。さすがだった。
と見ていくと、芝居シーンのいらだちの原因が自ずとわかってきちゃうなあ(笑

重慶に旅立つ清隆とホンファのシーンで終わるのだが、それでいいのか!と、がっかり。
ジャズの調べとともに、猥雑で華やかな日本の開戦間近の上海の雰囲気を楽しめばいいのだろうけれど、清隆の今後を暗示するぐらいはあってもよかったのではないのか。

彼の思いを砕いて、戦争は始まり、彼自身も、noblesse obligeを貫いたがゆえにシベリアで命を落とすところまで、せめて示唆してほしかった。

いいところのおぼっちゃんが、恋に落ちて、開戦を避けるために命がけで重慶に恋人と手に手をとってジャズの調べに乗って行っちゃう。みんなで踊って、歌って終わり。なんだかな〜。宝塚でも、なかなかない単純さだよ〜。

観客の中に、清隆=文隆の最後を知る人、知りたいと思う人なんていないんだろうな。

とさみしーい思いに駆られて帰宅の途についた。

「夢顔さんによろしく」をもう一度読みたくなってしまった。


「夢顔さんによろしく」の感想の中に、「誰かを好きでいることってすてきなことだなあと思う」と結んでいるが、本当にそうだと思う。ちえさまのおかげで、本当に世界がすごく広がったから。
「REON JACK2」のDVDで、毎夜、ちえ祭💛ちう。

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2017年07月20日

赤坂ACTシアター「ビリー・エリオット」プレビュー初日

ついに開幕した「ビリー・エリオット」
プレビュー初日を観た。

会場は、綾瀬はるかさん、市村正親氏一家、北大路欣也氏、笠井信輔アナなどをはじめ、どこかでみかけたような人たちと業界人が入り乱れ、ショービジネスの渦中そのものだった。
ちえさまは、こういう世界にいるのね〜と思いながら、一般人の目線で貴重な瞬間を目撃してきた。

ちえさまコアファンとしては、やはりウィルキンソン先生が気になったのだけれど、完璧な先生として、舞台をけん引。さすが我らが柚希礼音!ゆずキングだっ。

WOWOWで放送されたロンドン版の舞台映像を見ていたが、やはり生の舞台の迫力は想像以上だった。
各国ですでに公演されており、演出は、基本的にすべて踏襲するというスタイルだそうなので、完成された作品だと言える。それをまったく新しいキャストで、日本語化するという作業がどれほど大変なものなのか…。

炭鉱の町という共通点だけで選ばれた九州弁には、ちょっと違和感があった。英語のプラカードが多用されたり、サッチャーの名前が連呼されたりするので、その部分と九州弁の融合をしなければならない脳内補完が最初、できなかったのだけれど、徐々に耳に馴染んではきた。標準語だったら、やはり炭鉱の町の感じが出なかったのかなあ。

この長丁場の公演のビリー役としてトップバッターを飾ったのが前田晴翔くん。
堂々としたもので、舞台の上が自分の居場所だと、すでに知っているところがすごい!
こんな子が、あと4人もいるなんて!

あまり取り上げられないけれど、ビリーの心の扉をあけて、やりたいことに挑戦していく大きなきっかけをつくるマイケルの存在が、すごく大きい。自分と同じ年の子が、ものすごく自由に生きていることを知ったとき、ビリーに大きな変化が生まれる。したいことをやっていいのだ!と。
二人のダンスのシーンは、まさにエンターテイメント!

昨日のマイケル役の持田唯颯くんのエンターテイナーぶりも堂に入ったものだった。
恐るべし、子どもたち!

綺羅星のごとく、才能のある子たちがたくさん舞台を彩っており、今後の日本のエンタメ界を支えていく子たちになるだろうなと思わせられた。5年後あたりには、誰かがロミオ役をやっているかもしれない。

ウィルキンソン先生は、やさぐれているけれど、凛としていて、厳しいけれど、温かくて、とても魅力的な女性だ。

子供ができて、中央でがんばっていたのに、コースから外れてしまい、その上、さびれていく街でダンナに浮気され、生徒たちは、ぱっとしない子ばかりで・・・自分にイライラしつつも、かつての華やかなころがバレエを踊っているとよみがえってくる。
そんなとき、先生の前に彗星のごとく現れたのがビリー。才能を見出し、捨ててはおけない。
おせっかいなんてやるガラじゃないのに、これだけは放っておけない。

そして、ビリーは見事ロイヤルバレエスクールに迎えられる。
ビリーには輝かしい未来が待っている、かもしれない。

自分が見出した子がかわいくて仕方がないのに、ジェラシーも感じる。
これからの大変さもわかるが、見守っていくことしか、もう自分にはできない。

そんな先生の複雑な感情が、ちえさま先生から、ひしひしと伝わってきた。
お母さんの手紙を読むビリーから、大切なものを受け取るシーンと、ラストの後ろ姿でビリーを送りだし、涙声で別れを告げるシーンに、心情を大切に演じるちえさまの真骨頂が垣間見えた。
待っていたのはこれだった〜!と、客席で心の中で思い切りちえさまウィルキンソン先生を抱きしめたばあやでした。

娘のでビーとの関係は、これからもっと深まるのかな。

ちえさま以外の出演者たちも、さすがにえりすぐられているだけあって、みなさん、完璧。
特に久野綾希子さんのおばあさんの存在感がすごかった。
あのステキな久野さんが、ボケかけてはいるけれど、激動の時代をろくでなしの夫とともに生き抜いた力強さをもった老女を見事に演じていた。

労働者たちが、お金がなくてオーディションに行けないビリーたちに「芸術は、おれたちが支援する!」というシーンが大好き。
ビリーの魂の叫びが、大人たちを動かし、希望の灯が灯る瞬間。そして、芸術って遠いものじゃなくて、こんなふうに生まれ、育てられていくんだなと。

休憩20分を含む濃密な3時間ほどの舞台の中に、家族の愛、地域の連帯、人生の苦さときらめき、子どもの成長・・・人生の大切なことがすべて詰まったすごい作品だ。
ちえさまの退団後の代表作が、よくやく見事に着地、女優として開眼した瞬間に立ち会えたことは、ファン冥利に尽きる。は〜、幸せだった。

ちえさまの心配していたカツラは、ばっちりに合っていた。初めてみる、アップ髪のちえさま。なかなかイケてた。
衣装も、もっとダサダサかと思いきや、ポップな色合いでかわいかった。
スパッツ姿のぴちぴちお尻を眺めながら、むふっとなってしまった。オッサンみたい。
オッサンついでに、胸の谷間があった・・・そして、ダサいレッスン着の胸も、やけに豊かで・・・
謎を解くキーワードは「宝塚の娘役」?という説があったりなかったり…(笑

ちえさま、大切にされていますね。
ばあやは一安心。

プログラムにビリーをやってみたいとあって、ちょっと吹きました。
でも、観てみたい!
RJ2のヌッキーとのシーンをアレンジして、オールダービリーと踊っているシーンを妄想してみた。

チュチュ姿が、あまりにもきれいで、うっとりしているうちにカーテンコールになっていて、一瞬しか写真が撮れなかった・・・残念。でも、近くでティアラを付けたちえさまをじっくり見れたから、よしとしよう💛

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プレビューの間は、稽古場情報のプログラムしか販売されてない。
二つにわけるなんて・・・
とりあえず稽古場の方を購入。

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終演後、外に出たら、ビリーのネオンがまぶしかった。

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2017年07月15日

梅田芸術劇場「グレート・ギャツビー」

なにが物足りないのだろう…

井上ギャツビーは、ひたむきにデイジーを愛する男をまっすぐに演じているし、
ねねデイジーのかわいさときたら、そのままねねドールにして持ち帰りたいくらいだし、
ころちゃん、まりも、AKANELIVさん、渚さんとOGの活躍には、さすが!と思わせられるし、

なのに、ドキドキワクワクしない。
なぜ、なぜなの〜?

ねねちゃんがいると、どうしてもちえさまを連想してしまうからかもしれない。

小池氏のデイジーは、ひたすら可憐で、浮気性な夫に悩む自立できない女。
映画の「華麗なるギャツビー」のミア・ファーロー演じるデイジーは、もっと我儘で、自己中心的で、世間知らずで、あまり自分の生き方に疑問を抱かない上流階級のオンナだったっけ。

小池ギャツビーのデイジーの人間像が、「かわいいだけのオンナでいる方が幸せなのよ」といったセリフに代表されるように受け身だから、物足りないのかもしれない。
小池氏が求めるデイジー像に、ねねちゃんはしっかり応えてはいる。

もう少し毒があってもいいのになあと思った。
そのほうが、まりもの演じるマートルのあがきが鮮明になるのではないだろうか。

音楽が新進気鋭のリチャード・オベラッカーの全曲書下ろし。
聴いていると、宝塚の音楽家たちがいかに優秀かがよくわかる。
かならず心にひっかかるフレーズや、歌詞がどこかに残るような曲作りをしている。
リチャード・オベラッカー氏は、英語の歌詞をもとに曲を作ったのだろうか。

そこは音楽に乗せなくてもよいのでは?といったところが歌になっていた。
もともと日本語は音楽に乗りにくい。
そのあたりがうまくこなれていないような気がした。
なんとなく酔えない。入っていけない曲ばかりだった。

小池氏、やっぱり忙しすぎるのかな…。


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2017年07月04日

東京バレエ団「ラ・バヤエール」

バレエをちゃんと観たのは、ロンドンぷー太郎時代だから、なんと32年ぶり!
そして、東京文化会館は、オペラ「ローエングリーン」を観て以来だから、25年ぶりくらいか?

時の経つのは早い・・・

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変わらない佇まい。

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まさかちえさまのお導きで本格的なバレエを観る日が来るとは。
そして、そのバレエの素晴らしいことと言ったら・・・

夢のひとときだった。

東京文化会館にて、東京バレエ団による「ラ・バヤエール」
なにもかも美しくてびっくり

舞台装置も、衣装も、なによりダンスも。

バレエは食わず嫌いだったけれど、目から鱗が何枚もぼろぼろと落ちていった。

物語は単純。
勇者ソロルと神殿の舞姫ニキヤが、相思相愛になるが、大僧正がニキヤに一目ぼれし、パワハラをする。
おまけに有力者ラジャがソロルを見初め、娘のガムラッティの婿にと望む。
ソロルは、ガムラッティの美しさと権力の座につい目がくらみ、了承してしまう。
邪魔になるのはニキヤ。ガムラッティがニキヤに身を引くようにと脅すが拒否。
婚約の儀式の最中に、ニキヤはラジャとガムラッティが送った花かごの中に潜ませてあった蛇にかまれ、命を落としてしまう。
ソロルは、ニキヤを裏切った悔恨とともに罪悪感に苛まれ、婚礼の誓いの場で誓いをすることができず、神の怒りに触れ、ついに神殿が崩壊し、人々はすべて死に絶える。

単純とはいえ、これだけのことを言葉ではなく、その肉体にだけ託すのがバレエ。

いいオトコだけれど、不実なソロルに振り回されるニキヤの純真さ、くやしさ、嘆きが、がんがん伝わってきて、クラクラした。

身体能力が優れたちえさまが、バレエに出会ってはまった理由が、とてもよくわかった。
こんなに美しいスポーツは、ほかにないもんね。

神殿が崩壊したあとに、ニキヤとソロルの短いデュエットダンスがあって、ロミジュリのラストシーンみたい。そう、まるで宝塚💛
水香さんが、ちえさまのことが気になっていた理由も、なんとなくわかったような・・・(笑

音楽が、とてもドラマチックだった。
ナクソスで、しっかり復習中。

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2017年06月27日

「帰ってきたヒトラー」「パンズ・ラビリンス」

2016年のドイツ映画「帰ってきたヒトラー」

面白い〜!!!

★★★★★、もう一つおまけに★!

タイムスリップして現代のドイツに来てしまった本物のヒトラーを、人々が物まね芸人だと思い込んでメディアでもてはやしている間にじわじわと人々に影響を与えていくさまがコワい。といっても、深刻な映画ではなく、ふんだんに笑いあり、ちょっとしたサスペンスあり
視聴率のために大衆に迎合していくメディアの無責任さも極まっている。

唯一、本当の彼を見破るのが誰かという点にきちんと映画のぶれない視点が明確になっていて◎!
ドイツの政治事情を知っているとより楽しめるのだろうけれど、今の日本に当てはめてみても、面白い。
どこの国も同じなんだな〜。特に先進国は。
日本は、移民の問題がない代わりに、隣国との問題が日に日に大きくなりつつある。
なのに、政治の世界では、毎日、なにもないところに煙を出し、メディアがウチワでパタパタと扇いでいるんだもんなあ。

この映画を民放のゴールデンタイムでやるべきだな。

都議選の投票を早々に済ませてしまった。今度はだまされないぞ!メディアの論調と反対のことをやれば、間違わないような気がする今日このごろ。いや〜、実にタイムリーな映画だった。


パンズ・ラビリンス(2006年メキシコ・スペイン・アメリカの合作)

6,7年前に見て、かなり強烈な印象を得ていた本作。WOWOWで放映していたので、再見してみた。
イマジネーション豊かな映像とともに、理不尽な暴力で支配されているエリアで必死に自分らしく生きようとする少女の痛ましさと、みずみずしい感性、はかない希望が、ダークファンタジーとして展開される。

1944年ごろのフランコ独裁政権下で、仕立てやの夫を亡くした母が将校と結婚。先夫の子どもであるオフェリアは、母と一緒にレジスタンスとの闘いを展開している将校の赴任地にやってくる。将校は、自己中心のまさに独裁者。気に入らないと、人も平気で殺す。恐怖で支配されているエリアで、少女が、身重で具合の悪い母のことが心配でならず、小さな胸は不安でいっぱいになっている。
そんな少女がつくった心の逃げ道は、自分が地底王国の呪われた姫で、試練を乗り越えれば、懐かしい故郷の地底に迎え入れられると妄想すること。

あの年ごろの少女にありがちな「お姫様」を夢見るのだ。その夢は、平和なときに見る夢ではなく、表情も陰険な魔物たちが、これでもか!という試練を与えてくる。
オフェリアの胸のうちで起こっている不安にさいなまれている様子が、そのままファンタジーの中に行き写しになっている映像に胸がふさがる思いがする。

見ているうちに、ああ、そうだ、こんなに悲しい、胸が痛くなる映画だったのだ、と思い出したけれど、最後まで目が離せなかった。
ラストシーンの悲しさ、無念さ、痛ましさに打ちのめされる。
でも、なぜかやっぱり好きな映画だ。

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2017年06月26日

お天気はままならない2 礼文島

翌日も曇り〜
お花畑散策だというのに・・・

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海を渡り礼文島へ。
利尻富士が美しかった。

きれいに整備された桃岩のトレッキングコース。
道の両サイドに花畑が広がる。

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サクラドウモドキ

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チシマフウロ

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イワベンケイ

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霧が出てきて、幻想的。

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木道は、次々に到着する観光客が登ってくるので、人がほぼ途切れることがない。
最後列を歩きながら、誰もいないところを狙って撮影してみた。

降りてきて、ランチで入った店のある海岸に、なんとアザラシがたくさん和み中だった。

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ちょっと遠いので望遠で撮っても、これぐらいにしかならないけれど、動きがかなり面白い。

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ガイドによると、4,5匹でいることはよくあるけれど、こんなに群れでいるところは珍しいらしい。
もっと観察していたかったけれど、自由時間の少ない団体行動。忙しい。

礼文で一番美しいと言われている澄海岬。
その名の通り、美しい海なんだけど・・・
曇天で透き通った青もさえない・・・とほほ。
それでも、なかなかステキな眺めだった。
絵葉書みたいな写真を撮りたかったな〜。

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そして、いよいよお目当てのレブンアツモリソウの群生地へ。

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盗っていく人が後を絶たないため、監視ボランティアを置いているそう。
盗っていっても育たないだろうに。
咲くまで時間がかかる花だそう。
野におけアツモリソウなのに。

自分では蜜も花粉も出さない花だとか。楚々としているけれど、人任せの甘えん坊みたいね(笑

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イワレンゲ。多肉植物の一種。
このときはかわいいけれど、育つと、あれっ?という感じになるとガイドさん。
なになに、そうなの?とググってみたら、なるほど・・・トウがたつと、こんなふうになるのね・・・おもしろーい。

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クルマバツクバネソウ

あ〜、ゆっくり花を愛でて、撮影したかったな〜。
また、来るしかないか。

途中、怒涛のごとく立ち寄ったウニ体験。
バスを降りて室内に案内されたと思ったら、用意された1人1個ずつのウニの前に立って、気が付いたら、ウニ割りの器具でウニを割っていたという次第。写真を撮る暇もなかった〜。
うにゅうにゅと黒い棘をうごめかせているウニのど真ん中に器具を入れてこじ開けるのは、ちょっと勇気がいったけれど、取り出した例のウニ部分を口にすると、ほのかな潮の味と濃厚なウニの味が合わさり、すべてを忘れさせてくれる。

そこで購入したウニの缶詰(お高い)を持ち帰ったところ、大変美味で、もっと買ってくればよかったと同行者たちとほぞを噛んでいる。
稚内港では、同じものがすでに1000円ほど高かったのでなおさら・・・

ラストは、スコトン岬。晴れた日には、サハリンが見えるということだけれど…
とにかく寒くて寒くて震えあがってしまった。
冬の寒さを想像すると…いやはや、人も、カモメも、すごい〜

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ホテルの前が桟橋で、利尻島に向けて、私たちが乗ったフェリーが出ていくところ。

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翌日は、もう朝から稚内に、この同じフェリーで向かった。
利尻から礼文への40分ほどの船上は、かなり揺れたけれど、今回の稚内港への2時間は、嘘のように静かな海だった。

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お天気はままならない1 利尻島

6月6日〜8日に北海道利尻&礼文両島に旅行。
国内で団体旅行に参加したのは初めてかも。
予想以上に団体行動で…笑

一応マクロレンズとタムロン16-300mmを持参。
重かった〜

が、マクロレンズでじっくり撮影している暇などもちろんなく、結局、使わないまま。
この旅のために、あわてて購入していったタムロン1本でなんとか撮影したけれど、ほぼ記録撮影。

新千歳空港では、利尻空港までの飛行機が強風のため飛ばないかも・・・などと言われ、飛ばなかったら、どうなるのだ?と不安にかられた。まるで30年前のモンゴル旅行じゃないの。あのときは、バイカル湖のほとりで帰る日に、ウランバートルまで悪天候のため、蚊トンボみたいな複葉機を飛ばせないと言われ、おまけに目の前でかけてもかけてもかからない不調のエンジンを目の当たりにし、青ざめた。
なのに、なぜかかかったエンジンは快調で、2時間半後くらいに気が付いたらウランバートルに到着していて、チャイナエアで北京にちゃんと到着したのだった。

などということを思い出しているうちに、飛行機は無事飛んで利尻空港に到着。
またしても旅の始まりを盛り上げるためのサービスだったのか?と勘ぐってしまった。
が、稚内からフェリーで来た人たちも揺れて大変だったとのことで、利尻礼文は元来風の強いエリアで、よくこんな状況になるらしい。

最初の観光地の姫沼に到着したころには、先ほどの曇り空がウソのように晴れ、これは幸先のよい旅の始まりだと思っていたら・・・

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結局、晴れたのはこのときだけ。あとは曇天続きの旅だった。

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ミヤマオダマキ

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マイズルソウ?

とはいえ、花はどれもかわいらしく、目を楽しませてくれた。

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倒れた木の上では、カモの親子が和んでいた。
クマのいない島なので、安心して森の中を歩けるのがいい。

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最北の海だけあって、なかなか迫力がある。

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6月なのにダウンを手放せない冷たい風の中、カモメが卵を抱いていた。
防波堤から、すぐそばの岩場に巣があった。人間よりカモメの方が多そうだもんね〜。

ガイドから語られた石碑の由来がとっても興味深かった。
江戸時代末期に、アメリカ人で利尻島に漂流してきたマクドナルドという人がいて、日本の英語通訳の礎になったとのこと。
そのことを書いた吉村昭著の小説「海の祭礼」の紹介もあった。
自治体に頼まれて吉村氏が島を取材するなどして書いたそうだ。
本に目を通してみたら、マクドナルドが生涯日本に滞在して・・・かと思ったら、森山というのちの外交官に英語を1年足らず教えて、アメリカの軍艦に引き取られ帰国。その後、その森山がぺリー来航のときなどに役に立ったというドキュメンタリーっぽい小説だった。

マクドナルドは、インディアンとの混血で、白人優位社会を脱出して、日本で活躍したいという憧れを持って、捕鯨船で日本近海に来た時に一人で離脱して、利尻に上陸。長崎まで移送され、そこで幽閉されながら、森山と交流し、英語の基礎を教え、帰国した。
その森山が、福沢諭吉にも英語を教え、外交の分野で大きな影響を与えた人物になった。
小説には、マクドナルドがその後、どうなったのかがほとんど言及されておらず、気になる〜。ただ、日本滞在記といった回想録は書いていた。

とても優秀な人だったのに差別されて、つらい目にあって日本に命がけで来たのに、もっと滞在させてあげたかったなあ。
歴史というのは、名前を残せた人だけじゃなく、名もない人たちの積み重ねなんだなとも。
森山の生涯を大河ドラマでやったら、面白そう。

この夜、宿泊したアイランド・イン・リシリのサービスがとってもよかった。
また、泊まりたい!
ゆかたなどのロゴマークが「R」だしね(笑

朝、4時起きしての朝日。

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2017年05月25日

東京芸術劇場シアターイースト イキウメ「天の敵」

「太陽」「太陽2068」をWOWOWで観て以来、前川知大氏とイキウメが気になって、生の舞台を絶対観るぞ!と待っておりました。

東京芸術劇場シアターイースト イキウメ「天の敵」
期待以上!面白かった〜!

完全食の求道者である長谷川卯太郎が、血を飲むことで年を取らないばかりか、病気にも罹らないことを発見。
が、代償として食べる楽しみを失う。太陽に当たるとやけどをするから、陽の下は歩けない。
自分は長生きできても、友人や協力者は歳を取り、常に孤独。
生殖機能は退化し、子どもはできない。
年を取らないから、職場に長く居づらく、まともに働けない。
それだけの負を背負ってもなお、血を飲み続ける卯太郎。
122歳にして、30代の若さを保ち続ける卯太郎の苦しみと喜びとは?

卯太郎の人生の自分語りを引き出すきっかけになるのが、ジャーナリストの寺泊。
彼はASLという難病にかかっていて、余命3年ほど。

「太陽」に引き続き、究極の選択をする卯太郎、選択を迫られる寺泊や卯太郎の周辺の人間たち。

吸血鬼みたいに殺さなくても、血をもらうだけでよいから、なんとかなるという設定が秀逸。
こういう人がたくさん増えたら、医療費がいらなくなるけれど、食文化は廃れるだろうし、子孫を作れないから、同じメンバーでずっといることになる。

最近、コズミックフロントNEXTを見て、宇宙でさえ、生死を免れないという真理が見え始めているという研究結果にえらく納得したところなので、実に面白い設定だと思った。
生死があって循環することこそ、永遠なのかもしれないなあ。

セリフがかなり面白い。
「野菜の灰汁は個性です」には吹き出してしまった。

「人生の多くの時間を食べ物に費やしている」
これは、けっこう見逃していることよね。

マクロビや菜食などの食情報を入れ込みながらも、その是非に流れないところがとてもよい。
菜食主義者の血液が太陽への免疫をつくるあたりは面白い視点。
これで卯太郎は、一つ負をクリアしてしまう。

そんな卯太郎の話を直接聞きながら、常に斜に構えている寺泊のスタンスも、すごくリアル。
口では、もうあきらめがついたと言いつつも…。

前川知大氏、すごいなあ。
設定を固めながら、そのシチュエーションの中でうごめく人物たちを的確にスリリングに浮かび上がらせていく。そして、最後に観客にゆだねられる結末。

とっても楽しかった。ああ、お芝居を見ている〜っ!という緊張感と楽しさ、ワクワク感が半端なかった。

昨夜、舞台上で本当に料理して、食べていたごぼうのバルサミコ酢と醤油の炒めものをやってみた。
美味しかった。
ごぼうは天ぷらで食べるのが一番好きだけど(笑

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2017年05月21日

東京宝塚劇場星組新公「スカーレット・ピンパーネル」

星組新公は「桜華に舞え」以来の2回目。
天華えまちゃんにご縁があるのかしら。

いつもながら、宝塚と東京の2回きりの公演で披露される新人たちの公演は、よくやるなあという思いと、大丈夫か?の心配が交差するスリリングな舞台だ。

今回も、やっぱりスリリングだった。
オープニングはギロチンの部分が端折られていて、いきなりえまちゃんの「ひとかけらの勇気」から。
声が固くて、大丈夫かな?とばあやはいきなり心配の塊になった。

が、舞台が温まるにつれて、声も出てきて一安心。
最大の関心事は、遥斗くんのショーブランよね。
なんといってもちえさまの出世作であり、演技開眼のお役なんだから。

遥斗くん、低音はいいんだけど・・・高温になると不安が渦巻いてしまった。
でも、ときどきことちゃん?というぐらい「ことショーブラン」に肉薄はしている部分もあった。
難しいお役をお疲れさまでした。

えまパーシーは、す〜っと流れていくような役づくりで、フックがなかったなあ。
アドリブで「できる、できる、君ならできる」の修造さんを入れてきたのにはちょっとびっくりしたけど。
面白かった。
でも、パーシーとしては・・・無難すぎるなあ。

とうこさん、ちえさま、あすかさんという伝説の舞台をなぞることは、新人ちゃんたちにとっては最高のお勉強の場。星組のこれからを築いていってね。

が、しかし、心躍る下級生を見つけられなくて、ちょっと心配な心配性のばあやでした。

DSC_0008.jpg

東京宝塚劇場1階の最後列センター席。
初めて座ったけれど、ここが一番高い位置になり、見やすいのにびっくり。
このラインによく関係者が座っているのを見かけるけれど、なるほど〜。舞台全体をよく見渡せる席なのだ。
今回の一番の発見!でした。

ところで10年前に書いた地域映画「白い船」の感想のところにやたらとアクセスがあるのはなぜ?
どこかでこの映画が話題になっているのかしら。
誤字脱字が多くてやんなっちゃうんだけど・・・(笑
posted by 風土倶楽部 at 09:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 極私的観劇日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする